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「すしざんまい」木村社長がソマリア海賊を壊滅させた噂の真相は?

ソマリア海賊

 

「すしざんまい」の木村社長が、ソマリア海賊を壊滅させたという武勇伝がTwitterで拡散しました。事実なら素晴らしいことですが、本当なのでしょうか!?

そこで今回は、海賊壊滅についての噂をご紹介します♪

 

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●木村社長が海賊を壊滅させた!?


毎年、築地市場で行われる「初競り」で、青森県大間産クロマグロを最高値で競り落とすことでも有名な「すしざんまい」。2016年の初競りでも、200kgの大間のクロマグロを1,400万円で競り落としたことで話題となりました。

ちなみに、1,400万円のクロマグロは単純計算で1カン1,400円で販売しないと原価割れとなるそうですが、通常通りの価格で販売したとのこと。各メディアで大々的に取り上げられたので、宣伝広告費を考えれば十分元が取れそうです。

この「すしざんまい」(株式会社喜代村)は、現在全国に51店舗を展開。まだ「すしざんまい」の寿司を食べたことが無い人も、名物社長・木村清氏の名前だけは知っている人が多いかもしれません。2012年に発売されたプレステ3のゲーム「龍が如く5」に出演していたという過去も。

龍が如く5

 

さて、話題となっているのは、この木村社長が「ソマリア海賊を壊滅させた」という武勇伝です。これは事実なのでしょうか?まずは、ソマリア海賊についての背景をざっくり解説します。

 

アフリカのソマリア周辺海域で頻発したいわゆる「ソマリア海賊問題」は、1980年代後半に勃発した「ソマリア内戦」以降頻発するようになり、2000年代でその活動が活発化しました。最盛期には年間300件近い海賊被害が報告されており、インド洋~紅海~スエズ運河経由で地中海に入るルートを通る貨物船などにとっては、深刻な問題と化していました。

ソマリア沖

※黒線内が海賊頻発エリア

 

ソマリア海賊はもともと漁民が多いとされ、魚は海外に輸出し外貨獲得の手段となっていました。しかし、内戦の激化や政府が機能しないなどの原因から輸出が困難となり、漁民の生活は困窮。仕方なく海賊行為に手を染めた…というのがもっぱらの背景とされています。

とはいえ、実際は元漁民を騙った武装集団による海賊行為であり、組織的なものではないかとも囁かれています。有力なのがソマリア北部にある自治政府「プントランド」と手を組んだ組織であり、武器や麻薬等を密輸する組織が海賊化したものという話も。

 

 

ちなみに、海賊は銃などで武装しており、小さなボートや高速艇で貨物船等に近づいて船に乗り込みます。乗組員や積み荷などを人質にとり、多額の金銭を要求。身代金が支払われると、人質は解放。むやみに殺すようなことはないようです。

どちらにせよ、もともとは良心的な漁民がやむにやまれず海賊になった…という簡単な話ではありません。ソマリア沖は海運の要衝でもあり、海賊行為の頻発は国際問題にも発展しました。

 

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●木村社長の功績は?


さて、このような物騒な状況で、いくら元自衛官だったとはいえ、一民間人である木村社長が、海賊を壊滅させるなんてことができたのでしょうか?

もちろん、木村社長が武力で海賊を制圧させたなんて話ではないので誤解なきように。「リアルランボー」とか、単なるネタですから(笑)

木村社長が海賊壊滅させたというのは、要約すると「木村社長がソマリア海賊にマグロ漁を教えたから海賊行為をしなくてよくなった」というのがその噂の趣旨です。

実際、ソマリア沖はキハダマグロの漁場であり、内戦が激化するまでソマリア漁民はそのマグロを輸出していました。しかし、内戦により冷凍施設が使えなくなったことや、マグロを輸出するための国際組織(IOTC)に加盟していなかったことも合わせて、マグロの輸出ができなくなった訳です。もちろん、漁場は海賊が出没するため危険で、マグロを獲りに行けないというのもあったようです。

このような状況下で、木村社長は現地に乗り込み、海賊たち(実際に海賊なのか、元海賊なのか、元漁民なのかは定かではない)に船を与え、マグロ漁の技術を教え、冷凍施設を整備し、ソマリア政府に働きかけIOTCに加盟。さらに、獲ったマグロは木村社長の会社が買い取る。というルートを確立しました。

木村社長はソマリア海賊問題や彼らとのビジネスについて、「ハーバー・ビジネス・オンライン」(2016年1月18日掲載)のインタビュー記事でさまざまなことを語っています。

その記事のなかで、「うちが行くようになって、この3年間の海賊の被害はゼロだと聞いています。よくやってくれたと、ジブチ政府から勲章までいただきました」とあり、このことから「木村社長がソマリア海賊を壊滅させた」という話が広まったのではないでしょうか。

同記事では、ソマリア海賊とのマグロビジネスについて、採算はまだとれていないと語っています。それでも、将来的には利益が出る目論見は立っているとのこと。

内戦で疲弊し貧困にあえぐ人々に、ただ寄付をするだけの西洋的な援助の仕方ではなく、目先の利益だけを追求せず先を見て技術を教え、自身で金を稼ぐことを教える。日本は昔から世界各地の途上国などに、ただ寄付をするだけでなく、ODAという形などで技術提供し自身での発展に助力する…という方法を取ってきました。

木村社長が行っていることは、もちろん自身のビジネスにも貢献することが見えているものの、一民間人が行うODAのようなもの。これは実にすばらしいことです。

 

とはいえ、ここで誤解してはならないのが、「海賊が壊滅したのは、木村社長の功績」だけではないこと。

木村社長は先のインタビューで、ソマリア海賊とビジネスをするようになったのは3年前と語っています。とすれば、2012年~2013年頃ということでしょうか。

ちょうどこの頃は、海賊事案の発生件数が激減していた時期です。外務省の発表によると、2012年の発生件数は、前年の237件(乗っ取られた船28隻)から75件(乗っ取られた船14隻)にまで激減。2013年には15件(乗っ取られた船2隻)、2014年は11件(乗っ取られた船0隻)と、発生件数および乗っ取り船数はほぼゼロにまで激減しました。

海賊がほぼ壊滅状態と言えるのは、「海賊に対する国際的な警備体勢が厳重になったこと」が一番の理由です。2009年頃から、各国の海軍が派遣活動を活発化したことや、一般の船舶が武装護衛を付けるようになったため、船の大きさでも武力でも劣る海賊が活動できなくなったのです。

むしろ、木村社長のマグロビジネスが順調なのは、海賊が激減したからと言えるのではないでしょうか。

もちろん、木村社長がソマリア海賊=漁民たちに仕事を与えることによって、海賊行為をしなくても生活していけるということ教えたということは大いに意義のあることです。凡人にはなかなかできることではありません。ただ、1つの行為を事実誤認して取り上げて、英雄に仕立てる…というのはよくあることですが、それを今度は「ガセだった」といって貶めるのも怖いことです。

先のインタビューではまるで木村社長が壊滅させた…ととらえてもおかしくないような言い回しもみられましたが、大げさに語っているだけなのか、記事の編集によりそうなってしまったのか定かではありません。また、ジブチ政府から勲章を貰った理由についても、「海賊を壊滅させたから」のように読めてしまう部分も否めません。そういう風に読めるよう、編集されている感じ強いですが、実際は「漁業への貢献」からの勲章授与だとか。

美談や偉業は、伝える人が作り上げたものだったりもするので、何事も鵜呑みにしないで自分で調べる・考えることが大事かもしれませんね!

 


いかがでしたでしょうか?

メディアが伝えることは、時として「編集」という名の「改竄」によって、事実が誤認されて伝わることも多々あります。ところが「Twitter」でもこれと同じようなことが起こりますよね。

1つのストーリーのある要素だけを抜き取って、それをTwitterが広める。本当のこととは別のことが「事実」として勝手に広まってしまう。ある意味「ネタ」として面白おかしく伝えたり、話を大袈裟にしてしまったことで、「ネタ」として解釈できる人だけでなく、「嘘」や「真実とは異なる誤解」を信じてしまう人も出てきます。

「本当のこと」なんか知らずに、「キレイな話」だけを見て生きていければ一番楽ですがね(笑)

 

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