岩波書店が発行している国語辞典「広辞苑」が、改訂新版となる第7版を2018年1月12日に発売。
10年ぶりの改訂とあって、前回の第6版で収録が見送られた言葉や、新たに収集された言葉から厳選し約1万語が追加されます。
そこで今回は、広辞苑第7版に追加される新しい言葉(新語)の一部や、外された言葉の一部をご紹介します♪
目次
●広辞苑が10年ぶりに改訂！
1955年に初版が刊行されて以来、60年以上の歴史を持つ岩波書店の日本語国語辞典「広辞苑」が、2018年1月12日に改訂新版となる第7版の発売を発表しました。
近頃では、「辞書を引く」という行為は、パソコンやスマホで「検索する」形に変化しているものの、確かな言葉の意味を知るには「広辞苑」は欠かせません。
とくに、子どもの頃はパソコンが一般的ではなかった世代からすると、広辞苑の薄いページをめくりながら知りたい言葉を調べつつ、目に入った別の言葉に気を取られ、いつの間にか知らなかった言葉もインプットされていた…なんて人も多いのではないでしょうか。
「広辞苑」をはじめとした辞書・辞典の良いところは、脇道にそれることでいろいろな言葉に興味を持ち、知らぬ間に語彙を増やすことができる点にあるのかもしれません。
イマドキは、知りたい言葉をネットで簡単に検索できるご時世ですが、やはり「広辞苑」は手元に1冊は持っておきたいものです。
ちなみに、第7版は第6版よりも140ページ増え、3,216ページとなります。とはいえ、製本機械の限界は8㎝のため、それに収まるよう新たな用紙が開発され、厚さは第6版と変わらないとか…！スゴイ技術ですね！
それでは、次章より「広辞苑」第7版に収録された新しい言葉の一部をご紹介します。
※収録された「新しい言葉」は、公式サイトをはじめ、各マスコミ発表の情報などからまとめています。
●追加された新しい言葉
＜主な現代語＞
朝ドラ
安全神話
いらっと
上から目線
お姫様抱っこ
価格帯
可視化
がっつり
加齢臭
口ぱく
小悪魔
ごち
小腹が空く
婚活
雑味
直箸
自撮り
勝負服
白物家電
戦力外
卒乳
立ち位置
天才肌
ちゃらい
名ばかり
乗り乗り
万人受け
美品
惚れ直す
賄い料理
無茶振り
＜主なカタカナ語＞
アプリ
イップス
エコバッグ
エントリーシート
カルチャースクール
キーマカレー
キャリーバッグ
クールビズ
クラウド
グランドデザイン
クリアファイル
コインパーキング
コスプレ
サプライズ
スピンオフ
スマホ
スルー
チュロス
ツイート
デトックス
ドクターヘリ
ナルシスト
ネイルサロン
ハニートラップ
バリスタ
パワースポット
ビッグマウス
フードコート
フリック
ブロガー
ブルーレイ
メアド
モラルハラスメント
リスペクト
リマインド
レジェンド
＜主な人文・社会の言葉＞
アラブの春
イスラム国家
ウィキリークス
LCC
LGBT
大阪取引所
沖縄返還密約
オスプレイ
革新自治体
強制起訴
限界集落
健康寿命
再帰性
殺処分
指定難病社
消費者庁
戦争遺跡
庭前の柏樹子
ねじれ国会
八角墳
ハラーム
東日本大震災
ビットコイン
ブラック企業
ふるさと納税
法テラス
マタニティー‐ハラスメント
民間軍事会
雇い止め
四つの口
＜主な科学・自然分野の言葉＞
iPS細胞
アメリカン‐ショートヘア
AED
エピジェネティクス
化学物質過敏症
顎関節症
火砕サージ
熊本地震
ゲノム編集
ゲリラ豪雨
再生医療
シェール‐ガス
腫瘍マーカー
燭台大蒟蒻
新型インフルエンザ
真正双子葉植物
鈴木カップリング
スタチン
スノーボール‐アース
スピノサウルス
ディープ‐ラーニング
ニホニウム
ネオジム磁石
年縞
はやぶさ
パンデミック
ブレーン宇宙論
ミラー‐ニューロン
ラミダス猿人
量子暗号
ロコモティブ症候群
＜主な人名＞
赤塚不二夫
植田正治
宇沢弘文
梅棹忠夫
永六輔
加藤周一
川上哲治
大鵬
高倉健
立川談志
つかこうへい
鶴見和子
勅使河原宏
土井たか子
土光敏夫
戸塚洋二
中内功
南部陽一郎
原節子
文在寅
劉暁波
アレクシエーヴィチ
オバマ
(ピエール)カルダン
(マイケル)ジャクソン
(スティーヴ)ジョブズ
スピルバーグ
チャスラフスカ
(ボブ)ディラン
ベッケンバウアー
＜主な地名＞
美瑛
上北
浜通り
三陸復興国立公園
渡良瀬遊水地
白岡
富岡製糸場
東京スカイツリー
神楽坂
西之島
伊根
熊野古道
しまなみ海道
軍艦島
口永良部島
識名園
今帰仁城（なきじんグスク）
渡嘉敷島
新北
西沙群島
ハロン
金角湾
サマワ
ヨーク
コッツウォルズ
アマルフィ
黄金の環
デナリ
ケイマン諸島
南スーダン
＜収録が見送られた言葉＞
アラサー
がん見
きしょい
ググる
つんでれ
TPP
豊洲市場
ほぼほぼ
ゆるキャラ
＜広辞苑から削除された言葉＞
基本値段
給水ポンプ
スーパー特急
昼つ程
＜新しい語義が追加された言葉＞
オタク
盛る
やばい
●LGBTの修正を検討
2018年1月12日に発売された「広辞苑 第7版」。発売早々「LGBT」についての項目に誤りがあるとの指摘があり、修正が検討されています。
「広辞苑 第7版」には、LGBTについて、
多数派とは異なる性的指向をもつ人々。GLBT
と記載。
しかし、そもそもLGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの頭文字をとった言葉。
そして、Tにあたるトランスジェンダーについては、
心と体の性が一致しない場合であり、自己認識を表す概念。性的指向とは関係がない
このことから、広辞苑の説明は誤りと指摘されたわけです。
なお、指摘を受けた岩波書店は、Twitterにて対応をお知らせするとのことです。
広辞苑第七版の「ＬＧＢＴ」の項目での説明につきまして、修正を含め対応を検討しております。追ってまたこのアカウントでもお知らせいたしますので、少々お待ち下さいませ。
— 『広辞苑第七版』2018年1月12日発売 (@Kojien7) 2018年1月16日
●そのほかの修正
2018年1月18日(木)、「しまなみ海道」の説明に誤りがあることが判明。
広辞苑第7版では、しまなみ海道」の説明として、
本州四国連絡道路のうち、尾道・今治を結ぶルートの通称。自動車道に歩行者・自転車専用道路を併設、因島・生口（いくち）島・大三島・周防大島を経由する。全長五九・四キロメートル
としていますが、「周防大島」は誤りで、正しくは「大島」。
山口県南東部にある周防大島(正式名称・屋代島)と、今治市の大島を間違えて説明していました。
なお、岩波書店の担当者は「なるべく早い時期に重版で訂正したい」と誤りを認めています。
