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世界重税ランキングで日本2位はウソ?本当のランキングはこれだ!

「重税世界ランキングで日本は2位」という話をご存知ですか?そんなのテレビのニュースでやってないじゃん!と言う人と、ネットでは話題になってるよ!と言う人、反応はさまざまかもしれません。

でも、本当に、日本は世界の国々の中で、税の高さで2位に位置しているのでしょうか?

ズバリ、「日本が世界の重税ランキングで2位」なのはデタラメ情報です!!

デタラメ情報をこぞって取り上げているまとめサイト(コピペサイト)は、情報源(ソース)の信憑性を確かめもせず、単に「おもしろがって」「日本を貶める情報として」取り上げてるに過ぎないのです。

そこで今回は、まとめサイト(コピペサイト)が取り上げている「世界重税ランキング」で日本が2位である話がデタラメであるという検証と、本当に参考にしてもよい「世界重税ランキング」をご紹介します!

 

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●世界重税ランキングで日本が2位!?

2017年5月18日(木)、インターネットの巨大掲示板サイト・2ちゃんねるにて「重税世界ランキング、日本2位」というスレッドが立ちました。

これを受け、2ちゃんねるのまとめサイトをはじめ、個人ブログやSNSなどがこの話題を取り上げています。

確かに、毎日必死に働いて手にしたわずかな給料からは、所得税・住民税が差っ引かれ、自分が将来貰えるかもわからないのに年金を収め、やたらと高額な健康保険料を支払い、40歳を超えれば介護保険料が加算される…。

しかも、収入が増えれば持っていかれる税金も増えるわけで、なんだかやるせないのは事実です。ホントに!

だからこそ、「日本が世界の重税ランキングで2位だ」という話を聞いて、思考停止状態なら「やっぱりか!」と言いたくなります。

ところが、ちょっと考えてみたら、何かかがおかしいんです。

 

まとめサイト(コピペサイト)がこぞって取り上げている、問題の「世界重税ランキング」ですが、その際に掲載されている画像がこちら。

画像①は問題の「世界重税ランキング」1位~5位までの国名、主な税金と税率が記載されています。

 

画像②は、自動車ユーザーの税負担の国際比較の表です。

 

画像③は、世界の派遣会社の事業所数の表です。

 

なお、百歩譲って画像②の情報はいいにしても、画像③の情報は余計かと。重税の話なのに「世界の派遣会社の事業所数」をここで出すのには、一体どんな意図があるのでしょうか?日本は派遣会社が世界中の中でも飛びぬけて多い…だから非正規労働者が多く、収入が少ないのに税金が高いのは大変だ!という思考の流れに持っていきたいのでしょうか。

そして、ソースとされている海外サイト「Abc News Point」の「TOP 10 HIGHEST TAX PAYING COUNTRIES 2017」という記事の内容(日本が該当する部分)が英語でコピペされており、世界重税ランキングトップ10も英語で記載されています。

ちなみに、そのランキングはこちら。

1位/アルバ
2位/日本
3位/イギリス
4位/フィンランド
5位/アイルランド
6位/スウェーデン
7位/デンマーク
8位/オランダ
9位/ベルギー
10位/オーストリア

※翻訳しました。

 

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●情報源の信憑性がゼロ!

さて…。この「世界重税ランキング」の情報源(ソース)となっている海外サイト「Abc News Point」ですが、「Abc News」とついているだけに、アメリカ大手「ABCニュース」と関連があるように見えますが、まったくの無関係。サイトの最下部にある「ABOUT US」には「オンラインフォーラム」とあるので、ユーザーが自由に記事を投稿できるものと考えてよさそうです。

つまり、どこの馬の骨ともわからない人物が書いている記事と言って差し支えないわけです。

まぁ、だからといって、内容が正しければ問題になりませんが、この「TOP 10 HIGHEST TAX PAYING COUNTRIES 2017」という記事は、一体どんな数字の根拠を持って書かれているのかが一切不明なんです。

記事冒頭に「Here we have compiled top ten highest tax paid countries in the world.(ここでは、世界でトップ10の最高税金国を集計しました)」とありますが、集計の根拠は一切示されていません。

なお、世界各国のさまざまな税率を調べ、ランキング化するのは容易な仕事ではないですよね?それぞれの国によって税率は異なるわけですから。例えばそれをポイント化して集計したとしても、その「ポイント化」した根拠を明白にしなければ、正しい統計データ(ランキング)とは言えません。

それに、前章の画像①を見てください。この画像は誰が作ったのかは不明ですが(スレッドを立てた人?)、問題の海外サイトが1位~10位の国の解説と合わせて、主な税金の税率を記載しているものを表にしたものでした(画像では1位~5位まで)。

この画像の税率を見て違和感を感じない人は、税金を払ったことが無い学生さんか、確定申告をしたことが無いサラリーマンかもしれません。まずもって、この表に書かれている税率は、消費税以外デタラメか、古い税率なんです。

まず、日本の法人税は38.01%とあります。ですが実際は以下の通り(2017年12月期の実効税率)。

外形標準課税適用法人/30.86%
中小法人(標準税率) /33.80%
中小法人(超過税率) /34.81%

※実効税率とは法人の利益にかかる税金。実効税率を計算するうえで含まれる税金は以下の5種類(税率は外形標準課税適用法人の場合)。

・法人税  (税率23.4%)
・地方法人税(税率4.4%)
・住民税  (税率16.3%)
・事業税  (税率0.88%)
・地方法人特別税(税率2.9%)

では、この法人税38.01%という税率はどこから出てきたのか…?2014年4月に法人税率の改正があり、改正前の実効税率が38.01%。つまり、2014年4月以前の税率なわけです。

 

次に、給与税25.63%とありますが、そもそも給与税とは何でしょうか?給与から差っ引かれる税金だとしたら、健康保険料+厚生年金保険料が該当しますが、これは都道府県によって健康保険料の料率は異なるため、25.63%なんて数字は出せません。

一番近い数字としては、東京都における2011年10月納付分からの健康保険料率(9.48%・介護保険なし)+厚生年金保険料率(16.412%)=25.892%です。

※給与税とは、健康保険・年金・介護保険・雇用保険が該当。

 

次に所得税。15%~50%とありますが、これはデタラメ。日本の所得税は所得金額によって料率が上がっていきますが、最低税率は5%、最高税率は45%です。

<現行の日本の所得税率>

195万円以下         /5%
195万円超 330万円以下     /10%
330万円超 695万円以下     /20%
695万円超 900万円以下     /23%
900万円超 1,800万円以下    /33%
1,800万円超 4,000万円以下 /40%
4,000万円超         /45%

これで、所得税15%~50%という数値はデタラメであることが、おわかりいただけたかと思います。

記事のタイトルに「2017」とあげておきながら、記載している税率は古く、また、デタラメな税率も含まれている「世界重税ランキング」なんて、そもそも信憑性など1ミリもありません。なのになぜ、情報源も確かめず、まとめサイト(コピペサイト)は「日本は世界の重税ランキングで2位だった!」なんて話を信じてしまうのでしょうか。

加えて、この「Abc News Point」が「TOP 10 HIGHEST TAX PAYING COUNTRIES 2017」の記事をエントリーしたのは2015年7月14日。ということは、記事を書いたのは2年前なのに、内容は古いままタイトルだけ「2017」と書き直したのでしょうか。

このスレッドを2ちゃんねるに立てた人は、古い情報をわざわざ今年の5月18日に持ってきてたわけです。その意図するところは不明ですが、もしかして元ネタのタイトルに「2017」とあったから、安易に最新情報だと思って持ってきたのでしょうか?数字の根拠が正しいかどうかもわからないのに…。

とはいえ、そもそも2ちゃんねるではウソ情報(いわゆるガセやフェイクニュース)でスレッドを立てたとしても、それを見た人がどう受け取るかが重要。

「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」とは、2ちゃんねる(2ch.net)の初代管理人・西村博之氏の弁。

スレッドを立てた人(スレ主)が、何らかの意思を持って誤情報を流布しようと企んだ…ともいえなくはないですが、与えられた情報を疑いもせずに信じ、自ら調べることもなく右から左に流してしまう。これはネットリテラシーの欠如以外の何物でもありません。

そして、まとめサイトの情報を鵜呑みにして「日本は世界で2番目に重税なんだぜ!」とドヤ顔で周りに話している思考停止のあほうが多数発生している様が目に浮かびます(笑)

 

<参考>
ベンチャーインク国際会計事務所

国税庁(所得税の税率)

 

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●本当の世界重税ランキングはこれだ!

それでは、本当に信頼できる「世界重税ランキング」なんてものがあるのでしょうか?

いろいろと調べた結果、国内総生産(GDP)に対する税収の割合を算出すれば「税金の高さ=重税度」がわかることが判明。

つまり、A国は1,000円の国内総生産のうち、300円が税収であれば30%、B国は2,000円の国内総生産のうち300円が税収であれば15%となります。これをランキング化すれば、「世界重税ランキング」になります。

そこで、総務省統計局が2017年3月に発表した「世界の統計2017」から、「経済協力開発機構(OEDC)加盟国の国内総生産に対する税収(2014年)」のデータを元にランキング化したものを以下にご紹介します。

※統計局が発表した「OECD加盟国の国内総生産に対する税収」の最新データは2014年のもの。また、統計局が出典としたのはOEDCの「Revenue Statistics 2016」です。

※税の主な構成は、所得税、法人税、社会保険料(被保険者負担分・事業主負担分)、資産税、財・サービス税です。なお、メキシコとアイスランドに関しては、社会保険料は含まれていません。

※対象となるのはOEDCに加盟している35カ国です。

 

さて。国内総生産(GDP)に対する税収から割り出した「世界重税ランキング」。1位はデンマーク、2位はフランス、3位はベルギーとなりました。どの国も名だたる福祉国家であり、税金の高さも有名です。

問題の日本ですが、意外にもランキングでは24位。OECD加盟国35カ国の中でも、下位グループに入ります。それがいいのか悪いのかはさておき、「世界で2番目に重税の国」ではないと言い切っても問題なさそうです。

 

<参考>
総務省統計局(世界の統計2017)

世界の統計2017のPDF版はこちら。

※該当ページ「OECD加盟国の国内総生産に対する税収」はPDFの203ページです。

 

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