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TBSドラマ「ヤメゴク」第5話のあらすじをネタバレ!ゲスト出演者は?

ヤメゴク1-2

大島優子主演のTBSドラマ「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」。

前回の第4話では、麦秋の母・由美子と関東貴船組組長・橘の密会から、何かしらありそうな予感がプンプン漂い始めましたが、全貌はまだ見えません。

また、父親が死んだ理由もまだまだ判明していませんね!

第5話では、どこまで謎が明かされるのでしょうか!?

それでは、5月14日(木)21時から放送する第5話のあらすじなどをご紹介します♪

 

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●お疲れの大島優子さん


大島優子の寝姿

写真は、麦秋役の大島優子さんが5月10日の撮影現場で激写された仮眠中の姿を、インスタグラムで公開したものです。

最初はちゃんと座って寝ていたそうですが、腰からしたがソファからずり落ちちゃってますね。

第6話の撮影中だったとのことで、多忙な日々にお疲れのようです。

 

さて、前回放送の第4話の視聴率は、わずかに上がって6.2%となりました。4話の平均視聴率は7.13%

依然、予断を許さない状況ではありますが、打ち切りだけは避けてほしいと切に願います。

それでは、第5話のあらすじをご紹介します♪

 ※ネタバレ要注意です!

 

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●第5話のあらすじ


4年前…。野口家・大輝の部屋。

就職先が決まり、麦秋にお礼を言う野口隆(手塚とおる)。その横には金髪に髪を染めた15歳の息子・大輝(落合モトキ)がいた。

会社のパンフレットを眺めながら、「印刷会社なら親父の経験が生かせる」と言って喜ぶ大輝。

「偉そうに…誰のお陰だと思ってるんだ」

隆の言葉に、「バクちゃんだろ」と返す大輝。

「タガミツさんと言いなさい」

「だから、タガミツじゃなくて永光です」

そこには、髪を一つに結びグレーのスーツを着た麦秋の姿があった。

笑顔をこぼれさせ、仕事が見つかったのは、お父さんががんばったから、そして、

「あとは、不良仲間から抜ける決意をした、大輝くんのお陰かな」と言った。

大輝は照れ臭そうに、「親父の就職活動の邪魔しちゃ悪いし…」と俯く。

「私のせいなんです…」

隆が会社をリストラされたショックから働く意欲を失くしたことで、大輝は隆を憎むようになり、たびたび警察の世話になるようになってしまったことを、隆は後悔していた。

「もういいよ」

大輝は悔いる隆を遮る。

「そうね。お父さんを恨むのはもうおしまい」

麦秋は言うと、スーツのポケットからお守りを取り出した。金色の糸で刺しゅうされているのは、麦の穂と「麦踏神社」という文字だった。

「麦ってね、踏まれて踏まれて強くなるんだって。ってことは、大輝くんあとは強くなるだけだね。ここらからまた、大輝くんの人生が始まるんだよ」

麦秋が満面の笑みで言うと、しきりに頭を下げる父・隆であった…。

 

現在。野口家・大輝の部屋。

散らかり放題の部屋。ベッドに横たわる大輝。電話の着信音が部屋中に響く。手さぐりでスマホを取ると、「はい…」と眠そうな声で電話に出た。

大輝は現在19歳になっていた。金髪はソフトドレッドにかわり、おでこには冷却シートを貼っている。

「あぁ…お世話になってます…じゃぁこの前と同じ10個…えっ!何で急にそんな高く…」

驚きの声を上げると、大輝は上半身を起こした。

「それだと、8万以上で売らないと…無理です無理です、そんな客持ってませんよ…今回はいいですよ…よろしくお願いします…」

大輝は電話を切ると舌打ちし、「あぁ!」と大声を上げた。床に散らばるものをかき分けていると、そこに麦秋から貰った「麦踏神社」のお守りが落ちていた。

大輝はそれを手に取ると、窓の外へ放り投げる。

その様子を、ドアの横から見ている人影があった。野口清(田村泰二郎)、大輝の祖父であった。

 

警視庁・電話相談室。

応接セットのソファには、室長、東條、三ケ島が座っていた。手に手に箸を持ち、小皿に醤油を入れている。テーブルには、船の形をした桶…ツマしか乗っていない船盛が置いてある。

パーテーションの向こうでは、何やら「キーキー」言う謎の生物をさばこうとしている、佐野の姿が見え隠れしていた。

そこへ、外線電話がなる。

「バクちゃーん」

男たち3人が麦秋を呼ぶと、麦秋は自室代わりに使っている部屋から出てきた。

「はい、足抜けコール」

麦秋は受話器を取ると、電話をオンフックにした。

「どこに相談したらよいか、迷っておりました」

聞えてきたのは弱々しいおじいちゃんの声。

「なんや、おじぃやん」

「また、組長様などの足抜けでございましょうか」

佐野がパーテーション越しに顔を出すと、その隙にさばかれそうになっていた生物が逃げ出した。佐野は庖丁を持って追いかける…。

「足抜けされるのは、お孫さんでよろしいですね」

足抜けする本人はまだ未成年ということだった…。

 

ソファには、先ほど電話をかけてきた野口清の姿があった。大輝のスナップ写真をテーブルの上に置く。

「19歳…ギリ未成年やな」と、三ケ島が呟く。

「孫のタイキと言います」

東條がパソコン画面に「怠惰の怠に息でタイキ」と言いながら入力し、「大きく輝くで大輝です」と清に言われ変換し直す。

大輝という言葉に、麦秋が反応する。佐野がその様子を見ていた。

「19歳の暴力団員、ま、珍しくはないね」

室長に言われ、清が説明を始めた。

「大輝がそうなりましたのも、大輝の父親つまり、私の息子のせいなんです」

清はテーブルの上に、会社の集合写真に写る隆の写真を置いた。

去年まで印刷会社に勤めていた隆は、数年前から業界のゴルフコンペに参加していた。その中に、暴力団系の業者がいたことがわかった。そのため、隆がいた会社が利益供与したということで警察に公表され倒産してしまった。

麦秋はタブレットで東京都の公報を確認する。公安委員会の公示には勧告に従わなかった会社名…隆が就職したマダラメ印刷の名前があった。

「お客様からのご信用を失ったうえ、銀行様からのご融資も引き上げられてしまったのでございましょうね」

佐野が柔らかい口調で言った。

と…、三ケ島が室長と東条の怪しいそぶりを不審そうな目で見ていた。

「何フリーズしとん!」

室長と東条は口を半開きにしたまま固まっている。

「はっ!」

佐野が奇声を上げ、口元を押さえる。

「続けてください」

そんな様子はお構いなしに、麦秋は先を促した。

隆の会社が倒産し、隆も清も体を壊し働けなくなってしまった。隆は今も働けないままで、とうとう女房にも逃げられてしまったという。

その話を聞いて、三ケ島は自分の過去を思い出した。

 

三ケ島の妻が買い物袋を提げて歩いている。そこへヤクザ風の男が二人、「お子様元気にしてらっしゃいますか」と声をかけた。三ケ島の妻は買い物袋を放り投げ、自宅へと走る。

自宅では、お絵かきする娘の前に三ケ島が座っていた。そこへ妻が走ってきて、娘を抱きしめると、キツイ眼差しで三ケ島を睨む。

「翔、あなたの世界に娘を巻き込まないで」

妻はその言葉を残し、家を出て行ってしまった…。

 

「大輝くんは」

リーゼントをひとなでし、気を取り直した三ケ島が聞いた。

清によると、大輝は通っていた大学を中退せざるを得なくなり、親子の関係も悪化してしまったという。

「ちなみに、どちら様の暴力団様に所属されているのか、ご存じでいらっしゃいますか?」

佐野の言葉に、清は「わかりません」と首を横に振った。

「じゃぁなんで暴力団にいるってわかるんです?」

東条に聞かれ、清は何も言わなかったが、大輝がしていた怪しい電話の内容を思い出していた。

「それなりに、推定ご可能な出来事がおありになったということでございましょうね」

「お願いします。孫を、大輝を助けてください。暴力団から抜けさせてやってください」

清が声を振り絞り、頭を下げる。

室長は「うぅぅぅー」と唸りながら、ソファから立ち上がった。その時、麦秋の部屋のカーテンの影に、先ほど佐野が取り逃がした謎の生物が「キキッ」と声を上げながらうごめいているのが見えた。

室長は窓の側に立ち、昔流行った刑事ドラマの真似をして、ブラインドから外を見ながら口を開いた。

「複雑な事情を言葉にできないまま、祖父の清さんは孫の更生を一心に祈るのでありました」

「なんでそこでナレーションや!」

三ケ島が突っ込む。

話を聞く限りでは、大輝に暴力団を抜ける意思は見られない。だが、未成年ではあるので放ってはおけない…。

「これは少年係に任せた方がいいかな」

室長はソファに戻ると明るい声で言った。「そうですね大賛成」と東条も賛同する。

「ダメだ!少年係はダメだ!でぁー!!」

清が突然立ち上がり、大声で叫んだ。

「大輝は昔補導されたことがあるんだ。その時の少年係を今でも恨んでるんだ」

「少年係がダメなら、我々が出張るしかないのでは」

麦秋が立ち上がり、言った。

「バクちゃん、君がそれを言う?」

室長が麦秋に人差し指を向けた。清は麦秋に「お願いします」と頭を下げる。だが、東條がそれならば組体4課の刑事に任せた方がよいと言い出す…。

「わかりました。4課の刑事に協力してもらいます」

「協力って…うちが主導することになっちゃってる?」

室長が今にも泣きそうな顔で麦秋に向かって言った。

「まずは、野口大輝君がいる暴力団を調べてもらいます」

麦秋は電話相談室を後にした。「嫌な予感しかしない」と室長は、三ケ島に後を追うように指示を出した。

 

「待てぇ!」

三ケ島が麦秋の後を追う。電話相談室前の喫煙所は故障中の張り紙がしてあり、スモーカーたちが廊下でわちゃわちゃしていた。

「ちょっと、変や思わへんかった?」

三ケ島は室長や東条の様子がおかしかったことを麦秋に聞いた。

「その髪型なら、あなたに初めて会った時からずっと変だと思ってました」

「ちゃうわいっ!あのじぃさんの話を聞いてる室長と剣と佐野よ」

「室長たちの判断はごく真っ当でした」

「あれがか?」

「私もいささか驚きましたから」

「えぇ!」

「去年、野口大輝の父親の会社を公表したのは、私です」

「えぇぇ!」

「さらに、これは室長たちも知らない話です」

そう言って麦秋が続けたのは、4年前、野口大輝を補導したのが自分であることだった。

「えぇぇぇ!はぁ?ふぅぅぅ!!」

三ケ島の驚きにも拍車がかかる。

「確かお前、足抜けコールに来る前は人事課におったんちゃうんか?」

「それは1年だけで、その前は所轄の少年係でした」

「お前が?少年係?」

三ケ島は腑に落ちない顔をした。その時、三ケ島のスマホの着信音が鳴った。

「あなたからの依頼人が動き出したようですね」

スマホの画面を覗き込むと、麦秋は歩き去っていく。

三ケ島は電話相談室の窓の横の壁にもたれながら電話に出た。電話相談室の中では、逃げ出した謎の生物を追い掛け回す室長、東條、佐野の姿があった…。

 

とあるビルの裏。

「携帯が摘発された?」

「ヤクの客が付いてる携帯だよ。買ったばっかりだよ!」

藤田がタバコを片手に、三ケ島に噛みついてきた。

「お前まだそんなことやってたんかよ」

三ケ島はなだめようとするが、「とぼけんな!お前の差し金だろう」とさらにいきり立つ。

三ケ島の脳裏には、麦秋が水原刑事とヤク担当刑事と駐車場で密談していた場面を思い出していた。

口ごもる三ケ島に、「やっぱりな…おかげで今月のノルマは絶望的だ」と藤田が言う。

「ノルマって…組に渡す上納金か?」

「それどころか、女房子供の生活費も全くねぇ!」と、ビル裏にあるエアコンの室外機を叩いた。そして、「…ミルクも買えねぇ…」と、呟くように言った。

「なぁ藤田。もう潮時やろう」

三ケ島が言うと、藤田が振り向いた。

「ヤクザやめろや。足抜けしてカタギの仕事に就け。俺が力になるから」

三ケ島と藤田の様子をカメラのファインダーに収める、ヤクザ風の男の姿があった…。

 

警視庁・電話相談室。

「へ?暴力団に所属してなかった?」

室長が素っ頓狂な声を上げる。

「野口大輝は一応カタギでした」

麦秋の言葉に、「じゃぁ、あのおじいちゃんの勘違いってこと?」と、東條が聞く。

「ちょっと待って。一応って何?」

室長に言われ、麦秋が一枚の写真を差し出す。写真にはケバいギャルを3人はべらせた、派手なシャツを着た男が映っている。

「佐々木和也。たぶん彼が今のリーダーです」

佐々木和也(ジョニー大蔵大臣)は、薬物・闇金・振り込め詐欺などの犯罪を繰り返す、数人から十数人の集団…いわゆる半グレと呼ばれるグループのリーダーだった。大輝はそのメンバーを出たり入ったりしてた。

「組織がないってことは、これがいらない」

麦秋は離脱承諾書を掲げた。

「つまり、本人の意思次第で足抜けできるってことです」

「それが?」

室長が怪訝な顔で聞いた。

「という訳で、行ってきます」

麦秋は電話相談室を出て行った。

ちょうどその時、麦秋の部屋の仕切りのヘリをあの謎の生物が歩いていた!佐野が手近にあったものを投げつけ、見事仕留めた。

おもむろに、カーテンの中へ歩いていく佐野。

「えっえっ…色変わるの?」

 

野口家。

大輝が玄関から外へ出てきた。ふと目を上げるとそこに、麦秋の姿がある。

「お久しぶりです。お元気そうですね」

しばし麦秋を凝視した大輝は「裏切り者」と冷めた声で言った。

「去年、あなたの父親の会社を摘発したことを言っているのですか?あの会社は暴力団のフロント企業に利益供与していました。だから公表したまでです」

「親父は、一緒にゴルフしている仲間がヤクザなんて知らなかったんだぞ」

「知らなかったら、罪はないのですか」

 

警視庁・電話相談室。

「では、野口様は全く知らなかったのでございますか」

ソファには、大輝の父・隆が、左手に松葉づえを抱えながら座っていた。首には包帯が巻いてある。

「えぇ。社長には、同業者の印刷屋としか聞かされていませんでした」

彼らはいつも、プレー態度は真面目で、子分を連れてくる訳でもなく、ヤクザには見えなかった。

「そんな人たちと何度かゴルフをしただけで、警察はうちの会社名を公表し、潰しました」

しばし、バツの悪い空気が流れる…。

「しかし、野口さんは知らなくても、社長さんはヤクザだと知ってたんですよね」

室長が言うと、「でしょうね…」と、隆は苦笑いを浮かべた。

「自殺しましたから…」

その言葉に、室長、東條、佐野が顔を上げる。

「会社が潰れてすぐに」

隆の言葉に、三人は何も言えなかった。

「人生って、積み上げるのには一生かかりますが、壊れるのは一瞬です。私も再就職活動中に、心身ともに壊し、大輝も大学をやめてしまい…」

隆は悔しそうに歯噛みした。一年前の出来事が脳裏をよぎる。

 

「大学をやめるのか」隆が大輝に聞いた。

「仕方ねぇだろう!」大輝は声を荒げた。

隆は働けず収入がなく、家は借金まみれ。どうすることもできなかった。

「だからとにかくあん時は金が必要だった。そんな俺を助けてくれたのがヤクザだったんだよ」

大輝の言葉に、「助けてくれた?シノギの仕方でも教えられましたか?」と麦秋が言う。

「あぁ。俺にとってはあんたら警察が悪魔で、ヤクザが神なんだよ!」

大輝は吐き捨てるように言うと、麦秋の横を通り過ぎて行った。

 

「藤田さん」

建物の影で様子をうかがっていた大輝は、歩いてくる藤田に声をかけた。

「おぉ、大輝じゃねぇか!」

「探しましたよ。藤田さんのいた九瀬組が摘発されたって聞いてから。それっきり藤田さんいなくなっちゃうし」

「逃げたんだよ。それで今、貴船組で世話になってる」

「ってことはまだ、現役っすよね」

大輝はあくどい表情を見せた。

路上で立ち話をしていた二人は、うらぶれたビルの階段を登っている。

「また俺にシャブを卸してくれません?」

大輝が取引していたとある組が、警察にブツをごっそり持って行かれたせいで、価格が跳ね上がっていると言う。だが、藤田は、貴船組はシャブはご法度だとすげない。

「俺は今、扱えねぇのよ!」

藤田は吐き捨てるように言うと、階段を登り切った先にあるドアを入っていく。そこは廃業したボーリング場だった。

「そんなぁ…でもまだルートは持ってますよね?」

大輝が食い下がる。藤田は「ないわけじゃない」と返した。

「ならヤクザやめて、俺みたいにフリーになりません?」

「そう簡単に言うなよ。貴船の親父に盃もらっちまったよ!」

藤田はイラつきながら煙草を吸っている。

「じゃぁ、神室會に話つけてもらいましょうか」

「神室會?でっかい組じゃねぇかよ。なんでお前そんなところ知ってるんだよ」

「俺今その3次団体にシャブ都合してもらってるんすよ。藤田さんならルート持ってるし、その組ならきっと、藤田さん欲しいと思うんですよね」

「そこに移籍しろってことか」

「神室會が貴船組と藤田さんの間に入ってくれると思うんですよね」

大輝に言われ、藤田が考え込む。

と…、二人を会話を柱の影から麦秋が聞いていた…。

 

水千組・本部。

藤田は水田に襟首を掴まれ、「喜一郎、お前自分が何言ってるのかわかってるのか」と、睨みつけられている。

「頭にも、橘の親父にも大変お世話になってます。わかってるつもりで…」

藤田は震えが混じる声で言ったが、「やっぱりわかってねぇ!」と水田に怒鳴りつけられた。

「橘の親父は、親に捨てられたモンを、親を捨てたモンを、どこにも行くあてのねぇモンを自分の子にして、そいつの人生まで背負ってんだ。盃を貰うってのは、そういうことだ。それをお前…大変世話になった…ふざけるな!!」

水田の怒声に藤田は「すいませんでした」と、頭を下げた。

「こいつか」

水田は胸ポケットから一枚の写真を取り出し、藤田の前に投げつけた。見ると、先日、藤田が三ケ島と話していた場面を写したものだった。

「このデカに足抜けをそそのかされたか…どんな関係だ?ただのヤクザとデカじゃねぇだろ!」

水田はまたしても藤田の襟首を掴んだ。

「友人です…高校からの」

 

警視庁・電話相談室。

「そのころ柔道部におった藤田の影響で、俺も柔道部に入ったんや」

麦秋の部屋で、三ケ島が話していた。麦秋はバケツを抱えて歯を磨いている。部屋の中にはベージュのズロースが3枚、赤いズロースが1枚干してある…。

麦秋はコップの水を口に含むと、うがいをした水をバケツに吐き出した。三ケ島が顔をしかめる。

「それが何か?」

「藤田は柔道がメッチャ強ぅて、主将にまでなった猛者や」

「一方あなたは、試合にすら出られなかった弱者。それだけ柔道をやってて、今に生かされていないということは、高校3年と大学4年の計7年、無駄に生きたという結論でよろしいですね」

干してあるベージュのズローズを取り込みながら、麦秋が相変わらず冷たく言う。

「無駄にしたってなんや!俺は要領よかったから在学中に2段までとれた…赤いのはいいんか、赤いのは!」

「全世界のあらゆる2段に謝罪すべきだと思います」

ズロースを畳ながら麦秋が言う。

「しかし、これでわかりました。あなたが藤田喜一郎の足抜けにこだわった理由が」

「お前に頼んだことちょっと後悔してるぞ」

三ケ島が苦虫をかみつぶしたような顔で言った。

「後悔しても遅いです。藤田は野口大輝と一緒に足抜けさせます」

「ちょいちょいちょいちょい…大輝君は関係ないやろ」

「藤田喜一郎と野口大輝。二人は繋がっていました」

麦秋は、藤田と大輝が廃ボーリング場で話している写真を三ケ島に見せた。

「なんやて!!」

 

関東貴船組・組長橘の屋敷。

「喜一郎は、マル暴のデカと繋がってました」

水田が橘に報告していた。

「どうもまた、足抜けを勧められているようです」

橘は藤田と三ケ島が写る写真を手にしながら、雨の中、橘を見上げる麦秋の顔を思い出していた…。

 

警視庁・電話相談室。

「藤田と繋がってたっちゅうことは、もしかして大輝の奴、シャブやってんちゃうやろうな」

三ケ島はカーテンの側でたたずみながら言う。麦秋は段ボールハウスの寝床を整えていた。

「使用してるというよりは、売買してる感じです」

「売買!それやめさせなあかん!絶対やめさせなあかんわ!」

「そのつもりです。ただし、死ぬほど反省させてから」

「死ぬほど反省って…」

三ケ島は苦笑いを浮かべたが、麦秋は「電話番お願いします。おやすみなさい」と毛布をかぶった。

「ちょ、待て待て」

三ケ島の言葉に、麦秋は半分だけ毛布から顔を出す。

「お前、昔はこんな風に笑えたんやのう」

三ケ島は、微笑む麦秋と大輝が写った4年前の写真を差し出した。麦秋がサッと腕を伸ばし写真を奪い取った。

「昼間お前が少年係をやってた所轄に行ってきた。あーあの明るく元気なバクちゃんですか。みーんなそうやって言ってたわ。写真もいっぱいもろたで」

三ケ島は懐から写真の束を取り出し、床に落とした…と見せかけて全部繋がっていた。

「いろいろ更生させたんやのぅ」

写真の中の麦秋は、どれもあふれんばかりに微笑んでいる。もちろん喪服など着ていない。

「これが今のお前のネットワークかい」

麦秋は写真を一瞬で奪い取り、段ボールハウスの中に仕舞い込んだ。そして、おもむろに立ち上がり、すたすたと歩いていく。

「で、3年前、お前は人事に異動になった。そこで1年過ごした後ここに来たお前は、大輝君の父親の会社を公表して、親子を地獄に落としたんや」

麦秋は、デスクの下に置いてある段ボールから大麩豪を取り出しながら、三ケ島の言葉を黙って聞いている。

「相手が誰であれ、暴力団に利益供与するカタギは、絶対に許しません。それが私です」

言うと、段ボールの前に座り込みながら、大麩豪に齧りつく。

「なんでそんな風になったんや…3年前何があったんや。お前の親父が死んだのは3年前や」

麦秋は大麩豪を貪り食い、何も答えなかった。

 

廃ボーリング場。

藤田と大輝の姿があった。

「わかりました。すぐその組に連絡して、藤田さんのこといっときます」

「頼む」

大輝は、言葉を濁しながらも、組を紹介する代わりに、藤田が今手に入るシャブを安い値段で譲ってくれないかと持ちかけた。藤田は了承し、手持ちのシャブを大輝の言い値で売ってくれると言う。

「マジすか!」

大輝は思わず大声を上げるほど喜んだ。

 

野口家。

スマホを見ながら自宅の門をくぐった大輝。軒先にハンカチを敷いて座り込んでいる三ケ島がいた。よく見ると足の向きがおかしい…。

「いつも藤田とここでおうてんのかい」

三ケ島は麦秋に見せられた、廃ボーリング場に居る藤田と大輝の写真を手に持っていた。

「藤田とはいつからや」

大輝は無視して通り過ぎようとする。

「シャァブゥ!藤田から手にいれたんかい」

写真を内ポケットにしまうと、三ケ島が立ち上がる。

「何の話だよ」

大輝が振り向いて言うと、三ケ島は大輝の体をまさぐり始めた。

「身体検査や、ご協力を…」

抵抗する大輝の上着がはだけ、右肩が露わになる。そこには見事な「絵」が描いてあった。

「お前…刺青いれとんのか…スカルと蛇や!おぉー!」

「だったら何だよ!」

大輝が三ケ島の腕を払いのける。

「これは、腹くくった証だよ。去年親父の会社が警察に潰された時に、藤田さんに助けてもらって、俺はヤクザとして生きていくって、腹くくったんだよ!」

大輝は凄んで見せたが、

「笑わすな…笑わすな…何が腹ぁくくっただ。自分の不甲斐なさを親父のせいにして、カタギでおることやめて、せやからいってヤクザにもなれん中途半端な半グレのくせに…何が腹くくっただ!はぁん?」

三ケ島に畳み掛けられる大輝。そしてその様子を生垣から麦秋が覗いていた。

 

野口家。

リビングには大輝の父・隆と祖父・清がいた。テーブルを挟んだ向かいには麦秋が座っている。

「で、孫の大輝の方は、なんとかなりそうでしょうか」清が訴えるように言う。

「私を呼びつけて虫のいいお願い事ですか」

「呼びつけてって…息子は体調が悪くって…すいません」清は頭を下げた。

「なんですかその顔は。私の体調が悪いのだって、大輝だって、元々全部あんたのせいじゃないか!」

隆が吐き捨てるように言った。「室長さんに全部聞いたよ」と。

「そうやって自分の人生を他人頼りにし、他人のせいにして生きていく。親子そろって救いようのないバカですね」

麦秋は意に介さずに言った。

「なっ…!」

麦秋の暴言に、隆が詰め寄ろうとしたが、清は床に土下座して、立ち去ろうとする麦秋を止めた。

「待って、お待ちください!私たちも何でもします!大輝を救ってください」

そう言って土下座する。隆が止めようとするも、「お前の息子のことだろう!お前も頼め!」と頭を下げる清。隆も松葉づえを放り投げ床に座り込むと、

「何でもします…どんなことでも…大輝を助けてください!」と土下座をした。

「…まずは金ですかね…それもたくさん」

麦秋が呟く。隆と清は不安そうに麦秋を見上げるのだった。

 

半グレのたまり場。

スマホの着信音が鳴り、佐々木和也が電話に出た。電話の相手は大輝。

大輝は、破格の値段でシャブが手に入ると、佐々木に話した。金額は300万。だが佐々木はまとまった金はないと言う。

ところが、そのタイミングで、仲間の詐欺グループから電話が入る。300万の受け渡しに成功したという連絡だった。和也は大輝にかけ直すと言って電話を切る。

「俺だ。相手は?じじぃだな。孫の名前は?トモユキだなぁ!」

 

とあるバスターミナル。

メガネをかけチェックのシャツを着た気の弱そうな若者が、「トモユキ君の友人のものです。書類持ってきて貰えましたか?」と、杖をついた老人…野口清に声をかけた。

清は「書類?あぁ」と言って、中に何かが入ったA4サイズの茶封筒をメガネの若者に手渡した。

「あの、これで孫は助かるんですよね」と、清が聞くと、若者は「はい。これがあれば向こうも手を引くと言ってくれています。ですからおじいちゃんもこのことは誰にも言わず、信じて待っていてください」と言った。

その様子を、近くのラーメン屋の入り口から麦秋と隆が見ていた…。

 

半グレのたまり場。

「水中、それは苦しい」と書かれたTシャツを着ている和也は、メガネの若者が持ってきた茶封筒から札束を取り出した。

大輝がそれを受取り、倍にして返しますと言うと、長3サイズの封筒に300万を入れ直す。

 

廃ボーリング場。

大輝から封筒を受け取った藤田は、封筒から札束を出し中身を確認した。かわりに「クリオネカレー」と書かれたパッケージに入った大量の白い粉を大輝に渡す。

「安く売っても1千万にはなる…で、あっちの方は?」

藤田がしがみつくように、大輝の肩を掴んだ。

「藤田さんのことを話したら、いつでも来てほしいって言ってました」

 

神室會系・荘原組の事務所。

ソファに座る組長の神鳥尊晴(菅田俊)の前に、藤田は300万の入った茶封筒を差し出した。

組員が封筒から札束をだし、テーブルの上に置く。

「なんや、この金は」と、組長に問われ、

「貴船組に話を付けてもらうには、この程度は必要かと」

と、藤田が言った。

「なるほど。貴船組からうちへ移るための…まぁ、手間賃ってやつかいのう」

神鳥が豪快に笑う。藤田はソファを立ち上がり、よろしくお願いしますと深々と頭を下げた。神鳥が居住まいを正し、頷く。

そこへ、組員の怒声が聞こえてきた。投げ飛ばされる組員。

「なんや!」

組長が声を荒げたとき、麦秋が三ケ島を連れてやってきた。

「翔!」

三ケ島の姿を見て、藤田が驚きの声を上げた。

麦秋は組長の側に近づく…と、組員がそれを制ししようとしたが、片手で投げ飛ばす麦秋。

テーブルの上の300万を手に取った。

「お驚きました。まさかこのお金ここに持ってくるとは」

呆れた表情の麦秋。組員が誰何の声を上げると、三ケ島がそっと警察手帳を出した。

「というわけで、1枚拝借いたします」

麦秋は札束から1万円札を引き抜くと、カバンからタブレットを取り出す。「こちらをご覧ください」…と言いながら電源を入れるが、タブレットの電源が入らない。

その様子を、一同が固唾をのんで見守る…。

麦秋はアダプターを取り出すと、手近なコンセントに差し込み、タブレットを起動させた。

画面の中には一万円札の画像が。手元の一万円札も掲げ、「同じ番号…つまり、同じ紙幣ということです」と言った。

「ど、どういうことや」

神鳥組長が困惑して言った。

「この300万円の札束は、全て番号を記録してると言う事です」

室長、東條、佐野が3人で、300万円分の1万円札を写真撮影していた。

「シャブの取引に使われた金やからのう」

三ケ島が割って入る。

「母さん助けて詐欺に使われたお金でもあります」

麦秋も追い打ちをかける。

「今回はじぃちゃん助けて詐欺やったけどな」

三ケ島が言い直す。

「まさか、おとり捜査なのか!」

藤田が焦った表情で聞いた。

「私が協力者の大輝君に流してもらいました。私と大輝君、ずっと前から、仲良しなんです。そんなことも知らなかったんですか」

麦秋は4年前に大輝と撮った写真を、藤田の鼻先に押し付けるように見せつけた。

「あのガキぃ!!」

藤田が鬼の形相で叫び、写真を奪い取った。

「というわけで。この300万円は覚せい剤の売買と詐欺に使われた証拠品です」

手に300万円を持っている組長の神鳥は、きょとんとしている。

「それを彼から受け取ったということは…組長さん、あなたも二つの犯罪にかかわっているんですね」

神鳥はそう麦秋に言われ、真っ直ぐ指を差されると、「し、知らん」と言って札束をテーブルの上に投げるように置いた。

「こいつはまだわしの組の人間じゃねぇ」と言うと、神鳥が藤田を指差す。

「では、彼はまだ、関東貴船組の構成員」

麦秋の言葉に、神鳥は手を打って「そや、そや、な!」と子分たちにも同意を求めた。

「そうですか…よかった」麦秋が呟く。

 

三ケ島が藤田の手を引き、荘原組の事務所を後にした。

「証拠がある以上、警察には来てもらうで」

三ケ島は藤田の手を掴んだまま言った。

「覚せい剤取締法違反と、詐欺の容疑や」

その時、「とぅ!」という掛け声と共に、麦秋が藤田の腕をつかむ三ケ島の手をチョップした。手が離れ、藤田が慌てて逃げ出す。

「何しとんのや」

逃げ出した藤田の後を追おうとする三ケ島の背に、麦秋がとび蹴りを放った。

「残念ながら逃がしてしまいましたね」

「何言うてんねん。どうみてもお前が逃がしたんやろう」

三ケ島は蹴られた背中をさすりながら、「何キックしとんのや、俺ショッカーちゃうぞ」と抗議したが、

「すべては予定通り」

麦秋は薄笑いを浮かべながら呟いていた。

三ケ島は逃げ去る藤田の背中を見て、廃ボーリング場で大輝と写っていた写真を思い出す。

「藤田…大輝君や…あかんわ!うぉぉぉぉ!藤田ー!」

叫びながら走って追いかけて行った。

 

廃ボーリング場。

藤田は、麦秋から奪い取った、麦秋と大輝が写っている写真を、大輝の目の前に見せつけると、くしゃくしゃにして投げ捨てた。

「このガキ…俺のこと騙しやがったな」と言いながら、大輝に蹴りを入れ、殴りつけ、床に放り投げた。

大輝は怯え、声も出ない。藤田は大輝の胸倉を掴み、容赦なく顔に拳を入れる。

「藤田!やめろや藤田」

三ケ島の声に、藤田の手が一瞬止まった。だが、大輝に馬乗りになると、「俺がお前に何したんだよ!人の恩忘れて、あだで返しやがって!」とまた殴りかかろうとする。

「やめろやもう!」

止めに入った三ケ島と藤田が掴みあう。見事な一本背負いで、三ケ島は投げ飛ばされてしまった。

「藤田喜一郎。暴行・傷害の現行犯で逮捕いたします」

わざと遅れてきた麦秋が、藤田に言った。そこへ、女走りで佐野がやってくる。

「ささっ、こちらに、ランナウェイでございます」

言うと、大輝を連れて物陰に隠れる。

「どけ」

藤田が麦秋の頭を叩いた。麦秋はその手を掴み、「良かったです。先に手を出していただけて」と言うと、「公務執行妨害も加わりました」と付け加えた。

「ざけんな」

藤田が麦秋の腕を掴む。

一瞬、投げ飛ばされたかに見えた麦秋だったが、そのまま藤田の首に手を回し投げ返す。受け身を取った藤田。しかし、懐から拳銃を取り出した。

麦秋に向かって1発放つ。だが、麦秋がすんでのところで拳銃を蹴り、弾丸は麦秋をそれ、隠れていた三ケ島のリーゼントギリギリをかすめ飛んで行った。

藤田がめったやたらに拳銃をぶっ放す。麦秋は後ろ跳びでそれをかわし、弾倉は空になった。

「あぁぁ!ちきしょぅ!」

藤田がいら立ちの声を上げた。

麦秋は一歩ずつ、藤田に近づく。藤田は最後のあがきとばかりに、拳銃で麦秋を殴りつけようとしたがあっさりかわされ、叩きのめされ、拳銃を奪われてしまった。この場から逃げようと、ボーリングのレーンの方へ走っていく。

だが、麦秋は隣のレーンを藤田より早く走りぬけ、その先に立てかけてある板をスライディングキックで倒した。藤田は板の下敷きになり、飛び出ていた釘が藤田の顎を血で染めた。

麦秋は内ポケットから手錠を取り出すと、高々と掲げる。

「三ケ島刑事。あなたが逮捕するんです。あなたが、この男に手錠をかけるんです。この男の足抜けはあなたからの依頼です」

「それがお前のやり口か。お前を信じて更生した少年だけやのうて、俺の友だちまで…俺さえもお前は、コマの一つとして動かしとったんかい!」

「えぇ。思い通りに動いてくれる、いいコマでした。あなたが手錠をかけないなら、私が」

麦秋は藤田に手錠をかけようとする。

「待ちや!」慌てて三ケ島が走り寄ってきた。

麦秋から手錠を奪うと、倒れている藤田の腕を取り、手錠をかけた。

 

半グレのたまり場。

水原を筆頭に、マル暴の刑事たちが詰めかけていた。

「はいぃぃ!佐々木和也さんは、誰かなぁぁぁ?」

水原が大声を張り上げる。

その怒声に、周りのトリマキたちは和也から一歩離れるとみんなで指を差した。

「はい、これ、逮捕状!」

ヤク担当の刑事が逮捕状を見せつける。

「覚せい剤取締法違反と、詐欺の容疑で」

「はぁぁぁ?」と、和也が声を荒げたが、それにかぶせるように水原が「はぁぁじゃねぇよ!」と言うと、和也の襟首を掴んだ。

「二つの犯罪に使われた金に、てめぇの指紋がついてたんだよ!一巻の終わりだよ!」

「二巻の始まりは警察からになります」

ヤク担当の刑事が上手いこと言った。

 

「おぅ、俺だ。佐々木和也を逮捕した」

水原の報告を受ける麦秋。

「そうですか。では、これは貸しにいたします」

「ふざけんなよお前!俺が取ってやったお札で、貸し借りはチャラだろぅ!」

「仕方ないですね。わかりました」

麦秋は言うと電話を切った。

「これがそのお札…逮捕状です」

目の前には、橘勲が座っている。ここは関東貴船組組長・橘の屋敷である。

麦秋が掲げる逮捕状を、水田が奪い取った。

「傷害、覚せい剤取締法違反、銃刀法違反、公務執行妨害…って、喜一郎が被疑者じゃねぇか!」

水田が怒りの形相で言った。

「えぇ。関東貴船組の構成員、藤田の逮捕状です。彼はこの組を潤わせるために、それだけの罪を犯しました」

麦秋は立ち上がると、ソファの前のテーブルの上に立ち、懐に手を入れた。一瞬ヤクザたちが身構える。

「よって、彼の使用者責任で、貴船組組長・橘勲。あなたも逮捕いたします」

麦秋は懐から出した手錠を頭上高く掲げる。

「まさかお前に逮捕されるとはな」

橘が慌てるそぶりもなく言った。

「お前ではありません。永光麦秋です」

「ふざけるな。逮捕するなら、親父本人の逮捕状を持って来い!」

水田が怒鳴る。

「使用者責任で十分逮捕できます。どきなさい、水田千一!」

麦秋は水田が持つ逮捕状を奪い取りながら、大声を上げた。

手錠を持つ手が、橘に伸びる…と、その時、麦秋の腕を、何者かが掴んだ。

「逮捕はさせません」

三ケ島が麦秋の顔をちらっとみた。

「そのかわり、こちらに一筆頂戴いたします」

差し出したのは、藤田の離脱承諾書だった。

「こちらに一筆いただき、さらに藤田の絶縁状を回してくれれば、無理な逮捕はいたしません」

手錠を持つ麦秋の腕を掴んだまま、三ケ島が言った。

「そんな勝手許しません」

麦秋はその手を振りほどくと、三ケ島に言い放つ。

「勝手!いつものお前のやり口やろ…ヤクザをやめさす道を極めた女…ヤメゴクのやり口やないかぃ!おぉぅ!」

麦秋は三ケ島を恨みがましい目で睨みつけた。

 

橘は素直に離脱承諾書にサインをした。三ケ島はそれを受け取り、麦秋は何も言わず橘の屋敷を後にした。

 

あぶくま整形外科。

病院のベッドの上で、大輝が寝ていた。覆いかぶさるような人影が…大輝の頬を指でつつく。
気が付いた大輝は佐野と遥の顔を見て、思わず奇声を上げた。

「わたくしのこと見えてらっしゃる…見えてますよね。チョー驚きましたもんね」

佐野に言われ、大輝は無言でうなずいた。

「よかったー、少し二重に見えたりしませんかぁ?」

「よかったぁー。頭痛くはございませんこと?」

「よかったー、声は出ますかぁ?」

佐野と遥が口々に聞くが、大輝は怯えているようだった。

病室のドアを勢いよく開け、麦秋が入ってきた。佐野と遥が振り向く。

「いい加減早く先生を呼んできなさい」

麦秋に言われ、遥が仕方なくといった感じの返事をし、病室を後にした。

「あ、わたくしも失礼いたしまーす」

佐野が空気を読んで退室する。

「なんで…俺がこんな目に…」

大輝がベッドから上半身を起し、麦秋に言った。

「あなたをこんな目に合わせたヤクザも、去年、あなたを助けてくれた神も、同一人物です」

「なんで藤田さんは俺をこんな目に」

大輝が言うと、麦秋は4年前に撮った写真を見せた。

「私とあなたはグルだった。私がそう言ったからです」

「じゃ…お前のせいで…またお前のせいで!」

大輝は大声を出したが、ケガが痛むのか前かがみになって呻いた。

「第七肋骨に響きますよ」

麦秋は写真をカバンに戻し言う。

「また私を恨み、半グレのままでいますか。あなたが頼りにしていた藤田はとっくに逮捕されました。どうしますか。警察にもヤクザにも頼れない」

「なんで俺にこんな酷いことを…」

「それは、あなたがヤクザだからです。一般人には、半グレもヤクザも同じです。しかもあなたは、ヤクザに利益供与していた。私はヤクザに利益供与する人間を絶対に許しません」

病室の外には、有留章子と遥、佐野がいた。

「同じね」と、章子が呟く。遥に聞かれ、「私の時と全く同じ…」章子が言った。

「先生、人はみんな過ちを犯すんです。そのことはどうしようもない。でも、その過ちのお陰で、その教訓が、どう生かされるか、生き直せるか、それが一番大事なことなんではないでしょうか…あっ!私としたことが、なま生意気な口を叩いちゃいましてどうもすいません」

佐野が途中誰かのものまねをしながら、章子に語りかけた。遥はそんな佐野の姿をうっとりとした顔で見つめている…。

 

「過ちを悔いて、もっともっと苦しんでください。あなたがシャブを売ることで、苦しめてきた人たちの分まで、苦しんで苦しんで、そしてあなたは自分の人生が自分の物であることを証明すべきです」

麦秋はそれだけ言うと病室を出た。

「私も、ここで、この病院で、人生をやり直せるかしら」

病室の入り口で話を聞いていた章子が麦秋に聞く。だが、麦秋は、

「先生、患者さんをお願いします」と言っただけで、立ち去ってしまった。

 

留置所・面会室。

「お前の一本背負い、相変わらずのキレやったわ」

三ケ島と藤田が、マイク越しに話をしていた。

「まさかお前に逮捕されるとはな」

「俺はデカやからな…じゃぁ、こっからは友だちとして言う…シャバに戻ったら、お前は俺と同じカタギや」

そう言って、二人を隔てる透明の板に、橘にサインしてもらった離脱承諾書を張り付けた。

「これは…」

「お前の離脱承諾書や。足抜けしてもええっちゅう…親父さんのお墨付きや。俺が貰ってきた」

「一体、どうやって」

藤田は驚きを隠せない。

「ほんなん簡単や…さっきから言うるやないかい…お前の友だちやからや。奥さんと娘さんは、たまに俺が見といたるから、な」

 

後日、あぶくま整形外科医院。

私服に着替えた大輝を、水原が無理矢理立たせている。そこへ、三ケ島と佐野がやってきた。

「なんや、もう逮捕かい」

「藤田が急に、自白し始めまして」

大輝の右腕を両手で掴む水原を引きはがし、「で、罪償うたらどうするつもりや」と、三ケ島が大輝に聞いた。

「どうするもなにも、一人で生きてく。もう誰にも頼らず、俺一人でな」

大輝は投げやりに言う。

「おぅおぅおぅおぅ…偉そうなことぬかすな。散々家族を頼っといてからに」

三ケ島の言葉に、「俺が家族を頼っただと!」と、大輝が色めき立った。

「さーくん」

三ケ島が佐野に合図すると、佐野が大輝の祖父・清と、父・隆を招き入れた。

「お前のために、危険な真似をしてくれた人たちだ」

「へ?」

大輝は、意味が分からず聞き返す。

「お前を足抜けさせるために、おとり捜査みたいな危ない橋渡ってくれた、お前の家族や。あの300万も、必至で都合つけたんやで。誰にも頼るな。たった一人で苦しみながらやり直せ。あの女にそう言われたんかい。頼ったってええ。助けてもらってもかまへん」

三ケ島が大輝に諭すように言った。

「まぁまぁ。罪を償ったあとのお仕事でございますが、我々暴追センターで探し始めるつもりでございます」

佐野が割って入った。

「あ、それなら…この刺青、消した方が」

今度は章子が割って入った。大輝の服をはだけ、刺青を晒す。

「できますか、先生?」

三ケ島に聞かれ、章子は「彼の刺青なら、レーザーでかなりキレイに消せると思います」と言った。

「そうそう、この病院の設備凄いんですよ!」

遥がニコニコして言う。

「結構、大きいタトゥーだから、時間はかかると思いますけど、私にやらせてもらえたら、費用の心配はいりません」

「先生そういうボランティアやってるから、大丈夫ですよ」

大輝はそう言われ、困惑して三ケ島を見た。

「どうする?ここにおるやつみんな、お前を助けたいゆうとるぞ」

「とりあえず、逮捕かな」

水原が空気を読まず、大輝の腕を掴んだ。だが、三ケ島は「頼ったらいいがな」と声をかける。無視された水原が、悲しげな顔をした。

「これ、家の外に落ちてた…大事なお守りだったろ」

隆が大輝に差し出したのは、昔麦秋が渡した「麦踏神社」のお守りだった。大輝は4年前に麦秋がかけてくれた言葉を思いだし、たまらず泣きだした。

 

警視庁・屋上。

靄にかすむ東京の空を見上げ、手を伸ばす麦秋。中空の何かを、ギュッと掴む。

「野口大輝君の足抜け、成立したで」

そこへ、三ケ島がやってきた。

「わかってます」

麦秋は伸ばした腕を下す。

「なんや。藤田と大輝君の足抜け、お前の思い通りになったのに、愛想ないやないかい」

「あなたは私の計画を台無しにしました」

「人はなぁ。チェスとか将棋のコマちゃうんやで。何でも思い通りになる思うたら大間違いや」

「私は絶対に、橘勲を逮捕します」

麦秋は立ち去ろうとしたが、三ケ島の言葉に立ち止まる。

「そんなに憎いんかい…橘勲が」

「えぇ。憎いです」

「お前の親父さんの死に関係してるからか。もしかしたら、お前の親父さん、3年前に橘に…」

三ケ島が最後まで言う前に、麦秋はその場を立ち去った。

 

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●第5話のゲスト


・野口 隆(のぐち たかし)/手塚とおる

 半グレの野口大輝の父親。勤めていた会社がヤクザがらみで潰れ、身体を壊し無職。

 …ドラマや映画、舞台などで活躍する俳優。ユニークな風貌や演技は、脇役には欠かせない。現在52歳。

 

・野口大輝(のぐち だいき)/落合モトキ

 一度更生したものの、父親の会社が潰れた原因が警察によるものと逆恨みし、半グレになる。

 …ドラマや映画などで活躍する若手俳優。現在24歳。2年前にNHKの朝ドラ「あまちゃん」でブレイクした女優・橋本愛との熱愛を報じられたこともある。

 

・野口 清(のぐち きよし)/田村泰二郎

 孫を助けたいと、健気に足抜けコールに助力を頼みに来た。

 …ドラマや映画など、多数の作品に脇役として出演。現在66歳。

 

・神鳥組長(かんどりくみちょう)/菅田俊

 神室會系荘原組の組長。

 …ドラマや映画などに多数出演。強面を活かして、ヤクザや刑事役などが多い印象。現在60歳。

 

・佐々木和也(ささきかずや)/ジョニー大蔵大臣

 半グレのリーダー。たまり場ではトリマキをはべらせ、大声で笑う。

 …パンクバンド「水中、それは苦しい」のボーカルとギターを担当。現在42歳。

 

 


 

いかがでしたでしょうか?

第5話では、麦秋の憎き相手・橘勲の逮捕まであとわずかでしたが、三ケ島が藤田を足抜けさせるための手段として、逮捕を阻止してしまいました。まぁ、5話ですから、ここで逮捕は早いですしね(笑)

さて、次週は三ケ島が麦秋と橘の関係を探るようですね。

個人的な、勝手な憶測ですが、麦秋は橘の娘ではないかと…。えぇ。まぁ、そうだったら警察官にはなれないはずなんですがね。まぁ、超秘密で橘と由美子しか知らなくて、認知もしてない…とかなら可能かな?

そんな展開なら、なかなかの波乱ですねぇ…憶測ですけど(笑)

では、また次週のあらすじをお楽しみに♪

 

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