2016年9月6日(火)、JR東日本は「JR品川車両基地跡地」の新駅設置計画が固まったとして、その概要を発表しました。
東京ドーム約3個分ともいわれる広大な敷地は、東京都内最後の大規模開発とも言われており、「品川新駅(仮称)」周辺は、さらなる発展が期待されています。
なかでも注目なのが、「品川新駅(仮称)」の名称です。
そして、2018年12月4日(火)、新駅の名前が「高輪ゲートウェイ」に決定しました。
ところが、「高輪ゲートウェイ」という名称が、駅名公募130位だったということで…。
そこで今回は、新駅「高輪ゲートウェイ」の、
・駅名応募総数や得票数の内訳
・新駅の概要やデザイン
・開業予定時期
などごご紹介します。
●新駅の名前が決定！票数の内訳は？
2018年12月4日(火)、新駅の名前が「高輪ゲートウェイ」に決定しました。
新駅の開業は1971年の西日暮里駅開業以来、約40年ぶりです！
ちなみに、現在は確認することができませんが、駅名公募の際は、
応募数ではなく、応募された駅名を参考に「新しい駅にふさわしい名前」を選考する
と専用WEBに記載がありました。公募する時点で、応募数が多いからと言って駅名になるとは限りません(意訳)と公言していたわけです。しかし、今回の駅名決定は大いに疑問を持たざるを得ません。
というのも、応募総数は6万4,052件あり、名称の種類は1万3,228種類にもおよんだとのこと。
そのうち決定した「高輪ゲートウェイ」という名称は、応募されたうちの件数でいうと130位・36件だったのです。
いくら、応募数で決定する…とは言っていない…とはいえ、たった36件の「高輪ゲートウェイ」が選ばれるのならば、そもそも公募する必要性があったのかどうか謎のような気もしますが…。
ちなみに、応募が多かった名称トップ10はこちら。
1位／高輪(8,398件)
2位／芝浦(4,265件)
3位／芝浜(3,497件)
4位／新品川(2,422件)
4位／泉岳寺(2,422件)
6位／新高輪(1,275件)
7位／港南(1,224件)
8位／高輪泉岳寺(1,009件)
9位／JR泉岳寺(749件)
10位/品田(635件)
※NHKニュースより
※次章以降は、2016年9月発表の新駅についての概要をご紹介しています。情報は執筆当時(2016年9月)のものです。
●JR山手線に新駅設置＆大規模開発
JR東日本はかねてよりJR山手線品川－田町間の新駅設置を検討していました。計画が明らかになったのは2014年6月です。そして、2016年9月6日(火)、ついにその概要の全貌を発表しました。
まずは東京オリンピックが開催される2020年の春に暫定開業を予定しており、本開業は2024年を目指すとのこと。
そして気になる場所は、田町駅から約1.3㎞、品川駅から約0.9㎞の位置にある、JR品川車両基地跡地です。
※JR東日本プレスリリースより。
JR山手線の新駅設置は、1971年に設置されたJR西日暮里駅以来となるため、2020年暫定開業時換算で49年ぶりです。そして、新駅はJR山手線30個目の駅となります。
なお、JR品川車両基地跡地は約13haもあり、東京ドーム約3個分という広さ。そのため、新駅設置と合わせて駅前開発も行われるため、東京都内最後の大規模開発とも言われいます。
おそらく、再開発可能な広大な土地は。都内にはもう残されてはいないかもしれませんね。
ちなみに、六本木ヒルズは約11.6ha、東京ミッドタウンは約10.2ha、恵比寿ガーデンプレイスが約8.3haなので、JR品川車両基地跡地約13haがいかに広大かおわかりいただけるかと思います。
新駅の他に建設が予定されているのは、マンションが3棟、オフィスと商業の複合ビルが5棟、合計8棟(2014年計画時の情報による)。羽田空港に近いため高度制限があり、制限いっぱいの160m級のビルになるのではないかと予想されています。
●新駅のデザインは？
新駅の駅舎デザインは「和」をイメージしたもので、日本の伝統的な「折り紙」をモチーフにした大屋根が印象的な作りになっています。
※JR東日本プレスリリースより。
駅舎の東西面(側面)は大きなガラスとなっており、コンコース階は約1,000㎡の吹き抜けを設置。ホームや街を見渡すことができるテラスもあり、解放感は抜群です。
※JR東日本プレスリリースより。
また、駅舎内には駅と街が連携したイベントを行うため、約300㎡のイベントスペースが設けられます。
※JR東日本プレスリリースより。
そして、新駅のホーム形態は「線路別島式の2面4線」…つまりプラットホームが2つ、ホームに接する線路が4つ(JR山手線とJR京浜東北線の2線)となります。
その他、太陽光パネルと小型風力発電機の設置、大屋根の消雪用散水機能を活用し、打ち水効果で夏場の温度を下げる工夫など、環境にも配慮した作りとなるそうです。
さて、「和」をイメージさせる駅舎のデザイン。どことなく新国立競技場のデザインと共通する雰囲気があるように思えませんか？
新駅のデザインを手掛けたのは、新国立競技場のデザインが採用された建築家・隈研吾氏です。
オリンピックイヤーに暫定開業する新駅は、世界中から東京オリンピックを観戦するために訪れる観光客も足を運ぶことでしょう。日本の魅力を発信するためにも、「和」のデザインはまさにピッタリかもしれませんね。
東京オリンピックには間に合いませんが、2027年には品川－名古屋間を40分で結ぶリニアが開業予定です。これにより周辺エリアが様変わりすることは間違いなく、東京の新たな玄関口となる品川駅にほど近い新駅は、大きく発展することは間違いなさそうです。
●新駅の駅名は？
品川－田町間は、JR山手線の中でも最長となる約2.2㎞の距離があります。
2.2㎞くらいで駅を作る必要があるのか？…という批判的な声も聞かれますが、JR品川車両基地の跡地を有効活用するために、また、大規模開発による経済効果のためにも、ある意味最善なのかもしれません。
そして、新駅設置に沸いているのは大手デベロッパーやゼネコンばかりでなく、地元商店街や商業施設などの関係者もしかり。
新駅ができれば人の流れが変わり、利用者の増加が見込まれます。地元にとっては大きなビジネスチャンスが舞い込むのではないか…という期待が高まるのも当然ですよね。
とはいえ、逆に人の流れを奪われてしまうのではないか…と懸念しているエリアがあることも事実です。
そして、重要になってくるのが新駅の「駅名」です。駅ができれば新しい駅名が付けられます。その影響力は軽視できません。
新駅はその地域のランドマークになり、駅名は駅利用者だけでなく各方面にも浸透していきます。周辺の飲食店や商業施設はその駅名を冠した名前を付ける場合も多く、駅名＝街のイメージにつながり、街の発展にも大きく影響する場合も…。
そんな大事な新駅の駅名ですが、その決定権は鉄道事業法によりJR東日本にあります。
とはいえ、最近は鉄道事業者が独断で新駅の駅名を決定することは少なく、利用者や地元住民に愛着をもってもらうためにも、広く一般公募する場合が増えているようです。ただし、獲得票数1位の名称に決まるわけではない事例もあるとか。
もちろん、時期については明確ではありませんが、今回の新駅の駅名も一般公募する予定と言われています。
それでは、どんな駅名候補があがっているのでしょうか？
2014年10月に不動産・住宅情報サイト「HOME’S」が実施したアンケート調査結果では、以下のような駅名候補が名を連ねました。
高輪(27.1％)
新品川(14.0％)
芝浦(13.5％)
東京サウスゲート(8.8%)
オリンピック2020ターミナル(6.9％)
港南(6.7％)
新泉岳寺(5.2％)
三田(3.8％)
品田(2.7％)
南田町(1.9％)
その他(9.6％)
※東京在住20～59歳までの男女480人によるインターネット調査
なかでもダントツなのが、「高輪」です。仮に高輪が選ばれたとしたら、「高輪プリンスホテル」のイメージが強いせいか、街のイメージも高級になりそうな気もします。
※駅名を高輪にしようと呼びかけるポスター。
また、上のアンケート調査には名前があがっていませんでしたが、「芝浜」という名前も候補になりそうなんです。
「芝浜」とは、ちょうど新駅ができるあたり、港区芝浦一体の昔の地名。そして、古典落語の名作の1つ…大酒飲みでなまけ者の魚屋の男と出来た女房の人情噺としても有名です。
和をイメージした駅舎、世界に日本の良さを発信するまたとない東京オリンピック開催に合わせての開業…となれば、落語で有名な「芝浜」を新駅の駅名に付けるのも、日本らしくて「粋」かもしれませんね。
●「品川新駅」駅名公募！
2018年6月5日(火)、JR東日本が2020年開業予定の「品川新駅」(仮称)の駅名を公募することを発表しました。
なお、新しい駅名は、
応募数ではなく、応募された駅名を参考に「新しい駅にふさわしい名前」を選考するとのこと。
応募期間
2018年6月5日(火)15:00～6月30日(土)23:59
応募方法
専用WEBサイト、または、郵便はがきにて受付。
発表
2018年冬頃の予定
※採用された駅名の応募者のなかから、抽選で100名にオリジナルグッズがプレゼントされます。
駅名を応募したい方は、こちらの専用WEBサイトよりどうぞ。あなたの考えた駅名が、採用されるかも！？
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