2018年9月8日(土)、テレビ朝日「池上彰のニュースそうだったのか!!」(夜6時56分~2時間)では、“今どきの防災の常識チェック40”と題し、防災の最新情報を徹底解説しました。
過去の経験が役立たない、未曽有の大災害が頻発する日本。自分や家族の身を守るためには、防災意識を今まで以上に持つ必要があります。
とはいえ、昔の常識は今はもう通用しない…むしろ危険な場合もあるのです。今一度、防災の常識を再確認するうえでも、防災の最新情報は知識として頭に入れておきましょう。
そこで今回は、2018年9月8日(土)放送の「池上彰のニュースそうだったのか!!」より、
「今どきの最新防災の常識チェック40」
をご紹介します。
●今どきの防災の常識チェック40
◇地震編
チェック1/40
地震発生の瞬間、まず何をする?
A・火を消す
B・身を守る←正解
※大きな地震の場合、ガスは元栓から自動で閉じるようになっています。火事に注意するのは当然ながら、火を消そうとして火傷やケガをする危険性があるため、まずは安全の確保を最優先すること。揺れがおさまってから、火元を確認!
チェック2/40
家の中で比較的安全な場所は?
A・トイレ
B・玄関←正解
※昔はトイレが一番安全と言われていましたが、その理由は太い柱に囲まれているから…でした。しかし、それは古い常識。最近は柱に囲まれていない形式も多く、閉じ込められてしまう可能性が高くなります。
一方、玄関は出口を確保でき、比較的転倒物が少ない…ただし、下駄箱やガラスには注意し、慌てて外に飛び出さないことが重要。
チェック3/40
「机の下」と決めつけるのは危険!?
※子どものころから、学校では、地震の時は机の下に隠れる…と習ってきた人が大半です。しかし、それが有効なのは、近くに倒れるものが無い場合に限られます。だから学校ならOK。
例えば、すぐ目の前にタンスが倒れてきて出られなくなることも…。つまり、状況によって変わるわけです。
家の中では、転倒・落下物がない場所をあらかじめ決めておけば、とっさの時に慌てずに済みます。
チェック4/40
地震発生!子どもと離れていたら!?
A・子どもの安全を確認
B・自分の安全を優先←正解
※例えば、子どもが2階にいて自分が1階にいる場合、子どもを呼ぶと子どもが動いて逆に危険。まずは自分の身を守り、その後、自分から子どものもとへ向かうのが原則です。
なお、いざというときはどうするべきか、事前に子どもと話しておくことも重要になります。
チェック5/40
スーパーで地震発生!どうやって身を守る?
A・棚にしがみつく
B・買い物かごをかぶる←正解
※缶詰が落ちてきて直撃したら危険!買い物かごは弾力性があり見た目よりもかなり頑丈です。とっさのヘルメット代わりにもなるため、落下物から頭部を守ってくれます。
実際、買い物かごで避難訓練をしているスーパーも←イオン!
チェック6/40
エレベーターで地震!あなたはどうする?
A・全ての階のボタンを押す←正解
B・1階を連打する
※最新のエレベーターは大きな揺れが来たら最寄りの階に自動で停止する仕組みになっています。ただし、古いエレベーター(2009年以前の旧型)は必ずしもそうなっていないので、全ての階のボタンを押しておくと、より止まる確率があがります。
なお、エレベーターは万が一ワイヤーが切れても、落下しない仕組みになっています(落下しない装置が原則ついている)。なので、必要以上に慌てないこと。
チェック7/40
住宅街で地震!より危険なブロック塀はどっち?
A・高さが2mのブロック塀
B・石垣の上にあるブロック塀←正解
※石垣の上だと、鉄筋で固定されていないことがあります。逆に、高さが2m以上だと、建築基準法に則り鉄筋で補強されているため、そう簡単には倒れません。
特に危険性が高いのは、透かしが連続しているブロック塀。透かしが入っている=その部分には鉄筋が入っていないことになるわけです。また、つぎ足しや土留めなども倒れてくる危険性があります。
とはいえ、素人では判断しづらいので、揺れたときはブロック塀から離れる方が無難。
チェック8/40
学校で、ブロック塀以外にもある危険なものは?
※学校で、ブロック塀以外に対策が遅れているものに、「窓ガラス」「天井」などがあります。
建物の耐震化が済んでいても、これらは建物の耐震化とは別物になっており、予算の関係で手付かずの場合があるため…とのこと。「窓ガラス」の破損は、「天井」の崩落にも注意しましょう。
チェック9/40
街の中で注意した方がいいものは?
電線、電柱、室外機、タイル、屋根瓦、窓ガラス、自動販売機、商店街のアーケードの天井、看板…。
外で地震に遭遇した場合、倒れてくるもの、落ちてくるものがない広いスペースに逃げるのが原則。通学路やよく通る道は事前に確認し、危険性を知ることが命を守ることにつながります。
チェック10/40
南海トラフ地震の発生確率は?(30年以内)
A・50~60%
B・70%
C・それ以上←正解
※最近では南海トラフ地震の発生確率は、70~80%に上がっています(30年以内)。これは、30年後に地震が発生するわけではなく、明日かもしれないし、1年後かもしれないし、30年後かもしれない…という言う意味です。
チェック11/40
地震発生!海の近くにいた場合どうする?
A・近くのビルの上へ←正解
B・遠くへ離れる
※地震の揺れによる被害を免れても、津波が襲ってくる場合があります。地震発生時に海の近くいたら、3階以上の高い建物にのぼり、周りの様子を見ましょう。
なお、大きな津波が心配されている地域には、「津波避難タワー」などが設置されているので、いざというときのためにルート確認をしておくと良さそうです。
チェック12/40
川の近くで津波警報。どっちへ逃げる?
A・川の上流方向
B・川と直角方向←正解
※津波は川をさかのぼってやってくるので、上流ではなく、川と直角に逃げるのが原則(海岸から離れている場合)。
なお、津波は時速250km(陸に近い水深500mの場所/出典:日本気象協会)。新幹線並みの速さなので、走って逃げるのは不可能です!
チェック13/40
「災害用伝言ダイヤル」は何番?
A・581(こわい)
B・889(はやく)
C・171(いない)←正解
D・279(つなぐ)
※インターネットは災害時でも比較的繋がりやすいですが、ネットを使わない60歳以上は約5割。そんな高齢者でも、災害用伝言ダイヤルなら使いやすので、番号を覚えておくと便利です。
ただし、地震発生直後はすぐに利用できません。30分程度たってから、災害用伝言ダイヤルが設置されるとのこと。
<使い方>
171に電話をかけ、ガイダンス(案内)通りに操作。自分の電話番号を入力し、「〇〇に避難します」などのメッセージを録音する。
メッセージを聞きたい人は、171に電話をかけ、相手の電話番号を入力すれば、メッセージが再生される。
なお、毎月1日と15日は体験利用ができるようになっています。
チェック14/40
地震直後に緊急で連絡を取るには?
A・リダイヤルを繰り返す
B・公衆電話を使う←正解
※非常時は通話規制がかかりますが、公衆電話は規制がかかりません。ただし、利用するなら緊急時に限りましょう。
チェック15/40
一時的に避難するならどこへ行く?
A・コンビニ
B・病院
C・ガソリンスタンド←正解
※コンビニは、災害時に水道水・トイレ・情報を提供してくれますが、避難には適しません。また、病院は元気な人が行くと邪魔になります。
ただし、ガソリンスタンドは安全性が高いと言われています。というのも、厳しい基準をクリアして建築されているからです。しかも、最近では災害対応型ガソリンスタンドが増えており、太陽光発電や給水設備を備えている場合もあります。
チェック16/40
家を出る前に、絶対に忘れてはいけないことは?
A・水道の元栓を閉める
B・ブレーカーを落とす←正解
チェック17/40
ブレーカーを落とさないといけない理由は?
これは、阪神・淡路大震災の教訓で、いわゆる通電火災を防ぐため。
阪神・淡路大震災の際は、地震が発生し停電。冬場だったため、電気ストーブを利用していた家庭も多く、電気ストーブの上に洗濯物を吊るして乾かしていた場合もありました。
そして、地震の揺れで洗濯物がストーブの上に落下。停電していた時は問題ありませんが、通電したことで洗濯物などが火種となり、火災が発生。
このようなことを防ぐため、ブレーカーは必ず落としてから避難することは必須です。
チェック18/40
地震の後に火災発生!煙が充満している中、どうやって逃げる?
A・ハンカチを濡らし四つん這いになって避難
B・ポリ袋をかぶって避難←正解
※昔の常識は、濡らしたハンカチで口を押え、姿勢を低くして避難する…というものでした。しかし、火災で命を落とす原因で多いのは、一酸化炭素中毒。一酸化炭素は色も臭いもなく毒性が強いので、知らない間に吸ってしまう恐れがあります。
そのため、今は大きなポリ袋なら数分は酸素が持つので、それをかぶって急いで逃げる方が安全とされています。
なお、最近では、火災時のポリ袋を常備するホテルも!
チェック19/40
会社で地震!家族と離れ離れ…あなたはどうする?
A・歩いて帰る
B・駅で過ごす
C・会社に泊まる←正解
※余震の可能性もあるため、夜間に長距離を歩いて移動するのは危険です。さらに、駅には人が殺到して混乱するため、避けるべき。会社に泊まり、様子を見るのが正しい判断です。
なお、東日本大震災の際は、東京で多くの人が歩いて帰ろうと歩道に溢れました。それを教訓に、東京都にある企業には、3日分の水や食料を備蓄することが努力義務とされています。
<余震とは言わない?>
余震という言葉は、「小さい」「大丈夫」というイメージがありますが、それは大間違い。その常識が覆されたのが、2016年の熊本地震でした。
この熊本地震の際は、1度目の地震(4月14日)の翌日、気象庁は震度6弱以上の余震の可能性20%と発表。余震…と聞いて安心した人が自宅に戻りましたが、1度目の地震より震度の大きな地震(4月16日)が発生。戻ったことで被害にあった人が多かったとのこと。
ちなみに「耐震性がある」というのは、1回目の大きな揺れでは倒れないという意味で、何度も揺れると危険なこともあります。
熊本地震以降、気象庁は「余震」という言葉を使わなくなり、現在の大地震の呼びかけは、「震度●以上の発生確率は、平常時の●倍」などの言い方に変わりました。
◇水害編
チェック20/40
どのタイミングで避難する!?
A・大雨注意報
B・避難勧告←正解
チェック21/40
避難情報を発令するのはどこ?
正解→自治体(市町村(23区を含む))
※気象に関する情報を出すのは気象庁ですが、それをもとに具体的な避難を呼びかけるのは、自治体(市町村です)。
チェック22/40
大雨注意報が出たときの避難情報は?
正解→避難準備、高齢者等避難開始
※大人は気象情報に注意して、避難の準備を開始。高齢者や乳幼児らは避難を始める。
チェック23/40
注意報の次に危険な防災気象情報は?
正解→警報(重大な災害のおそれがある)
※気象庁から警報が出された場合、自治体が出すのは避難勧告です。この場合、速やかに避難する必要があります。ただし、真夜中など、避難するのが危険な場合は、建物内のより安全な場所に移動しましょう。
※地域の状況によって、警報が出る基準は異なります。各地域の警報の基準は、気象庁のホームページで確認することができます。
チェック24/40
自治体が出す、最も危険度の高い避難情報は?
正解→避難指示(緊急)
※避難命令という情報はありません。その理由は、日本は独裁国家ではなく民主国家だから。つまり、自治体が住民に命令することはできず、命令する場合は、法律的な根拠が必要になるのです。
なお、本来は、避難勧告の時点でみんな避難していなければならず、避難指示は「避難勧告で避難しそびれた住人が避難する」最後の情報です。
チェック25/40
気象庁が出す、最も危険度の高い警報は?
正解→特別警報(重大な災害が迫っている)
※特別警報は、発表基準をはるかに超え、甚大な災害が迫っている時に発表されます。
ちなみに、2017年は大雨特別警報が64件(九州北部豪雨の2日間で)、2018年は7月末までに270件も出ています。特に、西日本豪雨があった7月6~8日にかけてが多くを占めています。
気象庁が情報を出し、自治体が避難行動を指示するわけですが、最終的には個人の判断。場合によっては空振りすることもありますが、命を守るためには、空振りを恐れず避難することが重要です。
チェック26/40
自然災害の被害を予測した地図は何?
正解→ハザードマップ
※自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものがハザードマップです。各自治体が、災害の種類別に作成しており、各自治体のホームページなどで確認することができます。
※国土交通省のWEBサイト「わがまちハザードマップ」より、任意の街のハザードマップを確認することができます。
なお、西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市。実際に浸水した地域と、ハザードマップの浸水想定地域がほぼ一致。ハザードマップの正確性は、かなり高い考えてよさそうです。
チェック27/40
大型台風が接近中!、どのルートで避難する?
A・最短ルート
B・川から遠いルート
C・標高は高いが時間がかかるルート←正解
※Aは川の近くを通る、Bは標高の低い場所を通る。となると、氾濫した水が後から追いかけてくる場合も考えられます。そのため、Cが正解となります。
ただし、土砂崩れやすでに冠水しているなど、想定していた避難所までのルートが確保できない場合もあるため、避難ルートは複数考えておく必要があります。
チェック28/40
80mmの大雨が降り、避難勧告が発令された。しかし、冠水はしていない。この場合、移動手段はどうする?
A・車
B・徒歩←正解
※冠水前でも80mmの大雨なのかで車を運転するのは危険。なので徒歩が正解。
なお、乗用車の場合、水深30㎝で車のエンジンが止まる場合もあり、立ち往生する可能性も。
天気予報で「1時間に50mmの大雨が予想される」とした場合、自動車の運転に慣れていない人は十分注意が必要です。
チェック29/40
降水量80ミリ。単位はどっち?
A・80ml
B・80mm←正解
※1時間で80mmの降水量とは、降雨がそのまま溜まった場合、1時間で水深8㎝になる…ということ。
1時間に80mmともなれば、フロントガラスに打ち付ける雨が激しすぎて、信号や車線が見づらくなり、車の運転は非常に危険になります。
チェック30/40
大雨で道路が冠水している時に避難する場合、何を履く?
A・スニーカー←正解
B・長靴
C・サンダル
※サンダルは障害物があると危険。長靴は、水が入ってしまうと歩くのが大変になるため不適。なので、スニーカーが最適。ただし、靴ヒモはしっかり結ぶことが大事です。
チェック31/40
冠水した道のどこを歩いて避難する?
A・歩道
B・道路の真ん中←正解
C・壁伝いに進む
※歩道は縁石があるためつまずく。壁伝いだと側溝などがあり、落ちたら危険。真ん中なら、より安全です。
ただし、マンホールのふたがずれている場合があるので、足元は注意する必要があります。
チェック32/40
外は大雨、道路は冠水。傘はどうする?
A・持っていく←正解
B・持っていかない
※傘は杖代わりになるため、持っていく方が良い。また、冠水していると、足元がどうなっているかわからないため傘で確認しながら歩けば、マンホールの穴や側溝などに落ちることを防げます。
傘だけでなく、ゴルフグラブなどでも杖の代用になりますが、見た目が危なげなので傘の方が無難かもしれません。
チェック33/40
堤防の決壊は水が越えるだけではない!
高い堤防があれば安心…というのは大きな間違い。実は、長時間洪水すると、堤防の中に水が浸透し、「浸透決壊」を起こす場合があります。
つまり、堤防に水がどんどん浸み込み、堤防が崩れ決壊してしまうのです。
また、川が蛇行している場合、流水が堤防を直接侵食して決壊する「浸食決壊」の場合も。
◇避難所編
チェック34/40
時間がない中で避難する場合、避難所にもっていくべきものは?
A・水や食料
B・衣類
C・情報収集機器
D・処方薬やメガネ←正解
※A~Cは避難先である程度調達することができるため、優先的に持っていくのは、個人的かつ調達しづらいDが正解です。
その他、避難所にもっていくといい物は、
食品用ラップ
…節水対策や防寒対策に。
安全ピン
…タオルを留めるのに使えば下着代わりに。また、ペットボトルのフタに穴を空ければ節水対策にもなる。
赤ちゃん用おしりふき
…無香料・ノンアルコールなど低刺激のため、いろんなことに使えるので便利。
チェック35/40
水や食料品などの消耗品は何日分用意する?
最低3日分を用意しましょう…というのは古い常識で、今は最低でも1週間分を用意するのが常識です。
というのも、想定される大規模地震は被害が広範囲にわたると考えられるため、3日間分だと救援物資が届かない場合もあるからです。
とはいえ、1週間分もの水や食料品などを備蓄しておくのは大変です。気が付けば賞味期限が切れていた…なんてこともザラ。
番組では言及していませんでしたが、最適なのが、「ローリングストック」という方法です。これは、長期保存できる食品や水などは普段から余分にストックしておき、食べたら新しいものを追加する…という方法で備蓄を切らさないようにすることです。
なにも、カンパンやアルファ米、ミリメシを常に食べろ…ということではなく、カップ麺やレトルト食品、缶詰など、長期間保存できる食品を多く用意しておけばよいので、気軽に取り組めます。
チェック36/40
水道が復旧し、最初に水を流した方がいいのはどっち?
A・キッチンの蛇口から水を出す←正解
B・トイレの水を流す
※まずはキッチンや洗面所、より良いのは屋外の水道で、水が透明になるまでゆっくりと流す。絶対にやってはいけないのが、トイレの水を流すこと。
というのも、断水の間に水道管には空気などが詰まってる場合がありります。トイレの水を一気に流すことで、水道管に高い水圧がかかり、詰まる・破裂する…などの可能性が考えられるのです。
◇災害時のお金編
チェック37/40
早く避難すべき状況の時、通帳は?
A・持っていく
B・持っていかない←正解
※通帳を紛失しても災害時は特例があり、本人確認ができれば、名前と住所だけでも10万円程度の引き出しが可能な場合があります(大手銀行)。
とはいえ、事前に準備ができる場合は、当然持ち出した方が良いですが、身の危険を冒してまで持ち出さなくても…ということです。
チェック38/40
半分に破れたお札は銀行へ持って行くと…?
A・半額←正解
B・全額
※お札は、残っている面積によって返ってくる金額が変わると規定されています。お札が破れた場合、銀行へ持っていけば、3分の2以上の破損で全額、5分の2以上の破損で半額が戻ってきます。
チェック39/40
避難所から家に戻ってからまずすべきことは?
A・片付ける
B・写真を撮る←正解
※被災した状況を写真に撮る理由は、被害が認定されやすく、罹災(りさい)証明書がもらいやすくなるからです。
この罹災証明書とは、自然災害による建物の被害を、自治体が証明するというもの。
そして、罹災証明書があれば、義援金や修繕費を受け取れたり、仮設住宅の申し込みができるなど、公的支援を受けられやすくなるのです。
逆に、片付けた後の写真では、被害がどのくらいなのかが分かりにくくなり、支援を受けられなくなる可能性があります。
つまり、被害の程度で支援される額が違ってくるのです。
とはいえ、生活を立て直すには、お金がたくさんかかります。そんな、いざというときのために、保険が役立つわけですが、どんな保険に入るのか・入っているのかは、十分チェックする必要があります。
というのも、保険によって補償内容が変わってくるからです。
火災保険
水害・落雷・土砂崩れなどが補償可
地震保険
地震・噴火・津波などを補償
特約などによっても内容は変わってくるため、補償内容は事前に確認しておきましょう!
チェック40/40
支援金と義援金の違いは?
支援金と義援金…よく聞く言葉ですが、これはお金が届く相手が変わってきます。
支援金
支援活動をする機関や団体へ
義援金
被災者に直接届く
●地震の多い地域・少ない地域は?
過去100年近くのデータを分析し、震度5弱以上の地震の回数まとめたものがこちら。
東京/72回
福島/58回
茨城/48回
宮城/45回
北海道/43回
熊本/40回
新潟/36回
岩手・長野・静岡/30回
栃木/23回
青森/22回
鹿児島/21回
千葉・山梨/20回
大分/16回
埼玉・兵庫/15回
広島/13回
神奈川/12回
秋田・宮崎/11回
群馬/9回
山形・石川・奈良・鳥取/8回
三重・和歌山/7回
京都・愛媛/6回
福井・島根・徳島/5回
滋賀・岡山・高知・長崎/4回
愛知・大阪・香川・福岡・佐賀/3回
富山・岐阜/2回
福島、茨城、宮城は東日本大震災の余震が続いたため回数が多くなっています。
東京は、伊豆諸島などの火山活動による地震を含むため72回となっていますが、島しょ部の観測を除くと11回で、ぐっと回数が減ります。
※出典:気象庁(1923年1月~2018年7月)
※1996年9月以前の震度5・震度6は、それぞれ震度5弱・震度6弱として扱う
ただし、2018年9月6日午前3時過ぎに発生した「北海道胆振(いぶり)地震」は、未知の活断層が動いた可能性も指摘されています。
まだ発見されていない活断層が存在する可能性は十分に考えられるわけで、
結局、日本全国どこでも大地震が起こる可能性は否定できません。
つまり、100年程度振り返るだけで安心できるものではないのです。
自分の住んでいる地域が、過去の地震回数の少ない地域だからといって安心せず、防災意識は常に持つ必要があります。
<想定されている大規模地震>
現在、想定されている大規模地震はこちら。
日本海溝・千島海溝周辺の海溝型地震
相模トラフ沿いの海溝型地震
南海トラフ地震
首都直下型地震
中部圏・近畿圏直下型地震
なかでも、首都直下型地震の被害想定は、最悪の場合で死者約2万3,000人以上、
南海トラフ地震では、、最悪の場合で死者約32万3,000人以上と想定されています。