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TBSドラマ「ヤメゴク」第9話のあらすじをネタバレ!来週は最終回!!

ヤメゴク1-2

前回の第8話では、麦蒔の偽装足抜けに絡むストーリーが展開しました。

第9話では、なんと水千組110名が足抜けを希望!?最終回へ向けてどんどんストーリーが動いていきます!

それでは、6月11日(木)21時から放送される第9話のあらすじなどをご紹介します♪

 

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●前回の視聴率は?来週最終回?


第7話の視聴率が5.2%に落ち込み、若干心配していたところです。

が、第8話は0.6%プラスの、5.8%となりました!

8話の平均視聴率は6.55%。7%くらいまで行くといいですね。

 

さて、ヤメゴクの公式ツイッターによると、6月7日のツイートで、「今週ですべてのロケが終わります」とありました。

8日には、大島優子さんが「今日から10話の撮影に入ります」とツイート。

10日には、公式ツイッターが「あと4日で撮影終わりの予定」とツイートしています。

ということは、最終回は11話でしょうか?まさか10話の撮影に6日もかかるとは思えないし…。

 

と思ったら、6月5日のツイートに、「最後の台本です」というツイートとともに、こんな画像が上がっていました。

ヤメゴク台本

はい。第10話が最終回なんですね。

調べてみたら、4月~6月期のTBS木曜21時枠のドラマは2012年から放送されていますが、例年全10話構成となっていました。

なーんだ。気づかなかった(笑)

なので、第9話は最終回直前!大事な1話となりますね♪

ということで、あらすじをご紹介します!

 

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●第9話のあらすじ


警視庁・電話相談室。

演歌調のメロディが聞こえてきた。ダンボールの寝床のフタを開け、麦秋がムクッと起き上がると、スマホを操作し着信に出る。電話の相手は麦秋の妹・遥だった。

 

「おっ!麦秋、おはよう!朝飯こうてきたで!牛丼つゆだくに、トン汁紅ショウガ野菜サラダのフルコースや!」

牛丼の差し入れを手に、三ケ島が入ってきた。いつも泊まり込んでいる麦秋が朝食をどうしているのか気になっていたと話しかける。だが麦秋の返事はなく、三ケ島はカーテンの前で躊躇するが、「いつまで寝とんのや!開けるで」とカーテンを開けた。

「おっ?」

ダンボールの寝床には、麦秋はいなかった。

その時、物音がした。電話相談室の炊事場から、エプロンをつけた佐野が三ケ島の様子をうかがっている。

「さーくん!」

三ケ島が佐野の存在に気づき近いづいていく。

「朝っぱらから何やっとんねん…うわぁ!」

パーテーションを覗いた三ケ島は驚きの声を上げた。

「捕まえたんか…ムルキンチョ」

電話相談室の床には、佐野が作った罠があった。捕まえたムルキンチョを、佐野が料理している。

「何やってんだ?」

「これは異なことをおっしゃる。毎朝バクちゃんさんに朝食をお作りするのが、わたくしの日課でございましょう」

「知らんわ!」

佐野は朝食が完成し、麦秋に声をかけた。

「麦秋ならなんか知らんがおらんわ」

三ケ島がそう言うと、佐野はパーテーションから延びる三ケ島の手をそっと握った。

 

警視庁にほど近い公園。

遥に呼び出され、麦秋が歩いてきた。

 

警視庁・電話相談室。

電話相談室前の廊下で、室長と東条が貞子とすれ違った。

室長は、目を合わせないよう、東條に注意を促す…。

相談室の応接コーナーでは、佐野と三ケ島がムルキンチョ料理を食べていた。

「おはよう!って何食べてんの?もう勤務時間ですけど?」

「バクちゃんさんを待っていたのですが、お戻りにならないので、こんな時間になりました」

「ならしょうがないね…ていうとでも!」

その時、足抜けコールが鳴り、東條が電話にでる。

「えっ?関東貴船組の水田さん?」

「貴船組で水田いうたら、若頭やな」

牛丼を食べていた三ケ島が立ち上がる。

室長が電話をオンフックにした。

「室長の石山です。ご用件は?」

「水千組ごと、貴船組から足抜けをお願いしたく、お電話申し上げました」

 

警視庁にほど近い公園。

遥が、そろそろ家に帰ってこないかと麦秋に言った。佐野のおかげでさくらの就職が決まりそうなので、前祝をするからと。

「あの家には絶対帰りません」

それだけ言って立ち去ろうとする麦秋。その背中に、遥が「聞いたよ!」と大声を上げた。

「姉ちゃんの本当のお父さんのこと。お母さんにも訳があったんだよ」

「ええ、お母さんもそう言っていました」

 

3年前。

麦秋は、お宮参りの時の写真を母・由美子に突きつけた。

「この人誰?」と問う。

由美子は何も言わずに背を向けたが、麦秋は追いすがる。自分の出産にも立ち会ったこの人は…橘勲はヤクザの組長だって?と由美子に聞く。

「警察にばれちゃったの?」由美子は驚いて振り返った。

「ばれちゃったって何よ!」

麦秋は父親の遺影を掴むと、自分は永光正の本当の子だよね?と由美子に遺影を押しつけながら詰め寄る。

「ごめんなさい…」由美子は涙を流した。

「嫌!聞きたくない」

麦秋はそう叫ぶと、「そうしなきゃいけないわけがあった…」と言った由美子の頬を平手打ちし、家を飛び出していった。

 

「あの時決めたのです。もう…家には絶対帰らない。お母さんと橘勲は、私のカタキ…橘を足抜けさせてカタギの世界で苦しめる…その夢を叶えるため、私はこの3年を生きてきたんです」

麦秋は言うと歩き出した。

「もういいじゃん!姉ちゃん壊れるよ!」

その背中に、遥が叫んだ…。

 

警視庁。電話相談室へ続く廊下。

「可燃?不燃?あ、バクちゃんさん!」

ムルキンチョ料理で出た生ゴミをどちらに入れるべきか、ゴミ箱の前で佐野が悩んでいた。その横を麦秋が通り過ぎる。

「どちらへ行かれてたのですか?」

麦秋が佐野に聞かれ、立ち止まった。

「今、新たな足抜け希望者様が、いらっしゃってますよ」

「なぜ私に連絡がないのですか?」

「もしかしたら、貴船組からの足抜けだと申し上げると、バクちゃんさんが暴走するか…」

「足抜けする人は?貴船組…なんですね?」

「それもチョー大物!でも残念ながらわたくしの出番はないようでございます。足抜け後のお仕事はすでに決まっているようでございまして」

麦秋はそのまま歩き去った。残された佐野は、「可燃?不燃?」と呟きながら、ゴミ袋を後ろ手に放り投げた…。

 

ソファには水田が、その後ろに鷲頭が立っていた。対面には、室長、東條、三ケ島の3人が座っている。

「投資ファンド?」

「貴船組から足抜けできた暁には、水千組はカタギの投資ファンドに生まれ変わるつもりです」

水田の後ろに控えている鷲頭が言った。東条が簡単にできる仕事じゃないと反論したが、水田は「すでに優秀なファンドマネージャーを客分として抱えています」と言った。

「そいつ大丈夫なんか!投資やなんや、こさんくさいぞ!」

「胡散臭い」

三ケ島の言い間違いを、室長が正す。

「関東貴船組は、あなたたちに系列の組や会社をいくつも潰されました。にもかかわらず資金が潤沢なのは、その客分の手腕によるものです」と、鷲頭が説明する。

「そんな優秀なヤツがなんでヤクザに使われとんねん」

三ケ島の突っ込みに、「普通の会社ではできない勝負ができるから、そう言っています」と鷲頭が答える。

「大したギャンブラーやな」

「あの…ということは今、貴船組の資金源って、その客分さんが稼いでるんですか?」と、室長が聞く。

「そうです…それはすべて水田の親父の才覚によるものです。なのに橘の親分は、水田の親父を冷たく扱って…」

「鷲頭!」

水田が鷲頭をたしなめた。

「水田さん…」

そこへ麦秋が現れた。

「あなたは貴船組の若頭。つまり、次期組長の筆頭候補。その地位を捨て、足抜けする意思が本当にあるのですか?」

「俺に跡目の線はありません…もうすぐ麦蒔さんが娑婆に出ますから」

「橘麦蒔…橘の親分のご子息です」

「あぁ…ムショの中で貴船組から足抜けした…」

「はい。先日仮釈放が決まったそうです」と、鷲頭が答えた。

「貴船組から足抜けしたのに、次期組長?やはり、偽装離脱だったのですね?」

「あっ!」

室長、三ケ島、東條の3人もそのことに気付く。

「それを証言できますか?」

麦秋に言われ水田は顔を逸らしたが、鷲頭が「できます…ですよね、親父」と水田に聞いた。水田は観念したように目をつむる。

「そうなったら仮釈放、帳消しになるかもしれん」

「水田千一さん…その約束、お忘れなきよう…」

「よーし決まった!関東貴船組系水千組みなさんの足抜け…お引き受けいたします!」

足抜けコールのメンバーが全員立ち上がり、いつもの口上を述べた。だが何か物足りない…。

「あれ?効果音ないと思ったら、佐野君帰っちゃったか…」

室長の言葉に、東條が慌てて自分の机に走る。

「待って、待って…よぉぉぉー」

カランカランカラーン…

東条はハンドベル…福引の時などに鳴らされるベルを盛大に鳴らした。そして2枚の離脱承諾書を机に差し出し、水田と鷲頭に署名を促す。

「あの、うちの他の組員の分は?」

鷲頭の言葉に、室長が「何人いましたっけ?」と聞く。

「直系の3次団体も入れて、432人。今、その分をコピーしています」

「さすがに無理でしょ?」

事の重大さに気づいた東条が慌てはじめる。

「水千組が抜けたら、貴船組の資金源がなくなる。系列の組ならそれくらいの事わかってるはずやろ」

「じゃ、可能性あり?」

「えぇ。貴船組を潰すチャンスです。さらに、橘麦蒔の偽装離脱の証言があれば、橘勲を逮捕できます」

「できないよ!バクちゃんいつも使用者責任で逮捕とか、暴排条例違反で逮捕とか、無茶ばっかり言うけどさ」

室長が立ち上がり、麦秋に向かって言う。

「それほど憎んどんのやな、橘勲を」

「なんでそこまで橘の親父を憎むんだ…自分の実の父親なのに…」

水田が堪えきれずに麦秋に聞いた。

「え?」室長が水田に聞き返す。

「実の父親?」東条がびっくりして立ち上がる。

「ちゃ、ちゃ、ちゃ…言葉のあやや!あややあやや、杉本あやや!」

三ケ島は慌てて言い訳すると、上着をめくった。

 

「水千組の全組員に、これを書かせてきます」

大量の離脱承諾書を紙袋に入れ、麦秋は三ケ島を連れて地下駐車場から軽のワンボックスに乗り込んだ。

隣に止まっている車の中には、佐野が寝ていることに三ケ島が気づく。

「あれ?こいつ何してる?さーくん…さーくん」

窓を叩いたが、佐野は起きる気配がない。麦秋に急ぎましょうと促され、三ケ島は車に乗り込み、なんとかかんとか出発した。

「おちおち寝てられませんね…睡眠不足はお肌に悪いのに」

佐野はそういうと大あくびをしてまた目を閉じた…。

 

浅間組・事務所。

赤を基調にした事務所には、赤いスーツを着た組員たちがひしめいていた。

組長の入山が、「水田の野郎が組ごと足抜けって本当なのか?」と言いながら執務机の前で立ち止まった。

部下が離脱承諾書を入山に見せ、「足抜けコールの連中が、系列の組で離脱承諾書を集めてるそうです」と説明した。

「水田の外道…調子こきやがって」

舌打ちした入山はイライラしているのか、離脱承諾書をまじまじと見ている部下の頭を叩いた。

「なんだお前、離脱してぇのか!」

部下は「オッス!」と言いながら首を横に振るが、「オッスじゃねぇだろ!」と入山がまた頭を叩いた。

 

警視庁・電話相談室。

「しかし、予想外やのう…水千組176人中、64人が、これ書くの拒否するやなんて」

三ケ島はテーブルの上に乗せられた離脱承諾書を指差した。

「110人分集まれば十分です」

「入ります」

鷲頭が封筒を持って電話相談室に入ってきた。三ケ島が3次団体は離脱承諾書を書いてくれたかと問うが、鳴子組、吾妻組、榛名会の誰一人貴船組から足抜けする気はないということだった。

「なぜです?水千組が抜けたら、貴船組は経済的に破たんするはずですよね」

「それだけ橘勲の影響力が強い、ちゅうことやろ。せやけど、これで、系列の組、敵に回してもうたの…」

「鷲頭さん…これにサインした構成員が危険です。水千組には出入りさせないでください」

「はい。足抜けするまで水千組の本拠地を移します」

 

水千組・事務所。

「ご迷惑をおかけしますが、我々が足抜けして、ここがカタギの会社になるまで、出入りはお控えください」

水田が小部屋でパソコンを叩く客分に言った。客分は全てのモニターの電源を落とした。

 

関東貴船組・橘の屋敷。

「こちらすべてに、一筆頂戴いたします」

麦秋は水千組構成員の分厚くなった離脱承諾書を、橘の前に差し出した。

「千一は本当に足抜けするって言ったんですか?」

「これが何よりの証拠です」

「千一と会って話をします」

「彼に会う気はありません」

「千一は俺の子分です」

「今は私の依頼人です」

「親子の話をするだけです」

「それもできないあなたに、親の資格などなかった…ということです」

橘なフッと笑った。

「まさかお前にそんなことを言われるとはな…麦秋」

「名を呼ばないでもらいたい…汚らわしい」

「俺が付けた名前だ」

「だと思いました。こんなふざけた名前」

二人のやり取りをビビりながら見守っていた三ケ島が「ビールみたいやもんな」と言うと、橘が三ケ島を見た。慌てて目をそらす三ケ島…。

そこへ部下が電話持ってやってきた。電話の相手は浅間組の組長・入山だった。

「話は聞きました。すぐに執行部で緊急理事会を開き、水田の兄弟の処分を決めるべきです」

「早まるな!まずは俺が千一と、一対一の親子の話をする」

橘は麦秋たちのいる部屋から離れると、入山にそう言った。

 

武尊組・事務所。

「親父はまだそんなぬるいこと言ってるのか!」

武尊組の組長・青峰が電話口で怒鳴った。

「水田はてめぇのシノギを鼻にかけ、親父に恩知らずな振る舞いをしてんだぞ!」

「親を親と思ってない奴に、親子の話はさせねえよ」

電話の相手は入山だった。入山は続ける。

「理事会の顧問に、根回ししとくぞ」

「顧問って…赤城会の石川会長か?」

「あぁ。橘の親父の、兄貴分だ」

 

橘が電話を終え、麦秋たちのいる部屋に戻ってきた。

「失礼しました…おい、出かけるぞ」

橘は一礼すると、部下にそう告げ、部屋を出ようとする。

「まだ一筆もいただいておりません!」

「全ては千一と話してからだ」

「会うことは許さないと言ったはずです!」

「親が子に会うのに許可なんかいらないでしょ」

「水田は組にはおれへんで」と三ケ島が割って入った。

「千一がいる所なんか想像がつく。本当の親子っていうのはな、どんなわだかまりがあろうと、話し合えば必ず心は通い合う」

橘は言うと部下に「行くぞ」と言った。

だが、麦秋は駆け出し庭に下りると、橘の前に立ちふさがった。部下の一人がその腕を取り、「邪魔や!組長の前に立つな!」と言ったが、一瞬でぶちのめした。それを合図に、黒いスーツを着た部下たちが、手に手に棒を持って麦秋に襲いかかる。

麦秋はその1本を奪い取り、三ケ島に投げると、三ケ島はアワアワしながらそれを受け取る。

「逃がさへんで」

別の扉から外へ出ようとする橘の前に、棒を横にして三ケ島が立ちはだかった。

外では麦秋は橘の部下たちを相手に大乱闘をしている。

「どけ」

橘が三ケ島の持っている棒を奪い、三ケ島を殴りつける。背中に入った一撃に、三ケ島は倒れ込んだ。

立ち去ろうとする橘の持つ棒を、麦秋が引っぱった。橘は一瞬よろめいたが、棒を掴んでいる麦秋のタイミングをずらし、棒を使って勢いよく麦秋を投げ飛ばす。

麦秋はソファに転がりながらも、受け身をとって三ケ島の側に着地した。

「良かったです…手を出していただけて」

麦秋は立ち上がると、懐から手錠を取り出した。

「公務執行妨害、および、暴行の現行犯で逮捕いたします」

麦秋がそう言って一歩前に踏み出した時、倒れている三ケ島が、麦秋の足首を掴んだ。

「親子喧嘩は…あかん…うっ」

そう言うと、意識を失った。

「三ケ島!三ケ島!」

麦秋は倒れている三ケ島の背中をゆすった。橘はその場を後にした。

 

赤城会・本部。

「我々は極道だ。外道とわかっているものを放置するのは、無責任だ」

赤城会・会長の石川道三が言った。執務机の前には、入山と青峰が立っている。

「見捨てず、指導してやってくれ」

「水田の兄弟が、我々の指導に牙を剥いたら」と青峰が問う。

「その時は水田も水田の子分も、みな殺しにすりゃあいい、それができるのも極道だ。心おきなくやれ」

石川会長の部屋を出ると、青峰は部下を連れて出ていった。入山の部下の一人が、橘が一人で動き出したことを、入山に報告する。

「水田に会うかもしれんな…追え」

 

とある倉庫。

「連絡いただければ、こちらから出向きましたのに」

倉庫の中で、鷲頭と橘が対峙していた。

「俺から逃げるために、こんなところに隠れているのか」

橘があたりを見回す。倉庫の中には鷲頭を筆頭に水田の部下たちがいたが、水田の姿はない。橘はおもむろに水色のビニールシートがかけられている場所に行くと、それをはがした。そこには木刀やバット、角材をはじめとした武器や、大きなケースには刀まで入れられている。

「足抜けを邪魔する奴らが来たら、これで撃退って訳か。そんなことしたら足抜け前に逮捕されるぞ」

「ご忠告ありがとうございます」

「腹の探り合いはここまでだ。千一はどこにいる」

橘が鷲頭に迫る。

「こちらにはおられません。あぁ、事務所にも…」

「腹の探り合いはここまでだと言ったろ!」

声を荒げる橘に、鷲頭が怯む。

「千一出せや…千一…千一!」

橘が水田の部下たちを割って歩いていく。

「これがお前の筋の通し方か!出てこい!千一!」

水田は倉庫の奥の部屋で、橘の呼ぶ声を聞いていた…。

 

あぶくま整形外科。

「痛い…痛いわぁ…目の前がくらなってきた」

診察室のベッドの上で、三ケ島が騒いでいる。

「早く適切な検査と処置を」と、麦秋が章子に促す。

「三ケ島さーん。鉄パイプで殴られたんですよね?」

「木の棒です」と麦秋が訂正する。

だが、三ケ島の背中には内出血すらなく、殴られたとしたら少しだけ赤くなっているところだと章子は言った。

「わざわざ病院に来る必要なし」

「そんなはずあるかいな!」

ベッドの上でぐちぐち言う三ケ島だったが、「そいつはそこらへんに転がして通常業務にお戻りください」と麦秋は章子に言った。

「あなたのせいでありえないタイムロスをしました」

診察室から出ていこうとする麦秋に、「どこへいくんじゃ」と三ケ島が聞くと、「もちろん橘勲を逮捕しに」と麦秋は答えた。

診察室から出た麦秋を、章子が追った。麦秋の肩に手を置き、「逮捕できるの?橘勲を」と聞く。

「できます。三ケ島刑事への暴行罪で」

「これでやっと叶うのね。多くの人を犠牲にしてきた、あなたの夢が」

「その犠牲の中には、先生…あなたも入っている、そう思っているのですね」

「もちろん」

章子は以前、麦秋に言った。「あなたと一緒に戦ってあげる…」と。

「あの言葉に、嘘はないですね」

「あの時、私はあなたの共犯者になった」

章子はそう言うと、診察室へ戻っていった。

 

「そこで何をしているのですか?佐野さん」

麦秋に言われ、物陰に隠れていた佐野が姿を現した。

「三ケ島さんが大けがをされたと伺いまして」

「かすり傷です」

「ま、でも、お見舞いお見舞い」

佐野は診察室に入ろうとした。が、「いささか、面食らったでございますよ」と口を開いた。

「水千組の足抜けをお引き受けなさるなんて…」

「貴船組を叩き潰すチャンスです…何か…」

「僕も有留先生と同じく、あなたの共犯者のはずだけどね」

佐野がいつもの柔らかい口調とは違う、凄みのある声で言った。

「あなたはあなたの仕事に戻ってください」

麦秋は言うと歩き去ろうとしたが、佐野はその肩をグッと掴んだ。

「ご存知ですか?共犯者になる人間の共通点。過去に大きな失敗をしていること、その失敗に現在も囚われ、懸命に抜けだそうとしていること、だからこそ、強いご意思をお持ちの人に魅かれ、その人に付いていきたくなることを…」

麦秋は佐野の手を振り払った。

「あなたも以前、何か大きな失敗を?」

「その時わたくしは、自分にとって最も大切なものを失いました。だから今、懸命にそれを取り戻そうとしているんです。たとえ…バクちゃんにすがっても」

 

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とある倉庫。

倉庫の外に橘が出てきた。鷲頭を筆頭に、水田の部下たちが頭を下げながらそれを見送る。

木の上には、青いスーツを着た武尊組の構成員がいた。

「今、橘の大親分がでてきました」と、青峰に電話で報告する。

一方、倉庫の屋根の上には赤いスーツを着た男がいた。橘と水田が会っていないことを、入山に報告する。

「親子の話はできなかったってわけか。いいか、水田の身柄、必ず我々浅間組で確保する。わかったな」

電話の先の入山が、偵察している部下に言いう。

方や、電話を受けている青峰は、「橘の親父がいなくなったら踏み込め!」と部下に命令した。

 

橘を見送り、頭を上げた鷲頭とその部下たちだったが、正面から青い服を着た連中…武尊組の構成員たちがやってきたのに気づく。後ろからは、赤い服を着た浅間組の構成員たちが…。

「親父を守れ!」

鷲頭の言葉に、部下たちが「はい!」と答える。

急いで倉庫の中に入り、扉を閉めようとしたが、武尊組と浅間組の連中が大挙して押し寄せ、扉を閉めることはできなかった。

水千組の構成員たちは、倉庫の中に隠してある得物を手に対抗する。

と、赤い服の一人が、水田の姿に気づき、「水田!」と大声を上げる。

何人かが水田の後を追い、水田を守ろうと立ちはだかる鷲頭が刀を抜く。だが、後からきた赤い服の男が、水田を羽交い絞めにした。木刀で喉元を押さえつけ、1人が刃物を水田に突き付ける。

怒り心頭の鷲頭が、刀を振り回し、水田に刃物を向ける男に「死ねよ」と呟き切りつけようとした…とその時、麦秋が木刀で鷲頭の刀を止める。

「永光麦秋!」

鷲頭が叫んだ。麦秋は鷲頭の刀をはじき飛ばす。飛んでいった刀は、水田の眼前の壁に突き刺さった。次いで、水田に向けられていた刃物を、男から叩き落としす。水田を羽交い絞めにしていた男が、麦秋に殴りかかるも、それをかわした麦秋は木刀を鷲頭に投げると、その胸倉を掴んで水田の前に立たせた。

麦秋はすぐさま水田の眼前に突き刺さっていた刀を抜く。

「あなた方はもうカタギ。手は出すな」

麦秋はそう言うと、刀の持つ向きを変えた。峰打ちで襲いかかるヤクザたちを倒していく。小部屋で、細い通路で大立ち回りを繰り広げるも、あまりの敵の多さに、いつの間にか刀は奪われていた。

倉庫の広い部屋に来た麦秋は、敵の持っていた木の棒を奪うと、それを2本に折り敵に立ち向かう。またしても得物を失うと、今度は壁に刺さっていた別の刀を取り、また峰打ちで敵を叩きのめしていった。

 

「はぁ?今なんとおっしゃいました?」

車の中で電話を受ける橘に、石川会長が言う。

「入山と青峰が今、水田に、任侠の指導をしておる」

「勝手なことはしないでいただきたい!これは千一と俺の親子の話です」

橘が声を荒げた。

 

とある倉庫。

「うぉー麦秋、うぉーどないなっとんねん!」

三ケ島が慌てながら倉庫の中に入ってきた。

刀を手に肩で息をしている麦秋が立っており、それ以外の武尊組の構成員も、浅間組の構成員も全員倒れている。

「おまえいつもどんな技使ってんねん…死んでへんのやろ?どのツボ押したらこうなんねん。そもそもこの技どこでなろうたんや!」

三ケ島がヒートアップしているが、麦秋は刀を放り投げた。

「なんであんたはそこまでする!」

無事だった鷲頭が言った。その後ろに水田がいる。

「もちろん、橘勲を逮捕するため」

「そんなに憎んでるのか、橘の親分を」

鷲頭に問われた麦秋は、「橘勲は私のカタキです」と言った。

「実の親がカタキなのか!」

鷲頭が強い口調で言った。

「実の親だから、カタキなのです!」

麦秋が怒鳴り返す。

三ケ島は真剣な顔でそのやり取りを聞いていた。

「フハハハハハ…」

突然水田が笑い声を上げた。倉庫中に水田の笑い声がこだまする。

「たいしたことねぇな。実の親子なんて…。血の絆なんて幻想だ。俺たちをカタギにしてくれたら、親父の犯罪をいくらでも証言してやる!俺だって生きて親父を売ってやる!」

水田の声には怒気が含まれている。

「その言葉、お忘れなきように」

麦秋が水田に言ったその時、目の端に動くものがあった。

「兄弟…覚悟しな」

入山が水田の背後に立ち、銃口を向けている。

「親父!」

トリガーが引かれるその前に、鷲頭が走った。だが、それよりも早く、白いスーツの男…橘が水田の前に立ちはだかり、背中に銃弾を受ける。

呆然とする一同。

麦秋が近くにある鉄パイプを入山に投げ、入山は仰向けに倒れ込んだ。

「何やってんだよ、お前らよ…」

橘が水田を抱きしめながら言った。

「親父…どうして、どうして!」

水田が橘を抱きしめながら叫ぶ。

「決まってんだろうがよ…お前は俺の子どもからだよ」

「子ども…俺はこの黒い服の警官とは違います…麦蒔さんとも違う」

「それがどうした!それがどうしたんだよ…いいか?麦蒔と違って、お前や麦秋は俺とは血が繋がってねぇけど…」

「麦秋と血がつながってない…!?」

三ケ島が呟く。

「俺にとって血の繋がりなんぞ、何の意味もねんだ…んなもん…」

橘はそのまま床に倒れ込んだ。水田が橘の側に跪き、「親父!」と叫んだ。

 

玉井病院。

橘は救急車で病院に担ぎ込まれた。意識レベルが低く、かなり危険な状態で、すぐに手術室へと運ばれた。

手術室の前では、麦秋や三ケ島、水原刑事と、水田や鷲頭などの水千組の面々がいた。

「お前と橘勲、血がつながってへんってどういうこっちゃ」

三ケ島が他の人には聞こえないよう、端の方で麦秋に聞いた。

「実の親子ちゃうんかい…せやから憎んどったちゃうんかい…え?」

麦秋は三ケ島にそう言われたが、何も答えない。麦秋自身も混乱しているのか、その表情は困惑していた。そして救急車の横をすり抜け外へ出ていく。

「どこへ行くんや!」

三ケ島がその後を追おうとしたが、水原が後ろから肩を掴んだ。

「こいつらを保護しねぇと、またいつ襲われるか…警視庁に連れて行くよ」

「いかねぇ!」

水田はそれを拒否し、手術室の前から動こうとしなかった。

 

永光家。

麦秋が玄関に立っていた。ちょうど帰ってきたさくらがそれを見つける。

「バク姉ちゃん…うそ…何年振り?」

「3年ぶりです」

「あじゃぱー…」

 

警視庁・電話相談室。

「バクちゃんは?」

室長が東条に聞いた。東条は受話器を置くと「だめです、携帯、留守電のままです」と言う。

「ホント、どこ行ったんだろうねぇ…三ケ島君!」

室長が三ケ島に振ったが、三ケ島は「あ?」と返すだけだった。

「あ?じゃないよ!ぼーっとしちゃって。バクちゃんは?永光麦秋巡査部長は?」

室長が三ケ島に声を荒げるも、三ケ島の耳には入っていない。

「麦秋は橘勲とは血がつながっていない…」

「は?」

「あれどういう意味や?」

「それはそのままの意味でございますよ」

パーテーションから顔を出した佐野が言う。

「バクちゃんさんは、橘勲と親子ではありません」

「なんでお前背高いの?ってか、なんでお前知ってんの?」

三ケ島に聞かれた佐野は、「だって先日、バクちゃんさんのお母さんに全部伺ったばかりでございますから」といいながら、お盆にカラフルなフラッペを4つ乗せて、ローラースケートで飛びだした。

「ちょっと、バクちゃんが橘さんの実の娘だって、水田さんから聞いたばっかなんだけど」

佐野からフラッペを受け取った東条が言った。

「そうそう。だからそれは、我々と水田さんだけの秘密ねって約束したばかりなんだけど」

室長も佐野からフラッペを受け取る。

「父親やったから麦秋が橘をあんなに憎んどったんやろ…ストロベリーやありがとう」

三ケ島はストロベリーのフラッペを受け取った。

「それは、バクちゃんさんと、警察の人事様の、誤解です」

「ご、誤解ぃー?」

「バクちゃんさんの生い立ちは、実はもっと過酷なのでございます」

 

永光家。

「昔っから、母さんのことを好きになってくれる人って、ヤクザみたいな人ばかり…」

麦秋は3年ぶりに実家のリビングにいた。さくらが飲物を用意し、遥はダイニングの椅子に座り話を聞いている。

「そんな時、バクちゃんのお父さんが現れたの」

「橘勲…」

麦秋の呟きに、由美子は軽く首を振った。

「勲さんじゃない。真面目な銀行員」

「真面目な銀行員?」

「そう思ってた」

 

26年前。

「申し訳ありませんでした」

背の高い銀行員…丸橋が頭を下げていた。支店長が1枚の紙を手に丸橋に言う。

「お客様はこの金の流れを把握していなかった。君が勝手にやったことなのか?」

丸橋は支店長に言われ、突然豹変した。支店長に殴りかかり、止めようとした同僚も殴りつけ、銀行の待合で暴れ出した。

逮捕された丸橋は、自分が横領したのは由美子のためだったと言った。「だから君も共犯だ」と。

「その言葉にバクちゃんさんのお母様は、大いに絶望したそうでございます。幸いその人とはまだ入籍してなかったのでございますが…」

 

「お腹の中には麦秋…あなたがいた。だからお母さん、近所の神社で…」

境内にある電信柱の把手に赤い紐をぶら下げ、由美子は首をつろうとした。縁台から足が離れる…とその時、一人の男が駆け込んで、由美子を抱きかかえ首から紐が外れた。

「なにやってんだよ、ダメだよこんなことしちゃ!」

男はうずくまる由美子を何度も叱った。

「それが橘勲さん。そのまま勲さんは、バクちゃんが2歳になるまで、私と一緒にいてくれた」

 

「しかしその後、橘勲は、関東貴船組の幹部に抜擢され、本妻の元へ戻ったそうでございますよ。まぁ、その後何度か、復縁を求めてバクちゃんの家に行ったそうでございますがねー」

佐野は調子よくぐるぐると、ローラースケートで部屋の中を回っている。

「ちょっと待って…それって…」

「ほんなら、あいつにとって橘勲は…カタキやのうて、むしろ命の恩人やないかい」

 

「どうしてそれを黙ってたの?3年前のあの時、なんで隠したの!」

激昂する麦秋に、「だからそれにはわけがあったんだって!」と遥が答えた。

「約束だったの…死んだお父さんとの…」

 

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3年前。

病院のベッドの上には、永光正がいた。由美子は正の手を握っている。

「俺が死んでも、約束は守ってくれよ」

「死にません」

「麦秋は俺の子だ。二人でそう約束したろ」

「あなたは、自分の実の子ではないバクちゃんを認知して、私の籍からあなたの籍に移してくれた。そうすれば、戸籍を見てもわからないって」

「戸籍上でも、麦秋の父親になりたかった。約束だ。麦秋の実の父親は私だ。遥やさくらと一緒だ」

「ありがとう…」

由美子は正の手を握りしめ、涙を流した。

 

「お父さんもグルだったんだ…」

「姉ちゃん!」

「バクちゃんは実の父親の事なんか知らなくていい。知るべきじゃない…お父さんそう言って…だから…」

「そうやって、哀れな犯罪者の娘を救ってくれたの?いい人ね本当に、赤の他人なのに!」

麦秋は泣いていた。その頬を由美子が叩く。

「赤の他人なんかじゃない!あなたのお父さん!あなたが警官になった時、誰より喜んだあなたのお父さんよ!でも、実の父親のことが知られたら、警官になれないかもしれない。麦秋の将来を潰しちゃいけない、バクちゃんの笑顔を奪っちゃいけない。だから警察に嘘までついたの!」

「じゃぁ…なんのためにヤクザを恨んでたの?私、何のためにヤクザを恨んでたの!」

「もっと早く…全部話すべきだった…」

「違う…私が、3年間もお母さんと話すことから逃げてた」

麦秋の目からは涙が零れ落ちる。

「本当の親子ってのはな、どんなわだかまりがあろうとも、話し合えば必ず心は通い合うもんなんだ」

そう言った橘の言葉を麦秋は思い出していた。

「あの男の…言う通りだった」

麦秋はカバンを取ると部屋を出ようとした。その後ろから由美子が麦秋を抱きしめる。だが麦秋はその手を振りほどいた。

「私にそんなことをされる資格はありません」

そう言って家を出ていった。

 

警視庁・電話相談室。

朝…。呆然とした麦秋は電話相談室に戻ってきた。

「今来ましたわ。えぇ大丈夫です。元気そうです。伝えときます。はい。」

三ケ島が誰かと電話で話している。麦秋は気にせずフラフラと自分の部屋へと向かう。

「お母さんから伝言や。いつでもダンボール捨てて、家に帰って来いって。それと、水千組の水田からも伝言や。組ごと足抜けする件も、偽装離脱を証言する件も、なかったことにしてくれって…勝手な男やのう。しょせんはヤクザや…クズやのうホンマに…けどなーんか、清々しい声やったわ。カタギにはなれへんかったけど、きっと、何かから足抜けしたんやろのう」

麦秋は何も言わず、ただ茫然と三ケ島の話を聞いているだけだった。

「…そうか、全部わかったか…」

「3年間、人を恨み、傷つけ、そのすべてが無駄でした」

「それだけやない。お前のお陰で救われた人もおったで。俺が確かにこの目で見たんや、間違いあるかい」

「いいえ、全く無駄な3年間でした」

「せやったら、その3年から足抜けせい。麦秋…今度はお前が足抜けする番や…」

三ケ島は机の上に置いてあったハンドベルを手に取ると、「お前の足抜け、俺が引き受けたる」と言って、高らかに鳴らした。

 

玉井病院。

「弾の摘出はうまくいったんですよね」

レントゲン写真を見ながら、水原が医者に聞いた。

「ただですね…脊椎の損傷が酷かですね。神経ば圧迫してます」

医者がレントゲン写真を指差しながら言った。

「だから意識がもどらないの?」

水原の問いかけに、医者はベッタベタの方言で答えた。翻訳すると…。

「いや、意識が戻らないのは、出血性ショックによる影響だと思いますが、神経の圧迫を解除するオペが必要なのです。すごくリスクが高くて、命の危険があります。ところがですね…」

「そのオペば、やってくれる病院ばこれから探すとよ」

水原はうつってしまった方言で、待合にいる水田と鷲頭に言った。

「ここではできねぇのか!」

水田の言葉に、水原は言った。

「お前らヤクザを恐れてんだよ」

 

警視庁・電話相談室。

「はい、足抜けコールです」

外線が鳴り、東條が受話器を取った。

電話の相手は水千組の水田だった。電話をオンフックにする。

「橘の親分をオペしてくれる病院を探してくれ。この病院は、俺たちを恐れてやってくれねぇ」

自室から出てきた麦秋が、水田に問う。

「水田さん…オペとは、どのようなオペですか?」

「あんた…あんたには話せねぇ…橘の親父を恨んでる麦秋さんには…」

「麦秋…足抜けのチャンスや…もう恨む理由ないはずや…お前の足抜けのチャンスや!」

「助けます!橘勲は私が助けます」

「本当か!」

 

あぶくま整形外科。

「確かに難しいオペね。でも私ならできる」

章子は、橘のレントゲンを見ながらそう言った。

「では、よろしくお願いします」

麦秋が頭を下げた。

「お願いします…何を?」

「何を?橘勲を助けてください」

「助けてくれ…苦しめてくれじゃないの?」

章子は椅子から立ち上がると、「橘勲はあなたのカタキでしょ」と言った。

「それは…違います」

「違う…確かにあなたはずっとそう言っていたはず!」

「それは間違いでした。橘勲は私の…とにかく先生のオペで助けてください」

章子はクルッと背を向けた。

「間違ってた…そんなこと、今さら許せない!」

怒り心頭で麦秋の方へ振り向く。

「あなたのせいで、今までどれだけの人が苦しめられたか。どれだけの人生が壊れたか!多くの人を地獄に叩き落として、自分だけ楽になろうなんて、絶対に許さない!」

章子はそう言うと、麦秋の頬を掴んだ。

「ヤクザに関わったものは一生苦しむべき、だったわよね…。勘違いしないで。私は医者よ。治療はする。ただし、治療を終えたら必ず橘勲を逮捕して」

章子は屈みこんで麦秋の顔を覗き込みながら言った。

「そして、ちゃんと苦しめて。それを約束するなら、直してもいい」

「だから…助けてくださいと言っています。生かしておかないと逮捕できませんから」

麦秋はカバンを手から離すと、突然座り込み額を床に付けて土下座した。そして章子の両足首を掴むと、「お願いします」と言った。

 

水千組・事務所。

キーボードをせわしなくたたく小部屋に、水田が入ってきた。その後を鷲頭が続く。

「先生。いろいろお騒がせしましたが、水千組は今後も、資金面で貴船組を支えていくことになりました」

「えぇ。正直ほっとしました」

「つきましては、橘の親父の退院祝いと合わせて、次の上納金では、かなり目立つ額が必要となります。近々まとまった儲けを出すことは可能でしょうか?」

「でしたら、ここらで一つ、大きな勝負をさせてもらえませんか?」

キーボードから手を離し、メガネをはずして顔を上げたのは佐野だった!!

 

警視庁・電話相談室。

「逮捕する?」

「はい。オペが終わり、退院できたらすぐにでも」

「橘勲はお前とお前の母親の命の恩人やろ」

「あなたに暴行を加えた犯罪者であり、ヤクザです」

 

水千組・事務所。

「は?今投資している以上の資金が必要なんですか?」

「だって今すぐ、大きなリターンが必要なんですよね?」

鷲頭の問いに佐野が返す。

「確かに、おっしゃる通りです」

水田が答えた。

「上部組織から借りたりできないんですか?」

「わかりました。至急橘の親父に許可を取ります」

水田が言うと、鷲頭は何か言いたそうに口をパクパクさせた。

「楽しみにしていまーす」

佐野はそう言うと、メガネをかけディスプレイに向き直った。

「あの、そのリターンはお約束していただけるんですよね」

「えぇ。あなた方が想像を絶するようなハイリターンを」

「よろしくお願いいたします」

水田が頭を下げた。佐野はニヤリと口元を歪めた。

 

警視庁・電話相談室。

「3年間の恨みから、足抜けするんちゃうかったんかい」

「今までみたいに、また人を恨みながら生きて行くんかい。え?」

麦秋は何も言わなかった。

 

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●第9話のゲスト


・石川道三(いしかわ どうざん)/石橋蓮司

赤城会会長。橘勲の兄貴分

…俳優で演出家。「劇団第七病棟」主催。現在73歳。

 

・入山黄明(いりやま こうめい)/中野英雄

関東貴船組系「浅間組」組長

…現在50歳。ドラマや映画、Vシネマ…特にヤクザものなどで活躍する。若い頃はトレンディードラマにも多数出演していた。

 

・青峰亨(あおみね とおる)/長江英和

関東貴船組系「武尊組」組長

…現在56歳。ドラマや映画、舞台などで活躍。身長192㎝の大柄が特徴。趣味は水族館巡りで、好きな食べ物はとろろ汁と和牛とのこと。

 

・左多茂津(ひだり たもつ)/池田大

…俳優。現在29歳。2011年に舞台で芸能界デビュー。

 

・玉井病院 医師 藤居/藤井尚之(友情出演)

…ミュージシャンで元チェッカーズ。藤井フミヤの弟。現在50歳。

 

・丸橋/平岡祐太(友情出演)

麦秋の実の父、横領で捕まった銀行員

…俳優。現在30歳。2003年にドラマデビュー。映画「スウィングガールズ」では日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。

 

・支店長/片岡鶴太郎(友情出演)

丸橋の上司に当たる銀行の支店長

…元お笑い芸人で、俳優、芸術家として活躍。現在60歳。

 

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いかがでしたでしょうか?

第9話はいろいろとどんでん返しがありました!

まず、水千組110名の足抜け依頼からはじまりましたが、その経緯のなかで麦秋が橘勲の実の子ではなく、さらに別の男…横領で捕まった銀行員が本当の父親であったこと。

また、ずーっと気になっていた水千組の客分がなんと暴追アドバイザーの佐野だったこと!

それは麦秋の差し金だったのか?それとも佐野には別の思惑があるのか…!?

どんな展開になるのか、来週の最終回が楽しみですね!

 

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