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TBSドラマ「ヤメゴク」第6話のあらすじをネタバレ!「Thinking Dogs」デビュー!

ヤメゴク1-2

大島優子主演のTBSドラマ「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」。

前回の第5話では、麦秋も昔は普通の警察官だったことが判明しました。変わったきっかけは一体何なのか?

第6話では、三ケ島が麦秋の過去を本格的に調べるようです…。

それでは、5月21日(木)21時から放送する第6話のあらすじなどをご紹介します♪

 

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●謎のバンド「Thinking Dogs」がデビュー!


まずは視聴率から。

第5話の視聴率は前回より0.2%増加の6.4%となりました。

微増なので何とも言えませんが、これからストーリーが核心に向かっていくのは間違いないので、視聴率が盛り上がっていく可能性もまだまだありますよね!

 

さて、話題となっているのが、「ヤメゴク」の主題歌「世界は終わらない」を歌う謎のバンド「Thinking Dogs」です。

正体は未だわからぬまま、ヴィジュアル的なものは一切公表されていません。

唯一、と言えるのが、Thinking Dogsの公式Twitterに、後姿の画像が掲載されているのみです。

Thinking Dogs

うーん。これでは全くわかりませんね(笑)

そして、巷で噂となっているのが、ヴォーカルはTOKIOの長瀬智也さんではないか?ということです。

YOUTUBEに「LYRIC MOVIE short ver.」がアップされています。画面には歌詞しかありませんが、ドラマ内よりははっきり聴くことができます!

 

 

どうでしょう?どうなんでしょう?長瀬さんに聞えなくもないですよね。

あえて言うなら、ドラマの中で演じた桜庭裕一郎の頃の歌声に似ています。

ただ、先のTwitter画像を見ると、うしろの髪を結んでいるように見えるんですが、最近の長瀬さんはどんな髪型でしたっけ?短めだったような…!?

 

ちなみに、「Thinking Dogs」はソニー・ミュージックレコーズから6月24日(水)にデビューすることが決まっています。

そして同日、「ヤメゴク」の主題歌である「世界は終わらない」をリリース。

順当に行けば、6月25日(木)はドラマの第11話が放送となりますので、その前日に話題となっているバンドのデビュー日にする…ということは、もしかして、

第11話が最終回かもしれません…!?

そして、もし仮に、万が一、ヴォーカルが長瀬智也さんだったとしたら、最終回に2013年に放送したドラマ「クロコーチ」の黒河内 圭太で登場したら面白いですね!

クロコーチ

…しかも黒河内は捜査2課なので、勝地涼さん演じる暴追センターの佐野(元捜査2課)の上司役とかで出演…ってこともありえなくもないかもしれない!?

「せーいかーい!」とか言ったりして(笑)ねぇか!

 ※あくまでも個人的願望です(^^;)

では、第6話のあらすじをご紹介します♪

 ※放送終了後に詳細と差し替えますのであしからず。

 

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●第6話のあらすじ


半年前。

2階建てアパートの一室のドアを、警官が叩いている。

「小牧、いるんだろう、小牧、開けろ」

必至に声をかけているのは、竹の原警察署・舎人交番の巡査長、岩井田守だった。

階段を駆け上がってくる中年の女が、部屋の鍵を岩井田に手渡す。

部屋を開けるとそこには、白い錠剤がいくつか転がっており、男が倒れ込んでいた。

声をかけても目を覚ますそぶりはなく、岩井田は無線で救急車を要請した。

 

警視庁・組対4課。

コワモテの男たちが顔を連ねる、組対4課…いわゆるマル暴の部署に三ケ島がいた。何やらパソコンをいじっており、水原が「なにしてんすかっ?」とほんのり嬉しそうな顔で聞く。

「3年前に、ヤクザが人を殺した事件を調べてるだけじゃい」

そい言って、パソコン画面を食い入るように見つめる三ケ島。

「それなら、自分のところで調べりゃいいじゃないですか」

「足抜けコールにはあの女がおんねや…調べずらいわえ」

三ケ島は、画面から目を離さず呟いた。

+//

警視庁・電話相談室。

一本の電話が鳴り、受話器を取る麦秋。

「自殺未遂…?」

麦秋の呟きに、室長が電話をオンフックにした。

「そいつのね、就職を斡旋して欲しいんだよ」

「つまり、自殺未遂をした足抜け希望者はあなたの知り合い?」

「ああ、去年俺が暴行でパクってからの縁だ」

「パクッた?あなた様はもしや、警察官でございますか?」

佐野は、ザルと棒で作った罠を床に置いていた。何かの肉を2つ置いて、逃げ出した謎の生物を捕まえようとしているが、目を離した隙に、肉の塊が一つ、謎の生物に奪われている。

「あぁ、失礼した。竹の原署、舎人交番の岩井田です」

「足抜けコール室長の石山です」

室長が、足抜けさせたい男はどこの暴力団かと聞くと、岩井田はもう足抜けは済んでいると話した。

「すでに暴力団員でないなら、本人が直接暴追センターに相談に行けばいい話です」

麦秋の口から「暴追センター」の言葉が出たので、自分の出番とばかりに立ち上がった。その隙にまた、残りの肉の塊も、持っていかれてしまった…。

「ていうか、今話している人、麦秋ちゃんかな…?」

電話の向こうの岩井田が、おずおずと聞いた。

「そうです、永光麦秋巡査部長です」

東条が言い終わらないうちに、「やっぱり!」と岩井田が嬉しそうに大声を上げた。

 

「麦秋ちゃん、ここにいるって知ってたからさ!警察官になったのは、お母さんから聞いててね。それが、3年前から本庁勤務。俺と違って大出世だな」

顔をほころばせながら話しているのは、舎人交番の岩井田だった。

部屋に入ってきた三ケ島に、佐野がそっと「旧知の仲でございます」と囁く。

「お前にも、仲のいい警察官がおったんか!」

三ケ島が麦秋に向かって言った。室長と東条が妙にニコニコした顔をしている。

「なんや、感動の再開で声もでぇへんか」

三ケ島が笑顔で麦秋を指差した。電話相談室内が、ほわっとした空気に包まれたのもつかの間…。

「誰ですか、この人」

麦秋は冷たく言うと、デスクのイスに腰かけた。

岩井田は豪快に笑うと、「やっぱ覚えられてないか…街のおまわりさん悲しいねぇ。こっちはよく覚えてるんだけどねぇ」と言った。

「そいつは冷たい女ですから、お気になさらず」

三ケ島が気を利かせた。

「私も経験あります。市民は街のおまわりさんのこと、本当に覚えてないですからねぇ」と、室長が言うと、「街のおまわりさんあるあるですね。僕の場合も…」と東条が言いかけたが、室長に遮られた。

「竹の原署の舎人交番で勤務してたとか?」

岩井田は、20数年前から勤務していると言う。しかも、麦秋の家の近くで、麦秋が小さいころから家族ごとよく知っていると。

「なぜ、私がここにいるとわかったんです?」

麦秋に問われ、岩井田は三ケ島を差し、「荒川中央署に行ったら、この人がいてね、麦秋ちゃんのことを聞きまわってるのを小耳に挟んだんだよ」と言った。

三ケ島はバツが悪そうに、リーゼントを撫で上げていると、「そんな目立つ聞き方をしていたのですか」と、麦秋が呆れた顔で三ケ島を見た。

「いや、あの、その…」と、三ケ島は口ごもりながら、うしろに後ずさる…と、男が一人立っていた。気づかなかった三ケ島は、盛大に驚く。

すると、岩井田が存在感のない男の肩を叩きながら、前に連れてきた。

「こいつがね、電話で話した小牧裕也」

室長が応接ソファに座るよう促した。

佐野は三ケ島に、元ヤクザの小牧が最近自殺未遂をしたことを耳打ちした。

「自殺の理由は?」

三ケ島が室長と東条が座っているソファに無理矢理腰かけて聞いた。

「上納金が払えなくなって、周りから借り尽くして、とうとう組長から絶縁されたって、まぁ、笑い話だ」

言うと、岩井田は豪快に笑う。

「笑い話ちゃいまんがな」

三ケ島が眉をひそめて突っ込んだ。

「どちらの御組に絶縁されたのでございましょう」

佐野に聞かれ、「水千組ってところだ」と岩井田が答えた。

「水千組…関東貴船組の若頭をしている…」

「水田千一親分!」

突然、小牧が大声で叫んだ。びっくりした三ケ島がのけぞり、「なんや、しゃべれるやないか」と呟いた。

「俺のシノギ…飲食店のミカジメ料とかで。でも、暴排条例ができてから、払いを渋る店が出て、それでちょっとボコッたら警察に目ぇつけられて。これじゃシノギになんねぇよ…。それで会費払えなくなったら親分、俺を絶縁に…今まで俺が親父のためにどんだけ精出したか。わかるよな!」

小牧は突然喋り出すと、最後はテーブルに手を付き身を乗り出して言った。

「わかるか、初耳や」

三ケ島が体を引き気味に言った。

「なんで…なんで俺がこんな目に…」

小牧は脱力したようにソファに座った。

岩井田が言うには、一度故郷…埼玉の姉川という小さな町に帰したものの、すぐに戻ってきてしまった。姉川は最近駅ができたばかりで、これから発展しそうな町だと、三ケ島たちは口々に言った。だが小牧は「そこに俺の居場所はなかった」呟く。

「つまり、あなたは昔から札付きのワルだった。当然、町の人はあなたがヤクザになったことを知っている。だから対応は冷たく、あなたの居場所などない」

麦秋が言いながら小牧の側へやってきた。

「バクちゃんいきなり言い過ぎ」と、室長がたしなめ、「小牧さんご両親は?」と聞いたが、「今まで親不孝していたから頼れない」と麦秋が勝手に答える。室長は「バクちゃんに聞いていから!」と小牧に答えを促す。

「親父が一人。年金暮らしで」

小牧はぼそっと答えた。

「では、経済的に頼るのは難しそうでございますね」

「それ以前に、お前とはもう関わりたくない。親でも子でもないって」

「それだけのことをしたんですね…自業自得です」

麦秋が冷たく言い放つ。

「言うねぇ、麦秋ちゃん。初対面なのに言いまくるねぇ」

岩井田が言うと、一同が頷く。

「苦しんでください…苦しんで苦しんで、そうして、そこからあなたはカタギに這い上がっていくんです」

麦秋はそれだけ言うと、部屋を出ていった。

「いつのまにか、香ばしい警察官になってるねぇ」

その後ろ姿を見送りながら岩井田が言う。

「気にせんでいいですわ。俺はあの女のいいなりにはなれへんさかい」

「そういやこの間反抗して、バクちゃんみたいなことしたんだって」

室長は、三ケ島が藤田の離脱承諾書を取り付けた件を持ち出した。

「おうよ!俺がその気になったら、あんな女こわぁあるかい!ちゅうことで…」

三ケ島が佐野の肩を強く抱きながら、「俺とこいつで、あんたの仕事さがしてやるからな」と言った。

 

関東貴船組・組長橘の屋敷。

「せがれからだ」

橘はデスクの引き出しから封筒を取り出し、若頭の水田にかざした。封筒の裏には、静岡刑務所と書いてある。

「ここを読んでみろ」

橘は封筒の中の便箋を取り出すと、水田に渡した。

「刑務所には現役よりOBが多い。ヤクザをやめた後も罪を犯している証拠だ」

水田が声に出して読む。

「その後の文言に俺は共感したよ」

橘が口を挟んだ。水田が続きを読む。

「こういう連中にこそ受け皿は必要だ。俺は出所したら、こういう連中の受け皿になりたい」

橘は窓辺に腰かけながら「あいつもやっと、道を見つけたようだな…せがれが戻ったら、お前が教育係になってくれ」と言った。

「あと半年ほどで、満期出所でしたね」

「いや、時機に仮釈放が狙える」

「親父、暴力団員に仮釈放はありません」

「わかってるよ、だが、手はある」

 

麦秋の実家。

麦秋の母・由美子は、仏間で作っていた造花を片手に、仕事を探す麦秋の妹・さくらが見ている求人票を眺めた。

「結構求人ってあるのねぇ…お母さんここ知ってる!」

言うと、一枚の求人票を指差す。

「よく行くの、このお花屋さん、いいお店よ」

そこへ遥が入ってきた。

「へぇーじゃぁここにしよっかな」

さくらがニコニコしながら言うと、「こら、将来を流れで決めるんじゃないの!」と、遥が叱りつけた。

遥は「もう寝るよ」と言って押入れから布団を取り出す。由美子は「はーい」と言って、仏間に戻った。

「うーん。じゃぁ、バク姉ちゃんに相談しよっかなー」

さくらが言うと、由美子が「えっ?」と聞き返した。

「だって今、就職を斡旋する仕事をしてるんでしょ?」

さくらの言葉に由美子は、「だめよ!」と突然大声を出した。

遥とさくらに不思議そうに見つめられ、「バクちゃんに迷惑かけちゃ…」と、由美子はごまかすように言って背を向けた。

 

とある工事現場。

「小牧さん、小牧さーん」

メガホン越しに、小牧に話しかける責任者。

小牧は一言も喋らず、佐野が緊張してるんですとフォローするものの、責任者の男は、「本気でうちで働きたいの?」とメガホン越しに返した。

「それはもちろん、そうでございますよ、ねー!」

佐野が代わりに答えるものの、「どう見ても働ける状態じゃないでしょ!」と言われてしまった…。

 

警視庁・電話相談室。

「生活保護?」

室長、東條、三ケ島の三人が、声をそろえた。

「小牧様は現在、経済的に困窮しており、精神的にも働けず、生活保護受給のチャンスはあるはずでございます」

佐野が確信を持って言うと、一同は頷いた。だが、

「精神的に働けない…?冗談じゃない。労働可能な身体能力があるのに、生活保護を受けようなんて甘えてます」

麦秋が吐き捨てるように言うと、自分のデスクのイスに座った。

「ですから、働く気力を取り戻すまででございますよ」

佐野が慌てて付け加えたが、「そんな自分勝手なリハビリテーションに、一般市民の税金を使うのは絶対に許せません」と、麦秋はすげない。

「こいつの血も涙もない意見は無視するとしてだな、俺はそれもありだと思う」

三ケ島が佐野に言うと、佐野は子犬のように「はい!申請してみるつもりでございます」と嬉しそうに言った。

 

東京都・足立区舎人福祉事務所。

「とはいってもですね、暴力団員の生活保護は、受給のハードルが高いんですよ」

福祉事務所の職員の言葉に、「元暴力団員や」と三ケ島が訂正を入れる。

職員の隣には精気のない小牧、向かい合わせに三ケ島と佐野が座っていた。

「特に最近、うちでは刑務所と生活保護をいったりきたりする暴力団員が表沙汰になったんで、かなり厳しいんです」

「それは不正受給の話でございますよね。彼に預貯金もなく収入もないことは、暴追センターの暴追相談員であるわたくしめがお調べいたしました。保証いたします」

佐野が反論するものの、職員は引き下がらない。

「でも小牧さん、ほとんど就職活動してませんよね」

「自殺しかけたんやで、睡眠薬ぎょうさん飲んで!傷ついた、ギザギザハートや!」

三ケ島が割って入る。

「では…審査するにあたり、一つだけ条件が。小牧さんが確かに暴力団を離脱した証拠として…」

「離脱しとるわい。組長に絶縁状回されて、ヤクザでけへんようになってもうたんや」

「その絶縁状を証拠として提出してください」

職員が言うと、佐野は「そんなことどうやって!」と色めき立ったが、その口を三ケ島の手が塞いだ。

「そんなら、生活保護出してくれんやな?」

「受給されるかはともかく、審査はいたします」

 

話が終わり、外へ出た3人。佐野が小牧に絶縁状を持っているのか聞くが、「絶縁される人間には渡されません」と答えた。

「かめへん、かめへん。警察が持っとるわい。関東貴船組は指定暴力団やろう。当然その構成員の動性は警察に記録されてとんのや。つまりや、絶縁状がヤクザの世界に回されると、警察はたいていそのコピーが手に入るんや。それをここへ提出したらええ。それだけの話や」

三ケ島は小牧と佐野の肩を抱きながら、「楽勝や」と言いつつ福祉事務所を後にした。

その様子を窓から先ほどの職員が見ていた。

「良かったんでしょうか…警察の方にあんな無茶を言ってしまって…」

職員は、三ケ島たちへの対応とはうってかわって、情けない声を出した。

「いいんです。ご協力ありがとうございました」

麦秋は頭を下げた。

 

警視庁・電話相談室前の喫煙所(故障中)。

「なぁいぃ!」

三ケ島が突然大声を上げた。水原はマグカップとドーナツを手しており、喫煙所の外には、婦人警官が二人ドーナツを口に咥えながら見張りをしている。

「絶縁状のコピーがないって、どういうこっちゃ」

「どうも…紛失しちゃったみたいです」

水原は泣き笑いの顔で答える。

「しちゃったみたいですちゃうやろ」

「これ、うちのプチ不祥事ですから」

「プチちゃうやろ」

「他言無用っすよ!」

 

警視庁・人事課長室。

「いいのかね、こんなことしちゃって」

課長の手には、三ケ島が探していた紛失したと言われている小牧の絶縁状があった。

「私が成果をあげているうちは、文句はないはず」

麦秋に言われ、「確かに成果はあげているね」と課長が言った。

「恐ろしいほどに…」

課長が立ち上がり、麦秋に一歩近づこうとした。麦秋は一歩後ずさる。

「そのお陰で谷川課長。あなたも出世できたはず」

麦秋はそう言うと課長室を後にした。

 

関東貴船組・組長橘の屋敷。

ソファには若頭の水田が座っていた。向かいには東条と三ケ島が座っている。

「水千組に行ったら、こちらにいるって聞いたんで」

言うと東条はティッシュで鼻をかみだした。

「小牧の絶縁状など、もうありません」

「もうありませんって、あちゃこちゃ配り倒したんやから、もう1~2枚ぐらい余ってまっしゃろ…もう…意地悪すんなよ」

三ケ島がたまらず立ち上がる。

「ありません。お引き取り下さい」

水田が顔の表情一つ変えず言うが、東條は「ならもう1枚、さらさらさら~って書いてくださいよ」と、ティッシュを振り回しながら言った。

「絶縁した奴のために、そこまでする義理はありません」

水田はすげなく断る。組長の橘は、別室でその様子をモニター越しに見ていた。

 

とある公園。

滑り台に小牧が座っていた。傍らには岩井田と佐野がいる。

「絶縁状どうでございましたか?」

東条と三ケ島が来たのを見て、佐野が駆け寄った。東条が顔の前に両手でばってんを作った。

俯いていた小牧が、さらに俯く。

「小牧、こっからが正念場だ。こっから真面目に働く道を…」

岩井田が言いかけた時、小牧の手にしているビニール袋がガサッと音を立てた。見ると、小牧が目から大粒の涙を流しており、岩井田は言葉を続けることができなかった。

 

警視庁・電話相談室。

「このままではまた、小牧様は自害なされてしまいます」

佐野が室長に言う。

「しかし、絶縁状を提出しろだなんてねぇ…」

室長は腕を組みながら困った顔で言った。

「しかもそのコピーがこのタイミングで消えるやなんて」

三ケ島が言い終わると、フッと麦秋を見た。一同も麦秋を見る。

「えっ!バクちゃん、もしかして、何かした?」

室長が慌てて立ち上がる。

「はい。絶縁状のコピーを故意に紛失させた上で、福祉事務所に的確な助言をいたしました」

麦秋が能面のような顔で答える。

「なーんでそんなことするの」

三ケ島をはじめ一同の顔は呆れ果てていた。

「何度も同じこと言わせないでください。働く気のない元ヤクザに、一般市民の税金を使うのは間違っているからです」

麦秋は立ち上がると、「暴追センターの暴追ビデオの制作に、これを使うと言うので貸し出してきます」と言って、「ヤメタン」の着ぐるみを持ち上げた。

「でしたらわたくしが帰りに持っていくでございますよ」

麦秋は「結構です。あなたはあなたの仕事をしてください」と佐野に言うと、ヤメタンを抱えながら、佐野が仕掛けたトラップを蹴飛ばし、出ていった。

「あっ!ムルキンチョトラップ!」

佐野はトラップに駆け寄った。

三ケ島は、岩井田が麦秋の家族ごと知ってると言う言葉を思いだし、「俺もちょっと出てきます」と言って出ていく。

その時電話がなり、東條が受話器を取った。

「はい…はい…はいっ!」

慌てて電話をオンフックにする。

「あの…もう一度お名前を…」

「関東貴船組の、橘と申します」

室長、東条、佐野の3人は目を見張った。

 

竹の原署・舎人交番。

「麦秋ちゃんのお父さん?」

「たとえば…ヤクザやったとか」

三ケ島の言葉に、岩井田は笑い声をあげた。

「まさか。サラリーマンだよ」と言いながら、三ケ島に淹れたてのお茶を差し出す。

「確か…会社でお菓子作ってるっとか言ってたかな…あぁでも…ヤクザっていやぁ、家に時々ヤクザが来てた。ここだけの話、そのヤクザ。麦秋ちゃんのお母さんに気があったみたいだな」

「お母さん?」

「よく、ちょっかい出しに、家に来てた」

「ちょ…ちょっかい…」

「通報があるたびに、俺はそのヤクザを追っ払って、何度それ繰り返したかわかんねぇよ。そのたびに、ご主人に感謝されてな」

 

23年前・麦秋家の前。

「私は、あなたのような警察官を尊敬します。ありがとうございます」

若かりし頃の麦秋の父は、岩井田の手を硬く握った。父の後ろには、母・由美子に抱かれたまだ幼い麦秋がおり、その様子を笑顔でじっと見ている。

「あの時3歳だった麦秋ちゃんが、今や立派な本庁の警察官…俺も年取るわけだな」

岩井田はそう言うとハハハと笑った。

「そのヤクザ…名前は」

三ケ島に聞かれ、もうずいぶん昔の事だから…と岩井田は言ったが、「橘…勲…」と三ケ島が言うと、「あぁ、そうそう…え?なんであんた」と聞き返した。

ちょうどその時、老婆が交番に入ってきた。顔見知りなのか岩井田が気軽に声をかける。老婆は、台所の流しがまた詰まってしまったと話し始めた。

「先月、水道工事の藤岡さん紹介したけどあれダメだったかね」

「ダメじゃないけど、3,000円もまた払えないよ」

老婆が困った声を出すと、岩井田は「わかった」といい、夕方引継ぎが終わったら見てやるよと言った。

その様子を微笑ましく見ていた三ケ島だったが、電話の着信音が鳴り、懐からスマホを取り出す。

「三ケ島君すぐ戻ってきて!不思議な展開になりました」

室長は、ハンカチで顔の汗をぬぐいながら言った。

 

警視庁。

エントランスに、白いスーツを着た橘勲の姿があった。制服警官、私服警官に関わらず、その威容に驚き後ずさる。

橘はそんなことはお構いなしに、エレベーターに向かった。

 

関東貴船組・組長橘の屋敷。

橘の部屋をノックする水田。子分が「頭、親父はおりません」と水田に声をかけた。

「運転手だけ連れて、行先も言わず…」

 

再び警視庁。

連絡を受けた組対4課の刑事たちが、エレベーターの前で待ち構えていた。エレベーターが開き、橘が出てくると、一同がちょっとだけ怯む。

「組対部長のミツシマだ」

新たに就任した組対部長が若干ビビりながらも、橘の前に立ちはだかる。

「これはこれは。マル暴の刑事さんがこぞってお出迎えですか」

「何しに来たんだ」

ミツシマの言葉に、「約束をしたんです」と言うと、群がる刑事たちを割りながら、壁に書かれた案内を見て歩き出した。

「足抜けコールかッ」

橘が向かった先を見て、水原が呟いた。

 

警視庁・電話相談室。

電話相談室前の廊下には、大勢の警察官が詰めかけていた。それぞれが手に手に携帯電話を持ち、部屋の中の人物…橘勲の写真を撮ったりしてざわざわしていた。

その人ごみをかき分け、三ケ島が走り込んでくる。

「うぉぉぉ」と、驚いて三ケ島が声を上げると、

室長と東条が困った顔で振り向いた。目の前には橘勲が座っている。三ケ島は一瞬目が合うと、慌てて逸らした。

「あっ!こ、これを…だそうです」

東条が書類を手に、三ケ島の元へ駆け寄った。

「小牧さんの絶縁状ね」と、室長が言った。

受け取った絶縁状を眺めながら、三ケ島が橘を見た。

「半年前に千一が、俺のところに送ってきたものです。小牧って男がカタギになるのに必要だとか」

三ケ島は困惑し、「せかやらなんでや」と聞き返す。

「そいつは言ってみれば、俺の子どもの子どもだ。理由はそれだけで十分でしょ」

橘に言われて、室長も東条も無言で頷いた。

「ただし、それを渡す以上、必ずあんたら警察が、小牧の受け皿になってやってください。お願いします」

「おうよ」

三ケ島が返事をした。

「あっ、バクちゃん」

室長が戻ってきた麦秋に気づく。

麦秋は無言で橘を睨みつけていた。麦秋と橘の視線が交錯する。だが、しばらくして橘が目をそらし、「それじゃぁ失礼します」と言って立ち上がった。

橘が廊下へ出ると、群がっていた警察官たちがモーゼが割った海のように左右に分かれ、橘が通る通路を作った。

 

橘は地下駐車場まで降りると、待たせていた車の後部座席に乗った。

車が発進して間もなく、麦秋が立ちはだかった。車は急ブレーキを踏んで止まった。

「なんだあのやろう」と運転手が声を荒げたが、橘が「おい」と言って黙らせると、車の外へ出た。

「ヤクザのくせに、ずいぶん子ども思いですね」

「何の話だ」

橘が車から離れ、麦秋の元へゆっくりと歩み寄っていく。

「顔も知らない組員の足抜けに、わざわざ協力しにくるとは」

「親として当然のことだろう」

「人の道外したヤクザが何を」

麦秋は仁王立ちしたままだ。

「生まれつきのヤクザなんてどこにもいねぇんだよ。道を外したもの、外されたもの。それぞれに故あってのことだ」

「くだらないプライドがおありのようで。いや…女々しい言い訳ですか?」

橘はフッと鼻で笑うと口を開いた。

「うちの組にだか俺にだか、何か恨みをお持ちのようだが」

「えぇ。あなたは私のカタキです」

言うと麦秋は踵を返し立ち去った。

 

関東貴船組・組長橘の屋敷。

屋敷に戻ってきた橘。迎えに出た子分たちが頭を下げる。待ち構えていた水田が、「警察にいってらしたんですか」と聞いた。

「小牧の絶縁状を渡しに…」

水田に聞かれ、橘が歩みを止めた。「さすが千一だな。勘がいいな」と言った。

「どうしてそんなことを…?」

橘は振り返り、水田を見た。

「千一よ、どんな理由であれ、親が子の将来を潰すな」

「かわりましたね…組長。極道の道は極道にのみあり。命ある限り逃げ出すことは許されない…それが組長だったはず。何が組長を変えたんですか?頼まれたんですか?あの黒い服の警官に!」

「関係ねぇよ」

「お言葉ですが俺にはそうは思え…」

「余計な詮索するな!」

水田が言い終わらないうちに、橘が怒鳴った。

「自分は!自分は、親孝行してるつもりです!親父のために金になる客分を探しだし、今もこうして、何とか関東貴船組を存続させています!」

水田の感情が高ぶり、大声で橘に言い返した。

「どうしたんだお前…」

「親父にとって、俺は一体何なんですか!」

「決まってんだろ。みんな俺の大切な子どもだ」

橘は言うと歩き去った。

「みんな…」

水田はその姿を見送りながら怒気を含んだ悲しげな眼で呟いた…。

 

警視庁・電話相談室。

「決まった…?」

小牧の言葉に、三ケ島が「勘違いすな。申請できただけや」と言った。

「審査されることが決まったのでございます」

と、佐野がわかりやすく言い直す。

「生活保護、支給されるといいですね」と、東條が言う。

「支給されたとしても、就職活動する必要はあるけどね」と、室長が言う。

「できるな?就職活動」と、三ケ島が念を押すが、小牧は何も言わずに呆然としていた。

「またダンマリか。なんとか言えや、小牧」

三ケ島が促すと、小牧が口を開いた。

「俺のために、何でここまで…自分の人生に、警察が味方になってくれるなんて…」

そう言って涙を流した。

「そうだね。だから人生は面白いんだね」と、室長が言う。

「仕事探してください。何でもやります」

涙にぬれた顔を上げた小牧は、立ち上がった。

「今度こそ本気でぶつかってみます」

「よっしゃ!そのいきや!」

三ケ島も立ち上がった。室長も東条も晴れがましい顔で小牧を見る。

佐野も立ち上がると「では早速、暴追センターに参りましょう。一日も早く生活保護を抜けることが、生活保護の一番の目的でございますからね」と、言いながら、部屋を出ていった。

室長、東條、三ケ島がその後ろ姿を見送る。ただ麦秋だけが、鋭い目で去っていく小牧を見ている。

「どや。あぁやってな、人が人を立ち直らせるんや。人の情のないお前にはわからんかもしらんけどな」

三ケ島が麦秋にそう言ったが、麦秋は何も言わなかった。

 

そして夜が来た。

麦秋は1人デスクに向かっている。そこへ岩井田が、本庁へ届ける書類があって…と言いながら、風呂敷に包んだ酒を持ってやってきた。

「いっぱいどうだね」と、岩井田がニコニコしながら言う。だが麦秋は、「私は今、勤務中です」とそっけなく答えた。

「あぁ、いや、悪い悪い。じゃぁ、たこ焼きだけでも」

岩井田はビニール袋からパックのたこ焼きを取り出したが、麦秋が反応なしなので、そっと袋に戻した。

「今日もここに泊まるのかい…少年課の奴らにいろいろ聞いた。親父さんが亡くなってすぐ、妙な人事があったね。実はずっと気になっててね。その時何があった?」

岩井田の言葉に、麦秋は過去を思い出していた。

 

薄暗く狭い部屋。机が一つ、その上に、未修正、既修正と書かれた箱があり、大量の書類が山積みにされている。

麦秋はそれら書類の文字を読み、赤ペンで間違いを修正していた。

机の上にはなくなった父親の写真が飾ってあった。

黙々と書類を修正する麦秋。髪は後ろで結び、両目とも前髪で隠れてはいない。

「どうして…なんで…」

麦秋は呟くと、瞬きもせずに赤いペンで書類を塗りつぶしていった。

その時、ドアに付けられた小さな扉が一瞬開くと、「夕飯です」と言って弁当箱が置かれ、瞬く間にしまった。

麦秋は見上げた先の壁にかけてある時計の、オレンジに点滅する小さな穴を見て、「なんで、なんで、なんで私がこんな目に合わなきゃいけないの!」

ドアを思いっきり叩きながら、「出して!」と騒ぎ出した。

その様子を…時計に仕掛けたカメラから、人事課の谷川が見ていた。

「永光巡査部長。本日の業務終了まであと1時間13分。本日の業務が終わらぬ場合、残業していただきます」

麦秋は狂ったように未修正の書類をぶちまけた。

「規定通りの残業代は支払われます。業務を放棄する場合、規律違反として相応の処分をいたします。ただし、退職を希望する場合は、その限りではありません。代わりに、こちらに一筆頂戴いたします」

崩れた書類の上に、なぜか退職願と書かれた書類が落ちている。

麦秋は退職願を見て、「警察官になった麦秋はお父さんの誇りだ」と喜んでいた死んだ父のありし日の姿を思い出していた。麦秋の頬を涙が伝う。

「お父さんのために、警察官でいます」

床に落ちて、ガラスが割れた父親の写真立てを見つめながら、麦秋は何度も呟いた。

 

「いろいろ…話したくないことがあったんだね」

「岩井田さんには関係のないことです」

「うん。でも、俺は勝手に心配する。勝手に心配になる。街のおまわりさんの性分でね。街のおまわりさんっていうのはね、自分が担当している街の人全員、家族のように思っちゃうんだな。俺は、麦秋ちゃんの街をずっと見守ってきたから、どうしても気になってね」

「仮眠を取ります。失礼します」

麦秋は立ち上がると、自室代わりの部屋へと向かった。

「じゃましたね」

岩井田が言うと、「いえ、お陰でいい手を思いつきました」と返し、麦秋はカーテンを閉めた。

深いため息をつきながら、岩井田が電話相談室を出てきた。と、廊下には三ケ島が立っている。

「あいつに、人の情は通じませんよ」

「人一倍傷つきやすい子が、人一倍傷ついたら、誰でもああなるよ」

岩井田は三ケ島の右手を両手で握ると、「麦秋ちゃんを頼みます」と頭を下げた。

 

東京都足立区舎人福祉事務所。

「なんやてぇ」

三ケ島が思わず声を上げた。

「生活保護が支給でけへんってどういうこっちゃ」

三ケ島が詰め寄るが、福祉事務所の職員は「固定資産税が…」と言った。

「数年前から算出方法が変わったのをご存じですか?小牧さんのお父さん曰く、年金暮らしでは、固定資産税をお払い続けるのが大変だと」

「あっ!まさかお父様、家を売るんでございますか?」

佐野がわなわなと聞いた。「あーっ…」と困った声を出す。

「えぇ。ある方の助言で、高く売れそうだと。それが我々の調査により判明しました」

職員の言葉に、三ケ島は「せかやらなんやねん」と食ってかかるが、佐野が「肉親に資産がある場合、生活保護は支給されづらいんでございます」と耳打ちした。

事態が飲みこめた三ケ島だったが、「あんな、それで親父さんに大金が入ったとしても小牧に渡ることはないねん。それほど親子関係は完全に壊れとんねん。そこらへんもあんた、わかって話せぇへんと…」

三ケ島の言葉を遮るように、「とにかくそれが資産調査の結果でして、これもある方の助言で行った、生活保護法第29条に基づく正当な調査です」と職員が畳み掛ける。

「おぅおぅおぅおぅ…ある方とか言うてるけど…」

「あっ!」

三ケ島と佐野が顔を見合わせた。

警視庁・電話相談室前の喫煙所(故障中)。

「なんや知らんけど、法律に詳しいお前らしいやり口やのう」

喫煙所の前のベンチでは麦秋が缶コーヒーを飲んでいた。その横に三ケ島が立っている。

「私のコーヒーブレイクを邪魔しないでください」

「小牧はもう十分苦しんだぜ」

「反省というのは、苦しんで苦しんで自らを殺したくなって自暴自棄になった。さらにその先にあります」

「それでカタギになるの嫌になって、ヤクザに戻ったら元も子もないやろ」

「絶縁状を回された以上、ヤクザには戻れません」

「カタギにもなれんと、ヤクザにもなられへんかったらどうなんねん…また自殺でもさせたいんか」

「その程度で生きていけないなら、その辺で野垂れ死にでもすればいいんです」

麦秋は飲み干したコーヒーの空き缶をゴミ箱に捨て、立ち上がった。

「お前の親父さん3年前に死んでるがの。俺はてっきり、橘勲に殺されたんかと思ったわ。そやから橘みたいなヤクザを憎んでる。そう思ったわい」

「違います」

「調べたけど、3年前にそんな事件はなかった…ほななんでや…なんでお前はそんなにヤクザを憎んどんのや」

麦秋は答えることなく立ち去った。

 

とある駐車場。

黒塗りの高級車が1台止まっていた。車の外には直立不動の運転手、車の中には水田の姿があった。後部座席に座る水田に、写真を差し出す手が伸びる。

「妹の遥。最近新しい病院に勤め始めたばかりです。下の妹・さくら。就職を控えた高校3年生です」

声の主は、水千組の若頭、鷲頭健介だった。水田と同じ立て襟のスーツを着ている。

「母親の由美子。パートタイムの保育士です」

「なんだ。狙いやすい家族じゃねぇか」

水田がほくそ笑む。

「えぇ。隙だらけです」

鷲頭も笑みをこぼした。

 

ゆりかご保育園。

「由美子先生!」

階段から下りてきた由美子に、保育士が駆け寄った。

「ヤバイ人がうろうろしてます」

「ヤバイ…人?」

由美子が不審そうに外を見る。

そこには、リーゼントを気にする三ケ島の姿があった。

 

近くの喫茶店。

「旦那さん、殺されたんやのうて、病死ですか?」

三ケ島が聞くと、由美子は「はい」と答えた。

「入院していた病院を抜け出して、勤めていた会社の前で。開発中のお菓子を持っていたそうです…病院に持っていくつもりだったんでしょうか」

由美子の言葉に、突然現れた遥が「そうだよ」と答える。

「遥…どうして」

由美子は驚くが、三ケ島が呼んだと言う。遥は三ケ島の隣に座った。

「あれは…姉ちゃんが好きだった麩菓子の新商品でした」

「それってのは、四角いでっかい麩菓子?」

「そう。その新商品、退院したら一番に食べさせてやる。お父さんが姉ちゃんにそう言ってた。でもお父さん、もう退院できないって思って、それで病院抜け出して…でも、なんでお父さんのこと聞いてんですか?」

遥が三ケ島に強い口調で聞く。

「それ聞きたくて、私も呼んだんですか?」

「父親の死と、橘勲は関係ないか…」

三ケ島が呟くように言っが、「橘勲…」と由美子が口走る。

「ご存知ですよね、橘勲」

三ケ島が言うと、由美子はすぐさま「知りません」と返す。

「あなたの娘さんが憎んでるヤクザですが…」

「知りません」と由美子は同じ言葉を繰り返す。

「ホンマですか…?あなたも橘と一緒に、娘さんに憎まれてるいうのにですか」

「へ?なんで…。なんで姉ちゃんがお母さんを憎むの?お母さんと姉ちゃんの間に一体何があったの?いい加減教えてよ」

遥が由美子に詰め寄った。

「言えない…バクちゃんのためにも…」

由美子は「失礼します」と言って店を出ていった。

その様子を、鷲頭が少し離れた席で見ていた。

 

警視庁・電話相談室。

夕暮れ時。電話相談室内には重たい空気が垂れ込めていた。

応接ソファには佐野と小牧が座っており、その側に麦秋が立っている。

「どうしたんや」と、戻ってきた三ケ島が問いかける。

「生活保護が支給されないことが正式に決まったため、それを伝えるために呼び出しました」

「ということで小牧様。今後は一層ご就職活動に励まねばなりません。我々暴追センター…あれっ?」

佐野が言い終わらないうちに、小牧は無言で立ち上がると部屋を出ていってしまった。

佐野がその後を追って走っていく。

麦秋は、宿直の毛布を借りてくると言い、部屋を出た。

三ケ島は、貰っていた岩井田の名刺を取り出すと、電話をかけた。

 

小牧のアパート。

勤務の終わった岩井田が、小牧の部屋を訪れた。一杯やろうと、酒とつまみを持参して。

何本かのビールを空にして、二人は台所に立っていた。

「うまいぞー俺の作るラーメンは。年季が入ってるからな」

岩井田は鍋の前に立ち、ラーメンを作りながら言った。

「交番で寝泊まりするたびに作ってるから、この道30年だ」と明るく言う。

「これ食ったらさすがに元気でるぞ~。だから明日からは元気いっぱい、就職活動だ!何か困ったことがあったら、俺が力になるから」

岩井田の言葉に、「じゃぁお願いします、力になってください」と小牧が言うと、「あぁ、もちろん!」と岩井田は力強く返した…が…?

小牧は無表情に、手に持っていたナイフで岩井田の腹を刺した。腹を刺され驚いた岩井田が後ろに倒れる。小牧の手は血にまみれていた。

 

サイレンを鳴らしながら、白い軽のワンボックスカーに乗って、三ケ島と麦秋が小牧のアパートに駆け付けてきた。

台所の冷蔵庫の側に、脇腹を血に濡らした岩井田が、片手に携帯を持って座り込んでいる。「大事にしないでくれ」と弱々しく言った。

麦秋は座り込んでいた小牧が持っていたナイフを奪い捨てると、小牧を蹴り飛ばした。

三ケ島は「なんでやねん!なんでこんなことになるねん!」と言いながら、干してあったタオルを取り、岩井田のキズにあてがう。

小牧は布団の上に倒れたまま、動かなかった。

「関東貴船組系水田組、元構成員小牧裕也、殺人未遂の現行犯で逮捕いたします」

麦秋は懐から手錠を取り出した。だがその時、

「違う、俺が…間違って、ラーメン作ってて…間違って、刺さっちまった…だけなんだよ。こんなことで…せっかくカタギになったのに…こいつの…人生…」

岩井田はそのまま気を失ってしまった。外からは救急車のサイレンが聞こえてきた。

三ケ島は「ここ頼むぞ」と言うと、誘導のため外へと出ていく。

麦秋は倒れている岩井田を見つめていた。

「逮捕してください」

小牧が言った。麦秋は振り向く。

「逮捕してくれよ」

小牧は血まみれの両手を差し出す。

「俺思ったんだ。生活保護がダメなら、刑務所があるかなーって」

「それが…あなたを思ってくれた人を刺した理由ですか」

「ずーっとウザかったんだよ、あの人」

小牧は差し出した両手を下すと、吐き捨てるように言った。

「ウザい?」

「なにがおかしんだか、いつも大声で笑いやがって。人の事情お構いなしで、土足で入ってきやがって。だいたい、俺がこんな風になったのも、あいつにパクられてからだ」

麦秋は右手に手錠を持ったまま、小牧の顔を拳で殴りつけた。

「思った通り、あなたは芯から腐っています。自分の人生で、警察が味方になってくれるなんて、あなたはそう言って泣いていましたが、彼がその第1号だったはずです。それを…」

麦秋は倒れている小牧の胸倉を掴み、もう一度殴ろうとした、が、ちょうど三ケ島が戻ってきて、「やめろっ!」と麦秋を止めた。

 

雨が降る中、岩井田は救急車で病院に運ばれていった。

走り去る救急車を、麦秋は傘を差しながら見送った。

「お前が小牧を追い込んだから、こんなことになってもうたんやぞ」

麦秋は何も答えない。三ケ島は麦秋の前に回り込んだ。

「岩井田さんはな…。いいか、よく聞け。昔お前がガキやったころ、橘勲がお前の家にようけきとったらしいわ」

「は?」

「それを撃退してくれたんが、岩井田さんや。岩井田さんはな、お前の親父さんに感謝されとった警察官や」

あぶくま整形外科。

「麦秋ちゃんのせいじゃないよ…気にしなさんな」

ベッドに横たわる岩井田は傍らに立つ麦秋にそう言った。

「いえ…私がもっと先を読んで彼を追い詰めてれば…」

「自分を追い詰めるねぇ」

「私の考えたらずで、善良なカタギであるあなたを気づ付けてしまいました」

「善良なカタギって、そんなこと言われたの初めてだ…」

岩井田はそう言っていつも通り豪快に笑った…が、傷口に障ったようで、しかめ面をした。

「私は…これも背負っていきます」

そう言って岩井田に頭を下げると、病室を出ていこうとした。その時、

「背負う…これも背負うって、麦秋ちゃん、他には何を背負ってんだい」

麦秋は何も言わずに病室を出ていった。

 

花束を持った三ケ島が、病院に向かって歩いてきた。麦秋と三ケ島がすれ違う。

「お前ようゆうよなぁ、カタギの税金ヤクザに使うなんて、みたいなこと」

三ケ島の言葉に、麦秋が立ち止まった。

「警察官として、大切な金銭感覚です」

「その税金、刑務所かてかかるんやで」

「知っています」

「なら小牧はどっちが良かったんや。生活保護受けさせんのと、刑務所いれんのと、どっちやったら岩井田さんは、傷つかんで済んだんや」

「それを私は、今回思い知りました。だからこそ、私はもっと研ぎ澄まさなければならない」

麦秋は言うと再び歩き出した。

「なんでお前はそうなんや。橘とお前の母親、どんな関係や…関係あんのやろ。それこそが、お前が橘と母親を憎んでる、ホンマの理由やろ」

三ケ島が声を張り上げた。すると、麦秋が早足で戻ってくる。

「そうです」

 

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●第6話のゲスト


・岩井田守(いわいだ まもる)/金田明夫

竹の原署・舎人交番の巡査長。麦秋が小さい頃のことをよく知っている。

…ドラマや映画、舞台などで活躍する俳優。現在60歳。さまざまな役をこなす演技派。

 

・小牧裕也(こまき ゆうや)/山本浩司

元水千組構成員。足抜けしたが仕事がなく経済的に困窮している。

…ドラマや映画などに脇役として数多く出演している俳優で映画監督。現在40歳。

 

・鷲頭健介(わしず けんすけ)/戸次重幸

水千組の若頭。水田に言われ、麦秋の家族について調べている。

…舞台をメインに活動していたが、2005年頃からドラマや映画でも活躍するようになった。現在41歳。細かい性格やマニアックな趣味が多いことが災いしてか、未だ独身。

 

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いかがでしたでしょうか?

麦秋も知らない、母と橘の関係って、一体何なんでしょうか?

結局、第6話でははっきりとはわかりませんでしたが…もう大方の予想は付きましたよね。

①兄妹

②幼馴染み

③元恋人or元夫婦

の3つのうち、③が濃厚となりました。

なぜかというと、第7話の予告に、「身内に反社会勢力がいる人物は、やめてもらう」って、人事課の谷川が言ってました。

それならまだ①の可能性も捨てきれませんが、橘がやたらと親と子についてこだわりを持ってるような発言が増えてきたので、やっぱり③かつ、麦秋は二人の子どもで決まりでしょう!

後、気になるのは、橘に対するゆがんだ愛情が暴走しかねない水田が、裏で鷲頭と何を企んでいるのか…ですね。

その絡みもあってか、来週は、麦秋一家が酷い目に合うようです…。

ということで、次週のあらすじもお楽しみに!

 

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