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TBSドラマ「ヤメゴク」第8話のあらすじをネタバレ!「Thinking Dogs」解禁!

ヤメゴク1-2

前回の第7話ではついに、麦秋の過去が明らかとなり、ヤクザを憎む理由が判明しました。

第8話では、麦秋の実の兄・麦蒔の偽装足抜けを阻止することができるのか?

それでは、6月4日(木)21時から放送される第8話のあらすじなどをご紹介します♪

 

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●前回の視聴率と「Thinking Dogs」の解禁


恒例となりました、前回の視聴率から発表します。

第7話の視聴率は、5.2%!

いやいやいや、ちょっと待ってお兄さん。第6話よりもさらに0.9%も下がってるではないですか!

一体どういう事なのでしょうか…。第7話は麦秋の過去が明らかとなった、ストーリーの中でも結構重要な回だったんですよ。裏番組が…強かったのかな…。

 

さて、主題歌が話題となっていました、「Thinking Dogs」ですが、遂にビジュアルが解禁となりました!

Thinking Dogs

TOKIOの長瀬さんでは!?と噂されていましたが、違ったようですね。

メンバーは、Vo.TSUBASA、B.わちゅ~、G.Jun、Dr.大輝の4人組バンドです。

主題歌「世界は終わらない」は、2015年6月24日に発売開始となります!

 

おまけ。

大島優子さんのインスタグラム。6月1日にこんな画像が投稿されていました。

さつきとめい

大島さんのコメント/「タイトル:さつきとめいちゃん」

確かに大きな日傘を差していて、「となりのトトロ」のさつきとめいちゃん見たいですね!

 

また、6月3日の投稿にはこんな画像が…。

リーゼント?

大島さんのコメント/「緑っていいよね~観葉植物に手を出してみようかなでも何がいいだろ」

いやいや、観葉植物よりも、リーゼントが目に入ってしょうがありません(笑)

 

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●第8話のあらすじ


警視庁・電話相談室。

足抜けコールに、溜池署から電話があった。

静岡刑務所から受刑者の離脱願いが届いたという。その受刑者が所属している暴力団は関東貴船組。そして、受刑者の名前は「橘麦蒔」。組長である橘勲の、実の息子だった。

 

水千組、事務所。

「覚せい剤取締法違反で懲役3年。満期まで残り半年だ」

関東貴船組の若頭で、水千組の組長である水田千一は、どことなく憎らしげな表情で言った。

「麦蒔さんの離脱承諾書、親父さんが承諾したら、どうなるんですか?」

水田の執務机の前に立つ、鷲頭が訪ねる。

「仮釈放になる可能性が高い」

 

警視庁・電話相談室。

麦秋は、橘麦蒔の離脱承諾書を貴船組から取ってくると言い、電話を勝手に切ると部屋を出ていってしまった。

「嫌な予感しかしない」

室長は三ケ島に同行するよう言いかけたが、三ケ島は言われる前にすでに麦秋の後を追っていた。

 

関東貴船組・組長橘の屋敷。

「関西との懇親会、明日だったな」

橘とその部下たちは庭に出ていた。橘は腕に鷹を止まらせている。

「はい。例年通り、神戸のいつもの店で」

橘の言葉に、水田が答えた。

「せがれの離脱願い、警察に届いたらしい」

「警察が、離脱承諾書を持ってきますね」

水田が目を伏せがちに言った。

「そいつにサインしてから、神戸に行きたいもんだな」

「それ…偽装離脱なんですよね」

水田が口を開いたと同時に、鷹が飛び立つ。

「すべては麦蒔の仮釈放を勝ち取るためだ」

橘は剪定ばさみを手に取ると、側にあった松の枝の剪定を始めた。

水田はあと半年で出所なら、無理をしなくてもいいのではないかと進言するものの、橘は一日でも早く出所させてやりたいと言う。

「たかが半年ですよ」

水田に言われ、橘は刑務所の1日は長くてつらいもの…刑務所で半年過ごすのは、娑婆の15年に匹敵すると言った。

「たかが半年なんて言えるのは、ムショを知らない奴のセリフだ」

橘は振り向きもせずに、松の枝の剪定を続ける。

「ほとぼりがさめたらまた貴船組に?」

水田に聞かれ、教育係は頼むと、水田に言った。

「麦蒔さんは、シャブで懲役に行ったはずですが」

「シャブには二度と手をださせねぇ…親の責任としてな」

「親…ですか」

水田の口元が、わずかに震えている。

「親父は言ったそううですね…」

麦秋の妹・遥が勤める病院で、水田の手の者が嫌がらせをしたとき、橘がそれをやめさせに、わざわざ病院まで出向いた。

そこにやってきた麦秋にその嫌がらせをさせているのは橘かと言われ、自分の子にそんな嫌がらせはしないと答えていた。

その様子を見ていた鷲頭が、水田に報告していたのだ。

「あの女の警官を自分の子と…」

橘は剪定をやめ、水田に説明した。

麦蒔がまだ7歳の頃、橘は由美子を囲っていた。24年前の出来事だった。それから2年間、橘は妻と子ども…麦蒔の待つ家には帰らなかっという…。

 

水千組・事務所。

「その時に生まれたのが、あの黒い服の女の警官だそうだ」

水田は鷲頭に言うと、執務机の椅子に深く座った。

「だから橘の親分は、親父のすることを邪魔したんですね。盃の絆より血の絆…」

鷲頭の言葉に、水田の顔色が変わった。

 

関東貴船組・組長橘の屋敷。

「こちらに、一筆頂戴いたします」

麦秋が離脱承諾書を橘の前に差し出した。

「なんや、また拒否するんかい」

三ケ島が橘に向かって聞く。

わずかな沈黙の後、橘は承諾した。肩透かしを食らった三ケ島は「おっ!」と小さく声を上げる。

橘は部下に墨と筆を持ってこさせ、承諾書に署名し始めた。

「なんや、今日は話わかるやないか!ええこっちゃ」

三ケ島が言った。

「これを刑務所に渡せば、あなたの息子、橘麦蒔はもうこの組を出入りできなくなります」

麦秋に言われ、橘は離脱承諾書に印を押しながら「承知しています」と答える。

「でしたら、こちらにも、一筆頂戴いたします」

麦秋が差し出した書類をみて、三ケ島が「絶縁状やないか!」と声を上げ、あたふたする。

「これを回せば今後、橘麦蒔が暴力団員として復帰しようとしても、できないはずです。よろしいですね?橘の親分さん」

麦秋の言葉に、橘は視線を逸らした。その様子を見て、部下の一人が部屋を出ると、水田に連絡を取った。

連絡を受けた鷲頭が、本部に麦秋が来ていることを報告する。

「橘の親分に無理難題を言っているようで、すぐに来てほしいとのことですが」

執務机に背を向けて座っている水田は、奥歯をかみしめながら居留守を決め込んだ。

 

「簡単な話です。実の息子を、二度とヤクザの世界でシノげなくする、ただそれだけのこと。貴船組から足抜けしたところで、橘麦蒔の父親が、ヤクザの組長という事実はかわりません」

麦秋の言葉に、三ケ島も同意する。

「しかしこれを書けば、あなたはヤクザの世界で、親子の縁を切ったことになります」

視線を逸らし、何事か考えていた橘は、麦秋に視線を戻した。

「わかりました。書きましょう。だがすぐにはできません…我が関東貴船組は、絶縁状を回す前に、理事会を開く必要があるんです」

麦秋はすぐ理事会を開いてくれと言ったが、明日から神戸に行く必要があるため、戻ってからにしてくれと橘が答えた。

 

水千組・事務所。

ソファには水田と鷲頭が向かい合って座っていた。鷲頭はテーブルに数枚の写真を並べ、水田に見せている。写真は、水千組の組員・沢田が主催するシャブパーティの様子だった。

倉庫のような広いスペースには怪しげなオブジェや植物が飾られ、ソファやテーブルなどがあちこちに置かれている。

赤や青、緑などの照明に照らされ、複数の若者たちが踊ったりテーブルに突っ伏したり、呆然と座り込んだりしていた。

関東貴船組はシャブはご法度。そのため沢田はシラを切っていたが、鷲頭が現場を押さえたら認めたと言う。

「客は教育者や有名人の子どもばかり。そういうガキどもは、口が堅いそうで」

鷲頭が水田に説明した。

「破門だ!いや、すぐ理事会を開いて、沢田の絶縁状を回すぞ」

水田は怒り心頭で、ソファから立ち上がると、執務机まで歩いていき、机に両手を叩きつけた。

「その前に。この写真に一人、面白い娘がいます」

鷲頭が1枚の写真を持って立ち上がった。そこには、白いレースの服を着て、白い日傘を差しながら、呆然と床に座り込んでいる少女が写っていた。

 

警視庁・電話相談室。

電話相談室に戻ってきた麦秋と三ケ島。佐野が三ケ島の肩を揉んでいる横で、麦秋が室長に報告する。

「きっと、偽装離脱です」

「この段階で、偽装離脱っていう証拠は?」

室長は麦蒔の離脱承諾書を、目を細めて見つめながら麦秋に訪ねる。

「橘勲は絶縁状を渋りました。何よりの証拠です」

「つまり、証拠はないってことだね、ご苦労様」

室長が、麦蒔の離脱承諾書を取ろうとしたが、麦秋は腕を上にあげ、室長に取らせなかった。

「おい、それ、刑務所に渡さなあかんて」

「刑罰はきちんと受けてこその刑罰なんです。卑怯な手を使って、早めに切り上げようなんて、絶対許せません」

「それを決めるのはバクちゃんじゃないの」

室長が立ち上がり、書類を奪おうとしたが、またしても麦秋によけられてしまう。

「ちょっとー!!」

室長がたまらず大声を出す。

「やめい。足抜けコールの人間が、足抜け妨害すな」

今度は三ケ島が書類を取ろうと麦秋の腕を掴んだが、そのまま投げ飛ばされてしまった!そして、麦秋はデスクの上に置いてあった三ケ島のジッポーを掴むと、書類に火をつけた。

「うそでしょー!!」

室長がこの世の終わりとばかりに悲鳴を上げる。

「燃えてる燃えてる。恋の炎のようにメラメラと!」

投げ飛ばされた三ケ島の側にいた佐野が、三ケ島に寄り添いながら言う。

室長が慌てて飛んできて、書類についた火を消そうとバタバタと踏みつける。そして、呆然と火が消えた後の書類の残骸を拾い上げた。

「大丈夫です。綺麗に燃えました」

麦秋はそういうと、部屋を出て行った。

三ケ島が麦秋を呼び止めるが、佐野が今後の対策を早急に決めた方がいいと言う。

「なら、刑務所に事情を話した方がいいですよ」

東条が立ち上がる。

「なんで話すの!部下が書類燃やしちゃいましたごめんなさい…って言うの!?」

室長は激昂している。

東条は週刊誌をめくりながら、「もし刑務所で離脱を担当している弁護士が、こんな怖い先生だったら、アウトですよ」と週刊誌の記事を見せた。そこには、法で国家権力の暴走を正すと書かれており、女弁護士の写真が掲載されている。

「テレビでようみるわ」

三ケ島が女弁護士…畠山智晶の写真を見て言った。

「国家権力の暴走…まさにバクちゃんさんのためにあるようなお言葉でございます」

佐野が指を差しながら言った。

「こうなったら、せっかく書いてもらった承諾書、紛失したことにして、バクちゃんに責任取ってもらおうかな!」

「あいつのせいにするんですか?」

三ケ島に言われ、室長はますます声を荒げながら、

「だって!100パーあいつのせいだもん!」と言った。

「しゃーないのう。もう一回、貴船組行ってくるわい」

三ケ島がもう一度同じものを書いてもらってくると言う。室長は相手はヤクザの大親分だから無理でしょうと言うが、三ケ島は今回に限っては先方も協力的だったから、可能性は大だと言う。

「室長…もしそんなことができるようでございましたら…?」

と、佐野に聞かれた室長は、

「そ、そりゃその方がいいけど…」

「せやから!誰かついてきて…」

と、三ケ島が小さい声で言うと、東条も佐野も室長も背を向けた…。

 

警視庁・人事課課長室。

「橘麦蒔の身元引受人が誰だか、調べてください。貴船組との関係が出れば、偽装離脱を阻止できます」

「それは、我々警察の仕事ではない」

人事課長がすげなく言うが、麦秋は気にも留めずに続ける。

「あと、出所したら何の仕事をするつもりなのか、その仕事先は貴船組とは関係ないのか、それも調べてください」

「それは、刑務所側が調べてるはずだよ」

人事課長はパソコンのディスプレイから眼を離さずに答える。

「きっと、調べが甘いんです。だから、離脱願いが送られてきたりするのです」

「離脱承諾書を提出すれば、刑務所はちゃんと調べる。我々が口を出すことではない」

人事課長はディスプレイから眼を離すと、腕を組みながら麦秋を見た。

「谷川課長。あなたは私に約束したはずです」

 

警視庁・人事課長室、2年前。

「私を、マル暴の刑事にしてください」

「足抜けコールの仕事は不満かね?」

「私には逮捕したいヤクザがいます」

「非常に頼もしい心がけだが、それは無理だな」

「私は、暴力団組長の娘です。そんな私を警視庁は採用し、少年係で働かせていた。その事実を公表します」

「突然脅すかね」

「本気である、ただそれだけです」

「我々は、君の母親に騙されて君を採用した。いわば被害者だ」

「被害者?私はあなたに1年も監禁されました」

「あれは監禁ではない。君が勝手に泊まり込んでいただけだ。第一、そんな証拠は何一つないでしょう」

「あなたが監視していた私の映像を、手に入れました」

麦秋は、タブレットに映し出された、小部屋に閉じ込められた自分の映像を、課長の目の前に突き付けた。課長はその映像を見ながら、顔色一つ変えずに言った。

「君を刑事推薦すると、君に調査が入るよ」

「は?」

「せっかく私が規律を犯してまで、君の出生の秘密を人事でとめているのに、それが警察中に知れ渡っちゃうよ。それでも、刑事の仕事ができるかな?しかし、君がヤクザを憎む本気はよくわかった。よって、君が成果を上げる限り、君の越権行為はもちろん、君の要求をできるだけ飲もう」

 

「確かに言ったけど、今回ばかりは無理だな。我々警察が、法務省管轄の刑務所に介入するには限度がある。第一、私はただの人事課長。そんな力はない」

課長の返答に、麦秋は無言だった。

 

警視庁・電話相談室。

麦秋はいつものパジャマに着替え、洗濯カゴを持って自室代わりの部屋へ入ってきた。ふと、布団代わりの段ボールの寝床に目をやると、リボンのついたピンクのチェック柄の抱き枕が入っている。

「どやー。驚いたやろ」

三ケ島がカーテンを開けて入ってきた。

「これはあなたが?」

「おまえ、ここだけやのうて、机でもどこでも寝るやろ。そういうヤツにはな、そういう枕がいちば…うぉぉー!」

三ケ島が言い終わる前に、麦秋が抱き枕を窓に投げつけた。

「ただでさえ狭い寝床に、嫌がらせ以外何ものでもありません」

麦秋は洗濯ロープにズロースを干し始めた。三ケ島は「何て言い草や…」と呟きながら抱き枕を拾う。

「そんなことより。離脱承諾書は新たにもらえましたか?」

西の暴力団との会合で、幹部たちはみな神戸に行っているため、離脱承諾書はまだ入手していないと、三ケ島は答えた。

「神戸から戻ってきてからや」

いつ帰ってくるのかと麦秋が聞く。また邪魔する気か?と三ケ島が問うと、素直に「はい」と言う麦秋。

「橘麦蒔が実の兄貴やからか?そうなるやろ?おまえ、橘勲の娘なんやから」

「それを、あなたはみんなに話さないんですね?」

「そんなもん、おまえ、人にべらべら言いふらすことちゃうやろ…」

三ケ島は小さい声で呟く。

「それについては感謝いたします」

麦秋は段ボールの寝床に入りながら言った。

「しかし私は、橘勲を父とは認めません。そして、私は偽装離脱は絶対許しません」

「偽装かどうか、まだわからんやろ」

「偽装に決まっています」

「せやったとしてもや。娑婆に出てからお前が足抜けさせてやったらいいやろ。ホンマの兄貴やねんから」

「そんな男は兄とは認めません…寝ます。電気を消して出てってください」

麦秋は段ボールの寝床のフタを締めながら言った。

「これ、いらんのやったら持って帰るぞ」

三ケ島が抱き枕を持って部屋を出ようとしたら、麦秋がにゅっと腕を出して、抱き枕の端を掴んだ。

しばし取り合いとなるが、三ケ島が抱き枕を離す。

「ホンマ、めんどくさいやっちゃな…」

三ケ島は顔をほころばせながら、カーテンを閉め、電話相談室の電気を消し出ていく。

麦秋は抱き枕の端を掴みながら、幼い頃のことを思い出していた。

 

24年前。

縁側には、幼い麦秋と父…橘勲が座っていた。橘は麦秋の頭をなでながら話している。

「麦っていうのはな、人に踏まれて強く大きくなるんだ。本当の優しさも本当の強さも、踏みつけられてこそいきるんだ。だからお前の名前は、麦秋なんだぞ」

橘はそう言うと、麦踏神社のお守りを麦秋の首に下げた。麦秋はそれ手で掴み、微笑んでいた…。

 

神戸の懇談会。

橘は食事の席にいた。部下が何やら耳打ちし、その席を離れる。

廊下に出た橘は、何があったのかと部下に訪ねた。部下の話では貴船組の方に、「離脱承諾書は書いたのか」という確認の電話が、静岡刑務所からかかってきたと言う。まだ刑務所には届いていないらしい。

「警察が止めているんですよ。あの黒い服の女の警官が」

水田が現れ、言った。

「俺が麦蒔の絶縁状を書くまで止める気か…」

橘が呟く。

「そこで親父、いい弁護士がいます」

水田が口元にうっすら笑み浮かべながら言った。

 

警視庁・電話相談室。

橘麦蒔の離脱承諾書はまだかと、刑務所から催促が来ていると、東條が室長に報告した。

室長は三ケ島にどうしよう!と聞くも、橘が神戸から帰って来るのは明日。それまでは手に入らないと答えた。

そこへ、背の高い女が入ってきた。その姿を見て、三ケ島が「おぉーっ」と驚いて立ち上がり、リーゼントを電灯にぶつける。佐野は女を指差し、室長は「どちらさま…」と言いつつ、どこかでお会いしたことが…と聞いた。

「ありません」

女はあっさり否定すると、「弁護士の畠山です」と名刺を出した。

名刺を受取った室長は、驚きの声をあげつつ、嬉しそうに顔をほころばせた。「べっぴんさんや!」と三ケ島が呟き、佐野も東条も浮き足立っている。が。

「橘麦蒔さんの離脱承諾書の件で伺いました」

と言われ、一同は慌てふためいた。そこへ麦秋が自室から出てくる。

「橘麦蒔さんの弁護士さんですか?」

麦秋に問われ、畠山は「ええ、今日から」と答える。

「…今日から…離脱承諾書が届かぬことにしびれを切らした貴船組に雇われたわけですか?」

畠山は麦秋の言葉を否定した。組長の息子でありながら、刑務所で暴力団離脱指導を受けた麦蒔の存在を、週刊誌の対談で知ったと言う。興味を持って調べたところ、離脱承諾書が足抜けコールで止まっていることを知り、一人の弁護士として黙っていられなくなった…と。

「ヤクザを父に持つ者に、仮釈放なんてありえません」

麦秋の言葉に、畠山が噛みついた。

「その発言は人権問題です。必死に生き直そうと人を、警察が妨害するなんて許されません」

「本当に生き直そうとしているのか、弁護士なら見極めるべきです」

「お話になりませんね…」

畠山は、離脱承諾書を明日までに静岡刑務所に届けるように行った。届かなかった場合、正式に問題にするといい、颯爽と電話相談室を出ていった。

「三ケ島君!」

室長は三ケ島に、今すぐ神戸に行って離脱承諾書を貰ってくるように言った。旅費は室長が自腹で出すからと。

三ケ島は麦秋に一緒に行くか?と尋ねたが、室長が「やめて!また燃やしちゃう!」と叫び、東条に一緒に行くように指示する。

「新幹線!新幹線!」

東条は嬉しそうに言いながら、三ケ島と電話相談室を出た。

「自由席で行って!…やっぱり車で…」

室長が呟きながら二人を追いかけていく。

「バクちゃんさん。こうなったらもうおとなしくしているしか…」

佐野がデスクに向かっている麦秋に声をかけたが、

「おとなしくしている私ではありません」

かぶせるように麦秋が言う。

「だと思った」

「我々は、あの弁護士と貴船組の関係を調べます」

麦秋はパソコンの画面を見つめている。

「その“我々”には、わたくしも入っているのでございますね」

 

神戸。

三ケ島と東条が、橘の滞在しているホテルにやってきていた。離脱承諾書をもう一枚書いて欲しいと東条が明るく言い、テーブルの上に置く。

「せっかく書いてもらったのに、こちらの手違いで紛失してしまった」

と、三ケ島が言い訳した。

すると、部下の一人に「なんだと!」と怒り満面で詰め寄られた三ケ島は、東條の後ろに隠れたが、水田がいきり立つ部下を制した。

水田は、失くしたのは黒い服の女の警官のせいではないか…と暗に思わせる発言をした。橘も三ケ島に聞くが、三ケ島は目を泳がせ何も答えない。諦めた橘は「わかりました」と言うと、離脱承諾書に署名を始める。

「さすが組長や、話がわかる!」

三ケ島と東条が笑いあう。だが、東条が「ハンコとかどうしよう…」と呟いた。

「ご心配なく。こちらの会合用に持ってきておりますんで」

署名する橘の横に、部下が印鑑と朱肉のセットを置いた。

 

橘のいたホテルの一室を出た三ケ島は、室長に離脱承諾書に署名してもらったことを報告した。室長は大喜びで、そのまま静岡の刑務所によって書類を届けるように言う。

三ケ島は、静岡は通り道だからと、快く請け負った。

 

法務省。

佐野は畠山弁護士が麦蒔の存在を聞いたという、週刊誌で対談した相手…法務省矯正局次長のもとを訪れていた。

離脱指導を受けている受刑者…麦蒔について、畠山に話をしたのかどうかを確かめに来たのだ。

「まさか。第一、個別の離脱指導まで、私が知るはずないじゃないか」

次長はあっさりと否定した。

 

警視庁・電話相談室。

「だとすると、畠山弁護士は嘘をついたことになります。やはり、畠山は貴船組に依頼されて今回の件を…」

麦秋は佐野の報告を受けていた。そこへ水原刑事も顔を出す。

水原刑事は麦秋に頼まれて、貴船組と畠山弁護士の繋がりを調べていた。だが、繋がりは一切見当たらなかった。畠山弁護士はヤクザの弁護をしたことは一度もなく、少年事件や国選弁護などばかりだった。

「ききしにまさる、人権屋弁護士様でございますね」

佐野が呟いた。

と、その時、外線電話が鳴り、麦秋が受話器を取った。永光麦秋と名指しされ、「私が永光麦秋ですが」と言い、電話をオンフックにする。

電話の相手は、畠山智晶という弁護士を知っているかと訊ねてきた。そして、その弁護士が関東貴船組に脅されている言う。

電話の主は名乗らなかったが、水千組の若頭・鷲頭だった。鷲頭はなぜか、不在にしている橘勲の執務机から電話をかけてきていた。その証拠を足抜けコールにメールすると言い、電話を切った。

鷲頭は、パソコンにUSBを差し、そのデータをホームページに記載している足抜けコールのメールに送信する。

ほどなくして、麦秋のタブレットに1通のメールが届いた。麦秋の後ろでは、佐野と水原がタブレットを覗き込んでいる。

 

翌朝。室長と東条、三ケ島をソファに座らせ、その前に佐野と麦秋が立っていた。佐野が麦秋のタブレットをみんなが見やすいように持ち、一枚一枚写真をめくっていく。

「なにこれ?」と室長が言う。

「これが現場にあるということは…?」

佐野が一枚の写真を指で示しながら問いかけた。

「シャブのパーティ?」

三ケ島が答えると、麦秋が「正解」と言った。三ケ島が小さくガッツポーズする。

「第2問。次の写真をご覧ください」

佐野は写真を数枚めくると指を止め、白いレースの服を着て床に座り込んでいる少女の部分を拡大した。

「ヒントでございます」

佐野は、畠山弁護士と法務省矯正局次長が対談している週刊誌を開いた。

「まさか、畠山弁護士の娘?」

「正解」

三ケ島が「やっ」と声を上げながら、再び小さくガッツポーズした。

「あぁ!?これで脅されてたから、彼女は弁護を引き受けた?」

「正解」

麦秋は言うと部屋を出ていった。三ケ島がその後を追う。

「待て待て待て、どこ行く気や」

「写真を畠山弁護士に突き付け、自白させます。そうすれば、橘麦蒔の偽装離脱を止められるかもしれません」

麦秋と並んで歩く三ケ島は、写真がどこから送られてきたか訪ねた。麦秋は水原刑事に調べさせていると言う。

出所のわからない写真は何かの罠だと三ケ島は言うが、たとえ罠でも橘麦蒔の仮釈放が決まってしまうかもしれないため、麦秋にとっては罠でも乗るしかない、一刻を争う状況でもあった。

「今お前は、自分で自分がわからんようになっとんねん」

「私はいつも冷静です」

「親父に対する憎しみにがんじがらめになって、冷静な判断がでけへんようになってる」

「あんな男を父親とは認めないと言ったはずです」

「そのお前の勇み足で、傷ついた人かておったやろ…それでも行くんか」」

三ケ島は元ヤクザに刺された岩井田が脳裏に浮かぶ。

麦秋は一瞬立ち止まり、「もちろんです」と言うと、エレベーターに乗り込んだ。

三ケ島は、麦秋の事を頼む…そういった岩井田の言葉を思いだし、頭を振った。

 

とあるTV局。

畠山弁護士は、テレビ番組に出演していた。麦秋は番組が終わるのを廊下で待っている。収録を終えた畠山が、廊下に立っている麦秋に気付いた。

二人はTV局の人気のない屋外へ移動した。麦秋はタブレットの写真…白いレースの服を着た少女の写真を畠山に見せた。

「娘さんですね」

「ええ、それが」

「先生の娘さん、シャブやってるかもしれまへんで」

出入り口に三ケ島が立っていた。振り返った畠山は、この写真では証拠にならないと反論する。

麦秋は警察がこの現場を調べたら、証拠はすぐ出ると言ったものの、現場を特定できていないことを畠山に悟られ、話にならないと、畠山はその場を立ち去ろうとする。

「貴船組に脅されてるんやろ…娘さんがシャブやってるせいで。せやから偽装離脱引き受けなあかんかった…ちゃいますか」

三ケ島に言われ、畠山が振り返る。

「何の話かわかりません。失礼します」

立ち去ろうとする畠山を、麦秋が呼び止める。

「畠山先生。私はあなたのバカな娘がどうなろうと、知ったことじゃない。覚せい剤を摘発しようとも思ってない。あなたと、あなたの娘がこのことで貴船組に脅され、橘麦蒔の偽装離脱に関わっている。その偽装離脱を阻止したいだけなんです」

「証拠はあるの?私は弁護士です。証拠にならない話には付き合えません」

「でしたら、直接娘さんに聞くまでです」

「どうぞ、できるものなら」

「ほう…まるで娘さんとは直接会えない…そんな口ぶりですね。もしかして、娘さんは監禁されている…娘さんが監禁されているのはここ…そうなんですね」

麦秋はタブレットの写真を示した。

「それやったら、警察が助け出したるわ。安心してくれ」

「その通りです。ここはどこですか」

麦秋が聞くも、畠山は「知りません」とそっぽを向く。

「娘さんに万一のことがあったらどうすんねん」

「仮に娘が薬物をやっているとして、仮に娘が監禁されているとしてそれで、警察に助けられたらどうなるかしら?」

「そりゃ、覚せい剤取締法違反で逮捕されるやろうけど!」

「大スキャンダルね」

「未成年で初犯なら、保護観察処分ですむと思います」

「だとしても、私の弁護士生命はおしまいね」

「何をいうとんねん」

三ケ島が口を尖らせた。

「信じられませんね」

麦秋も呆れた顔をする。

「娘の身の安全より、弁護士でいる自分の保身を選ぶんですか」

「言ったでしょう。すべては仮定の話です。証拠はない。余計なことはしないで」

畠山は鋭く言うと、今度こそ立ち去った。

「なんちゅう母親や…」

 

テレビ局内・廊下。

「娘さんを監禁しているのは、きっと貴船組です」

「せやろな。それで弁護するように脅しとんやから」

「その事実を、監禁している連中に証言させます」

「監禁している場所がわからんわ」

そこへ、東條から電話がかかってきた。

「あ、バクちゃん?この写真なんだけど…」

東条は写真の撮影された場所は、台場のミスズ倉庫という建物だと教えてくれた。

東条が電話をしている間中、室長が勝手に何かをしていることを咎めてきた。

無視する東条に、「大切なことだから言っとくけど、僕…室長なんだよ」と言うものの、東條は気にせず電話を続けた。

「情報、感謝いたします」

麦秋が礼を言って電話を切った。

「ミスズ倉庫…そこへお前踏み込むんやな」

「よっしゃ」と、懐からスマホ取り出した三ケ島の腕を、「何をする気ですか」と麦秋が掴んだ。

「弁護士の娘助けに行くんやろ。それならマル暴のデカできるだけ集めたるわい」

「最近急に私に協力的ですね」

「デカとして正しいことやってるだけや。せやからお前も応援のデカが来るまで少しはおとなしく…」

麦秋はみなまで聞かずに歩き出した。

「いうてるそばからなんや、お前は…」

三ケ島のスマホに着信音が鳴る。

「もしもし…あ、おかあさん!」

 

倉庫に続く狭い通路を麦秋は歩いていた。その後ろを三ケ島が追いかけている。

倉庫の入口に沢田が立っていた。麦秋を見咎め、「なんだお前」と追い返そうと肩を掴む。麦秋は沢田を投げ飛ばし、起き上がろうとしたところに蹴りを入れた。

倉庫の中にはいくつものテーブルやソファが置かれ、若い男女が薬に興じているようだった。仰向けに倒れ、笑い続けている者、口から泡を吹いてる者…。

「お、おい、大丈夫か!」

三ケ島が泡を吹いて倒れている若者に駆け寄った。

麦秋は倉庫の中を見回し、扉の締まっている部屋を見つけ、スタスタと歩いて行くと、思いっきり足で蹴り開ける。

部屋の奥には、ベッドの柵に片手を繋がれた畠山の娘・亜美がいた。ペットボトルの水をがぶがぶと飲んでいる。

「畠山亜美さんですね」

そう言って近づこうとした麦秋の腕を、部屋の扉近くに座っていた男が掴んだ。麦秋は男の頭をテーブルに打ち付け、「覚せい剤取締法違反と監禁容疑で逮捕いたします」と言った。

もう一人部屋にいた男が、注射器を持って麦秋に襲い掛かってきたが、麦秋は男投げ飛ばす。最初の男がテーブルを持ち上げ殴りかかってきたものの、腹に蹴りを入れ跳ね返し、膝蹴りを入れる。もう一人の男が、麦秋を引きはがそう羽交い絞めにしようとしたが、掌底で顎を付き、何度も拳を叩き込んだ。

ちょうどその時、三ケ島が部屋に入ってきた。

黒い結束バンドでベッドに繋がれている亜美を見つけ、ライターを取り出しバンドを溶かし切る。

「ほら、行こうか。お母さんも心配しとるわい」

三ケ島は亜美に話しかけたが、亜美はへらへらと笑うと、突然金切り声をあげた。奇声を発しながら、白い日傘を振り回し、三ケ島を追いかける。

「母さんなんか大っ嫌い!」

麦秋が亜美の背中に手刀を入れ、亜美は意識を失いその場にくずおれた。

「母さんなんて大嫌い。その点は私と気が合いそうですね。しかし、あなたも逮捕いたします」

麦秋は倒れている亜美にそう告げた。

 

「はい、全員フリーズ!組対4課の水原でーす」

水原がマル暴の刑事たちを連れてやってきた。

「バク、てめぇ、令状も持たずに、勝手すんじゃねぇよ!」

水原は相変わらず勝手ばかりする麦秋に文句を言ったが、

「そんなことより、全員逮捕してください」

麦秋は気にも留めなかった。

 

麦秋と三ケ島は倉庫の外へ出た。倉庫の外には救急車とパトカーと野次馬が集まっている。

「このジャブパーティーを主催していたのは、関東貴船組のセカンド、水千組の沢田って男だ」

水原に説明され、麦秋は使用者責任で組長・橘を逮捕できるか聞いた。だが、沢田はすでに破門となっているらしい。

「それならそれで結構。破門になっているなら、貴船組に義理はないはず。取り調べでは包み隠さず話すでしょう」

麦秋は憎々しげに言った。

「亜美!」

マル暴の刑事に脇を抱えられ、車に乗せられる亜美に畠山が駆け寄った。だが、三ケ島が畠山を制止する。

「今何を言ってもわからへんのや」

三ケ島が娘の名前を連呼する畠山を抱き止め、その隙に亜美を乗せた車は走り去った。

「逮捕されたヤクザたちはきっと、あなたが娘を拉致監禁され、貴船組に脅され、橘麦蒔の偽装離脱に協力していたことを白状するでしょう。そうなれば、今回の偽装離脱は失敗です。同時にあなたは実の娘がシャブ中毒だというスキャンダルの渦にさらされ、あなたが娘を売ってでも守ろうとした弁護士人生は、これで終わりです」

麦秋はそのまま立ち去り、畠山はその場にしゃがみ込んだ。

「たとえ弁護士じゃなくなっても、あんた母親や。せやろ。そっから親子やり直したらええ。いや、やり直さなあかんわい」

三ケ島の言葉は届いているのか…、畠山は何も言わなかった。

 

水千組・事務所。

執務机の椅子には水田が座っており、難しい顔をしている。だが、その前に立つ鷲頭の顔には、笑みが浮かんでいた。

「沢田のヤツ、逮捕されたそうです。沢田があの弁護士と貴船組との関係をゲロすれば、麦蒔さんの仮釈放はないでしょう」

 

畠山弁護士事務所前。

畠山弁護士の娘がシャブパーティーに参加して逮捕されたことが、マスコミに大きく取り上げられていた。

畠山が弁護士事務所から出てくると、建物の外には大勢のマスコミが詰めかけていた。レポーターたちはマイクを向けながら、口々に娘の事やヤクザとの関係、偽装離脱の話を突きつけてくる。

畠山はその件は後日改めて記者会見を行うと言い、タイミングよくやってきたタクシーに乗り込んだ。

だが、タクシーはとある路地裏で停車する。そして、橘勲が畠山の隣に乗り込んできた。

「あなたは…」

畠山が絶句する。

「御存じのようですね、この顔を」

畠山はタクシーを降りようとドアを引いたが、運転手は「開きませんよ」と言い放った。

 

警視庁・電話相談室。

「例のシャブパーティーのヤクザ。貴船組との関係を否認してるんですよ。まったく関係ねぇの一点張りで」

水原が電話相談室の面々に説明する。

取調室では麦秋が沢田を取り調べていたが、沢田は貴船組とは関係ないと否定した。

「あなたはすでに貴船組を破門になっているはず。なぜかばい立てをするんです?」

麦秋が再度聞いても、沢田は、

「だってー、本当に関係ないんですもん」

と答えるだけだった。

「って具合に、全員が全員、完全否認っす。おかしいと思いません?これ!」

水原の言葉に、東條が「だったら本当に関係ないんじゃないですか」と言う。

室長も「そうだね。最近はヤクザの絡んでないシャブパーティーも多いしね」と言った。

「別に貴船組に指示されて監禁したわけじゃねぇ」

取り調べを受けている沢田が言う。

「じゃぁ、なぜ」

「シャブの支払いが遅れたから脅したんだよ」

麦秋に聞かれ、沢田はそう答えた。

 

「そういやぁ、畠山弁護士と貴船組の関係は?」

三ケ島が水原に聞いたが、水原は首を横に振り「証明できねぇな」と言った。

 

「あなたは知らないでしょうが」

麦秋はそう言うと、タブレットの写真を沢田に見せた。

「シャブパーティーの写真。私たちに密告してきたのは貴船組です」

だが沢田は口を閉ざしたままだった。

「なぜそこまで、貴船組とは無関係であることを強調するのですか」

沢田は薄く笑うと、とある出来事…橘勲からかかってきた電話の事を思い出していた。

「橘勲に入れ知恵されましたね」

麦秋が憎らしげに聞くと、沢田は口の端を歪めながら「さぁーねぇー」と誤魔化した。

 

「あ、このあと、あの弁護士が何か会見開くみたいです」

水原はそう言うと、電話相談室を後にした。

 

とあるTV局。

畠山が会見を開いていた。曰く、暴力団に脅され、その暴力団の実子である受刑者の偽装離脱に加担した…という疑惑で、弁護士会に事情聴取を受けたと。そしてそれは事実ではなく否定したのだと。

「娘の不祥事と、ある受刑者の暴力団の離脱は、まったく無関係です。その受刑者の暴力団離脱については、彼の更生を助けたいと思った私が、自主的にしたことです」

レポーターに、関東貴船組とは無関係かと問われ、畠山は無関係だと言い切った。

別のレポーターが、貴船組とは一切接触してないんですね?と問われた畠山は、一度だけその暴力団の組長に会ったと告白した。

「そのせいで、あらぬ誤解を受けたのかもしれません」

何のために組長に会ったのか、レポーターに聞かれ、畠山は一枚の書類を掲げた。個人情報は黒く塗りつぶされていたが、それは養子縁組の届出書だった。

「その受刑者と、ある一般の方との養子縁組です。たとえ本人が心から更生し、暴力団を離脱しても、組長の実子である以上、仮釈放は認められない。そのようなアドバイスを、ある警察の方からいただきました。私がそれを告げるとその組長は、実の息子が、カタギの、一般の方の息子になることを承諾しました。たとえ暴力団でも、親が子を思う気持ちは変わらない。私も人の親として、その気持ちにうたれました。私は弁護士である前に、母親だったのです。それを忘れずに私はこれから娘を支えていくつもりです」

電話相談室で会見のテレビ中継を見ていた三ケ島は、「言ってることがめちゃくちゃやないか」と思わず笑ってしまった。

取調室で一人、パソコンで記者会見を見ていた麦秋は、瞬きもせずに画面を睨み続けた。

 

水千組・事務所。

パソコンで記者会見を見ていた水田は、会見が終わるとパソコンを閉じ、立ち上がった。

「さすが、橘の親父だ」

「えっ?ではこれは、橘の親分が?」

鷲頭が驚いて聞き返す。

「間違いねぇ。俺が仕掛けた罠を利用して、俺のはるか上を行きやがった」

水田はほとんど泣きそうな顔をしている。

「なぁ、鷲頭。俺が、橘の親父を捨てても、俺についてきてくれるか」

鷲頭は一瞬驚いたものの、「もちろんです、親父」と、振り返った水田に答えた。

 

とあるTV局。

麦秋がエレベーターを降りた先には、すでに三ケ島が来ていた。そこへ会見を終えた畠山がやって来る。3人は以前話をしたことのある、テレビ局の人気のない屋外へ出た。

「圧倒的に不利な状況から一発逆転。たいしたもんや」

「非常に狡猾な会見でした。橘勲の指示ですか」

「それは警察の任意の取り調べ?なら拒否します」

「橘勲に何を吹き込まれたんです?」

「さあ」

畠山は、橘勲がタクシーに乗り込んできた時のことを思い出していた。海の側の遊歩道で、畠山と橘勲は話をした。

「畠山先生。あんたはもうすっかり泥にまみれた。あんたはもう、人権派弁護士なんかじゃない。だが娘さんの弁護士にはなれるはずだ」

「いいえ。無理です」

「なぜ?あんた母親だろう」

「偽装離脱をすることを知っていてそれに加担した。きっと弁護士法違反で、弁護士資格をはく奪されるでしょう」

「それならなんとか避けられるかもしれねぇ。娘さんを監禁した連中は逮捕されたが、貴船組の指示でやったとは言わないはずだ」

「どうして?すでに破門されているなら、あなたに義理はないはず」

「破門はしたが、絶縁状は回さない約束をした。破門だけならうちの組ではだめでも、いつかまたヤクザで飯が食えるかもしれん」

「では私が、あなたがた貴船組に脅されたことは?」

「警察は絶対に証明できない。あとは先生。あんたの覚悟次第だ」

橘が一枚の書類を出した。

「養子縁組…橘麦蒔さん?」

「せがれを本当に仮釈放させたいなら、親子をやめろ。ある警官にそう言われた。黒い服の小柄な女だ。俺は麦蒔と親子をやめる。俺はな、それほどせがれが大事だ。麦蒔のためだったら、こんな紙切れ一枚の親子なんぞいつだってやめてやる…。なあ先生。次はあんただ。あんたの覚悟を見せてくれ。あんた娘さんのために、どこまで悪人になれる?」

畠山は橘勲から、養子縁組届を受け取った。

 

畠山は薄ら笑みを浮かべた。

「ヤクザの片棒担いで、あんたそれでも弁護士かよ」

三ケ島に言われた畠山は、「ええ、弁護士よ。これからもね」と言い切った。

「ただ、これからは娘のためだけの弁護士になるつもりよ」

「娘の身より、自分の仕事を守ろうとしてたあんたが、親の言葉語るのはおかしいんちゃうんか?橘勲になんか吹き込まれたちゃうんかい」

「吹き込まれた?いいえ、私は彼に親子を教えられたの。どんなに汚い手を使っても、自分がどんなに地に落ちようとも、自分の子を絶対守る…」

「…それが親の道だ」

畠山は、橘勲が言った言葉をそのまま口にした。その言葉を聞いた瞬間、麦秋の中の何かが壊れた。

「親の道?…親の道!!」

麦秋は突然叫び声を上げた。三ケ島と畠山が驚く。

麦秋は畠山を睨みつけ、飛びかかろうとしたが、三ケ島が慌てて麦秋を抱き留めた。

「ちょ、帰ってくれ…はよう!」

三ケ島は畠山に帰るよう言うと、畠山は怯えを浮かべその場を去った。

麦秋は立ち去る畠山の背中に、「親の道を語るな!親だ?子だ?ふざけるな!!」と叫びながら取り乱している。

「麦秋!!」

三ケ島が大声で呼ぶ。それでも麦秋は畠山を追いかけようと、三ケ島の腕の中で暴れた。

だが、三ケ島は「あかん、あかん、壊れてまう!このままやったらお前が壊れてまうやろ!今こうなったのも全部憎しみのせいや!今までかてその憎しみが、人を壊してきたんやぞ!そのままやったら今度はお前が!」と、必死で麦秋を止める。

「離せ!」

麦秋は三ケ島を投げ飛ばそうとしたが、三ケ島はかろうじてこらえた。

「どないしたらええんや麦秋!」

三ケ島は麦秋の両肩を掴むと「どないしたらええねん、麦秋…どうしたらその憎しみ取れんねん!」と、肩を揺さぶった。

「教えてくれバク!」

言うと三ケ島は麦秋を強く抱きしめた。

麦秋の目から涙が零れ落ちた…。

 

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●第8話のゲスト


・畠山智晶(はたけやまちあき)/紫吹淳

人権派弁護士。ヤクザに脅され偽装離脱を助けることになる。

…元宝塚歌劇団月組のトップスター。現在46歳。退団後はドラマやバラエティなどで活躍。

 

・畠山亜美(はたけやまあみ)/東李苑(あずまりおん:SKE48)

畠山智晶の娘。シャブパーティーに参加して智晶が脅される原因となる。

…AKB48の姉妹グループである、SKE48のメンバー。現在18歳。

 

・浅沼法男(あさぬまのりお)/小久保丈二

法務省矯正局次長。智晶と雑誌で対談した。

…現在49歳の俳優。舞台や映画などで活躍。

 


 

いかがでしたでしょうか?

視聴率に関しては、もうこれ以上下がらないで欲しいとしか言いようがありません。

また、主題歌を歌う「Thinking Dogs」に関しては、なぜ秘密にしたのか、意図が見えないんですが(笑)

ちなみに、同じTBSの木曜21時枠のドラマでは、2013年10月期に放送された「夫のカノジョ」が8話で打ち切りとなっています。平均視聴率は3.87%。

「ヤメゴク」の平均視聴率は6.65%なので、早いところ撮影を終了させてしまえば、打ち切る訳にはいかなくなると思います!

さて、第8話では、麦秋の実の兄にあたる、麦蒔の足抜けにまつわるストーリーとなりましたが、肝心の麦蒔はでてきませんでした。果たして、登場することがあるのでしょうか?そして、登場するならいつになるのでしょうか?

そういえば、テレビ局の廊下で、三ケ島と麦秋が話しているシーンがありましたが、その壁に、「灰汁人(アクニン)」と書いてあるポスターが貼ってありました。これって何なんですかね?調べてもよくわかりませんでした(笑)

 

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