情報誌「日経トレンディ」が発表した、2019年の、
・ヒット商品ベスト30
・今年の顔
・来年の顔
の解説をまとめています。
※「ヒット商品2020」についてはこちらの記事をご覧ください。
ヒット商品2020/日経トレンディ発表のベスト30│解説&まとめ
※「ヒット予測2021」についてはこちらの記事をご覧ください。
ヒット予測2021/日経トレンディ発表の予測はいくつ流行る?
※日経MJ発表の「ヒット商品番付2020」についてはこちらの記事をご覧ください。
●ヒット商品2019ベスト30
ここでは、「日経トレンディ」2019年12月号発表の、「ヒット商品2019」ベスト30にをご紹介します。
※リンク先(楽天)の商品情報は2019年11月時点のものです。すでに販売が終了している場合がありますのでご了承ください。
◇1位~10位
<1位>
ワークマン
従来は、職人向けの作業服のイメージが強かった「ワークマン」ですが、2018年9月より一般客向けの「ワークマンプラス」を展開。
この「ワークマンプラス」は、アウトドアショップを思わせる内外装を施した店舗で、プロ仕様のカジュアルウエアなどの主力商品を、激安価格で販売しています。
プロ仕様の高機能商品が激安価格で手に入るとあって、一般客だけでなく、今まで見向きもしなかった女性客(ワークマン女子)の取り込みにも成功。わずか1年で“ポストユニクロ”の地位へと転身しました。
ちなみに、「ワークマンプラス」で取り扱っている商品は、新たに開発したものではなく、ワークマンで取り扱っていたアイテムの中から、一般客向けのものを選出し、照明・内外装・陳列方法などの“見せ方”を変えただけというから驚きです!
<2位>
タピオカ
2018年に第3次タピオカブームが訪れましたが、2019年はタピオカの消費量がさらに4.5倍にまで拡大を見せ、一過性とは言えないムーブメントを引き起こしました。
若い世代を中心に“タピる”“タピ活”などの言葉が流行し、タピオカドリンクを販売している人気店には長蛇の列ができるなど、その勢いはとどまるところを知りません。
加えて、大手飲食チェーンや飲料メーカーもタピオカドリンクの販売を開始し、コンビニなどでも手軽に手に入れることができるようになりました。グミやキャンディーなどの関連商品も登場しています。
2020年もタピオカブームが継続し、国民食として定番となるのかに注目です。
<3位>
PayPay
2018年10月にスタートした「PayPay」は、乱立するスマホ決済サービス…いわゆる“○○ペイ”としては後発ながらも、決済額20%を還元する“100億円キャンペーン”で強烈なインパクトを与えました。
そして、キャンペーンは第2弾、第3弾と続き、TVCMや広告をド派手に打ちまくり、結果「PayPay」は多くのユーザーを獲得しています。
キャッシュレス化を推し進めたい国が、2019年10月の消費増税に伴いスタートさせた「キャッシュレス・消費者還元事業」。“○○ペイ”の乱立はこの事業に備えるための動きの1つでしたが、後発の「PayPay」がスマホ決済の利用者拡大に一役買った立役者ともいえそうです。
<4位>
ラグビーW杯2019日本大会
大きな盛り上がりを見せた「ラグビーW杯2019日本大会」。日本チームは予選プールで4戦全勝という歴史的な快進撃を見せ、日本初となる決勝トーナメントに進出。南アフリカと対戦し敗北となったものの、ベスト8という記録を残しました。
日本チームが勝ち進むなか、日本中が熱狂の渦に巻き込まれていき、日本戦のテレビ視聴率は爆上げしました。
また、いわゆる「にわか」ファンを歓迎する風潮で、ラグビーに対する興味や注目も上昇。ビール片手に、ラグビー観戦で盛り上がる1か月となりました。
<5位>
令和&さよなら平成
2019年5月、202年ぶりとなる譲位が行われ、元号が“平成”から“令和”に改元されました。
今回は、“昭和”から“平成”に改元された時と異なり、天皇陛下がご健在のまま代替わりしたため、日本中が祝賀ムード一色となりました。
また、「天皇の即位の日」である2019年5月1日は2019年限定の祝日となり、GWが10連休に。空前の大型連休の出現で、海外旅行者が過去最多を記録。
また、改元に伴い平成に関するグッズと、令和に関するグッズの販売が増加し、“平成最後””令和初”と銘打ったキャンペーンやイベントなども行われ、多くの消費行動を生み出しました。
<6位>
ボヘミアン・ラプソディ
「ボヘミアン・ラプソディ」は、1970年代に活躍したイギリスのロックバンド“クイーン”を描いた伝記的映画です。
同作が日本で公開されたのは、2018年11月。瞬く間に人気に火が付き、日本での初週の興行収入は4億円台に。2019年5月には130億円を突破しました。
なお、リアルタイムでクイーンを好きだった中高年だけでなく、クイーンを知らない若い世代にも口コミが広がり、観客動員数が増加。
また、関連CDも売り上げを伸ばし、2019年9月には163万枚を達成しています。
<7位>
Netflix
定額制インターネット動画配信サービスが定着してきた昨今、人気のある海外勢のサービスで筆頭の「Amazonプライム・ビデオ」のほか、「Hulu」「DAZN」などがしのぎを削っています。
そんな中、会員数を伸ばしてきているのが、「Netflix」です。同社が2019年9月に行った報道向けイベントでは、日本市場で約300万人の有料会員がいると発言(ちなみにWOWOWの有料会員数は約288万人)。
なお、フラーによる動向調査によると、2019年9月のアプリ利用動向前年比は、Amazonプライム・ビデオで190%、Huluで167%、DAZNで167%。一方のNetflixは288%と、ライバルを上回る伸びを見せています。
Netflixの会員数増をけん引したのは、日本独自で制作したオリジナル作品の配信。なかでも2019年8月に配信がスタートした、山田孝之さん主演の「全裸監督」は、Netflixのアジア全体でベスト10に入るヒット作品となり、会員数増加に拍車をかけたとみられています。
Netflixに限らず、Amazonプライム・ビデオ、Huluなどもオリジナル映像作品を配信しています。その強みは、地上波ではできない、挑戦的なオリジナル映像作品の配信が可能なこと。
Amazonプライム・ビデオに次いで2番手に躍り出たNetflixが、どこまで王者に肉薄するのか注目です。
<8位>
米須玄師
若い世代を中心に支持を集めているミュージシャン・米津玄師さん。2017年には菅田将暉さんとのコラボ楽曲をリリースし注目を集め、2018年1月期放送のTBSドラマ「アンナチュラル」の主題歌に起用された楽曲「Lemon」が大ヒットを記録。
また、同年末のNHK紅白歌合戦では、自身の故郷・徳島県内にある大塚国際美術館からの生中継で「Lemon」を歌唱。荘厳な世界観で歌う米津玄師さんの姿が日本中に知れ渡り、ファン層を広げる結果となりました。
一方で、2018年には米津玄師さんがプロデュースした小中学生ユニット・Foorinの「パプリカ」が、Youtubeの再生回数1億回を超えるなど大きな話題に。
さらに、2019年7月期に放送されたTBSドラマ「ノーサイド・ゲーム」の主題歌に起用された「馬と鹿」は、CDセールス初週40万枚を記録。同ドラマがラグビーチームのストーリーだっただけに、ラグビーW杯日本大会の情報を伝える番組では頻繁にBGMに使われ、多くの人に耳に記憶されました。
紅白歌合戦にも出場し、国民的歌手の地位を確立した米津玄師さん。今後の活躍も見逃せません。
<9位>
ルックプラス バスタブクレンジング
浴室掃除は何かと面倒。腰が痛い、膝が痛い時なんかはとくに、浴槽などをこするためにかがむのはなかなかにしんどかったりします。
ところが、この「ルックプラス バスタブクレンジング」は、“こすらず洗える”のが特徴で、使い方は簡単。浴槽の全面にミスト状になる洗剤をプシューッと吹きかけ、60秒待った後にシャワーで流すだけ。
テレビCMでは、とにかく「バスタブはこすらない」を重点的にアピール。試しに使ってみようという需要を掘り起こし、2018年9月の発売後、1年間で2,200万本が売れるという快挙を達成。
ちなみに、バスタブをこすらず洗えるなんて、にわかには信じられないうたい文句でしたが、実際に使ってみたところ、洗剤がミスト状に噴き出すため、バスタブ全面に洗剤を吹きかけるのが簡単。そのまま待ってシャワーで流すだけで、バスタブはきれいになりました(個人的には香りがちょっときつかったので、十分な換気が必要かと…)。
<10位>
ハンディーファン
2019年も猛暑に見舞われた日本。暑さ対策として若い世代を中心に流行したのが「ハンディーファン」です。
しかも、ただの暑さ対策グッズとしての人気だけではなく、若い女性などがハンディーファンの画像をInstagramなどのSNSに投稿。新たなファッションアイテムとしての地位を確立しました。
なかでも、フランフランが販売した「フレ 2WAY ハンディファン」は6色で約90万台を出荷。
また、首にかけるタイプのハンズフリー商品も登場し、ロフトでは全店で約3万個が売れるヒット商品となっています。
◇11位~20位
<11位>
ウーバーイーツ
デリバリーと言えば、ピザや寿司などの宅配専門店や、出前に対応している近所のお蕎麦屋さんやラーメン屋さん…というのが定番でした。
これを覆し、デリバリーに対応していない飲食店に“配送網”を提供したのが「ウーバーイーツ」です。
この「ウーバーイーツ」では、登録している配達パートナーがデリバリーしてくれます。配達パートナーは専業の場合もあれば、自分のスキマ時間を活用し、副業として従事している場合も。
自宅だけでなく、オフィスはもちろん、花見をしている公園にも届けてくれるため、その利便性の高さから大いに活用するユーザーも増加。
なお、ウーバーイーツが対応しているのは、東京、千葉、名古屋、大阪をはじめとする11都市で、2019年10月時点の登録店舗数は全国で1万4,000店超です。
<12位>
こだわり酒場のレモンサワー
2018年2月に発売された「こだわり酒場のレモンサワーの素」。
ブームが続いているレモンサワー市場で、サントリーが2018年2月に「こだわり酒場のレモンサワーの素」を発売。炭酸水を注ぐだけでレモンサワーが作れることから、38万ケースを超える人気に。
そして、2019年はすぐに飲める「こだわり酒場のレモンサワー缶」と業務用コンクも発売。これが好調で、当初の年間計画210万ケースから2度の上方修正を経て、年間計画は800万ケースと成長。
また、居酒屋での取り扱い計画は、3万店から5万店へと拡大するなど、好調な市場で1ブランドがリードする形となっています。
<13位>
バスチー(バスク風チーズケーキ)
バスチー(バスク風チーズケーキ)とは、ローソンが2019年3月から発売を始めたコンビニスイーツ。発売3日で100万個を突破する人気を博した。9月15日時点では8月に発売した「プレミアムバスチー」もあわせて2,450万個を販売。
なお、このバスチー(バスク風チーズケーキ)は、2019年に流行るスイーツにとして2018年末~2019年初めに話題となった、スペインのバスク地方で食べられているチーズケーキです。
東京に専門店ができ、注目を集め始めていた時点で、いち早くコンビニスイーツとしてローソンが販売し、一気に全国に広まりました。
ちなみに、2019年9月には山崎製パンが、2019年10月からはセブンイレブンもバスクチーズケーキに参入しています。
<14位>
天気の子
新海誠監督の新作映画「天気の子」が、2019年7月に全国359館で公開されました。
興行収入250億円の大ヒット映画「君の名は。」が公開されてから3年。新海誠監督の新作映画には、期待が持たれていましたが、その期待に十分応える内容となったのか、2019年10月下旬時点の興行収入は約136億円。1,000万人超の観客動員数を記録。
新海誠監督は、宮崎駿さん以来の、2作連続で100億円越えを果たした監督となりました。
<15位>
大粒ラムネ
「勉強中の集中力アップにラムネが効果的」という口コミが、2014年頃からSNSで広まり、森永ラムネが販売数を少しずつ伸ばしていた…という背景から、森永製菓は仕事中に食べる大人向けラムネを企画。
紆余曲折を経て、通常のラムネ粒を1.5倍に拡大した大粒ラムネを販売し、売り上げを2倍近く上積みすることに成功。
<16位>
オキュラス Go&クエスト
VR(仮想現実)といえば、ゲーム機やパソコンが必須な上に、別途VR機器が必要で、初期費用が高額となっていました。また、ケーブルで繋がれていることから、動きに制限ができるという大きなデメリットも。
これを覆したのが、2018年5月に発売された「オキュラスGo」。必要なのは、VR機器単体だけで高画質なのに2万円台とお手頃価格。
さらに、2019年5月には、動きが緻密に終える高機能を持つ「オキュラスクエスト」が5万円台という破格の安さで販売され、Amazonに予約が殺到。VR市場の約4割超を「オキュラスGo&クエスト」が占める形となっています(BCN調べ)。
<17位>
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
2018年12月に発売された、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」。発売から20年目、シリーズ通算5作目となる本作は、過去の作品に登場したファイター全てが収録されているほか、100種類を超えるステージが用意されているなど、スマブラシリーズの集大成。発売前から話題となっており、大ヒットは約束されていたようなもの。
その結果は、2018年10月1日~2019年9月29日の国内ゲームソフト売上ランキング(ファミ通調べ)によると、約328万本で第1位でした。
<18位>
悪魔のおにぎり
健康志向が主流となりつつある昨今、その真逆を行くのが「悪魔のおにぎり」。というのも、悪魔のおにぎりに入っている具材は“天かす”。味付けは“天つゆ”だからです。つまり、脂質・糖質の塊…。
ところが、この「悪魔のおにぎり」は、ローソンが2018年10月に販売を開始し、13日で累計265万個を販売。2019年9月末時点では、期間限定フレーバーも含めて5,600万個を突破する人気を博しています。
ちなみに、この「悪魔のおにぎり」ですが、もともとは南極観測隊が夜食に食べていたもの。2018年6月にテレビ番組で紹介されたのが始まり。ここからSNSで話題となり、マネする人が続出。トレンドに素早いローソンが、いち早く商品化して爆当たりしました。
なお、ローソン以外の企業でも、“悪魔”を連想させる商品が発売されています。
<19位>
マシュマロパンプス
2018年8月、ジーユーが低価格にもかかわらず履いても足が痛くならない機能性パンプス「マシュマロパンプス」を発売。
元々は、2017年に発売した商品に寄せられた「足が痛い」という声から、機能性パンプスを開発。爪先・中敷き・かかとにクッションを配置したもので、カラーバリエーションは8色、1990円~という低価格。
結果、長時間ヒールを履くのを苦痛に感じていた女性たちに支持され、発売から約1年で累計170万足を売り上げる異例の大ヒットを記録しました。
<20位>
おしりたんてい
見た目はおしりながら、紳士的な振舞いをするキャラクターが主人公の絵本・児童書「おしりたんてい」は、未就学児や小学校低学年を中心に人気となっています。
この「おしりたんてい」は、2018年5月からNHKにて不定期のアニメが放送され、12月にはレギュラー化、2019年4月には映画化もされました。
また、書籍の18年度シリーズ累計発行部数は600マン部を突破。さらに2019年8月末までの5か月間でさらに100万部を売り上げるなど、異例のヒットを記録。
書籍がヒットした理由としては、ユニークなキャラクターと紳士的な振舞いだけでなく、読者参加型の謎解き。主人公が“たんてい”なだけに、ストーリーは事件を解決していく推理もの。
ここに、間違い探し、迷路、簡単な計算など、主人公と一緒に問題を解いていく仕掛けが施されており、子どもたちのみならず保護者にも受け入れられ人気となっています。
◇21位~30位
<21位>
ドラゴンクエストウォーク
2019年9月に配信された、スマホ向け位置情報ゲーム「ドラクエウォーク」。実際に歩きながら、ドラゴンクエストの世界を冒険できるアプリゲームです。
人気のある老舗タイトルだけに、約1か月で800万ダウンロードを突破しました。
<22位>
ムーミンバレーパーク
2019年3月、埼玉県飯能市にある宮沢湖畔にオープンした「ムーミンバレーパーク」。
決して立地が良いとはいえないながらも、併設する商業施設「メッツァビレッジ」と合わせ、7月までに100万人が来場しました。
なお、「ムーミンバレーパーク」は、アトラクションを最小限にし、湖畔の大自然をゆったり楽しめる、テーマパークとは逆張りの戦略。ムーミンファンはもとより、シニア層にも人気となっています。
<23位>
誤発進防止装置
2019年4月、東京・池袋で高齢男性による自動車暴走事故が発生。母子2人が亡くなる痛ましい事故となりました。
この事故の原因は、加害者の高齢男性がアクセルとブレーキを踏み間違えたことによるものとみられています。
池袋暴走事故が発生する以前より、高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違え事故は多発していましたが、同事故がきっかけとなり、踏み間違え事故を回避する方法の1つとして、車に後付けタイプの誤発進防止装置を取り付ける需要が激増。
オートバックスセブンによると、3月までの半年間は、全店合わせて月平均30台程度でしたが、8月は100倍の3,900台に。
また、トヨタやダイハツが提供するメーカー純正の後付けタイプの誤発進抑制装置も注目されています。
<24位>
スターバックス リザーブ
ロースタリー 東京
2019年2月末、東京・中目黒にオープンした「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」。スタバ初の焙煎所(ロースタリー)を併設した店舗で、店内は4階建ての吹き抜け。テラス席やラウンジ席もあり、1階席のメインバーでは、生豆を焙煎し、1杯のコーヒーができるまでの過程が見学できます。
ちなみに、コーヒーだけでなくコーヒーを使った限定カクテルなども楽しめます。通常のスタバよりも高価格帯ながらも、客足は途絶えず、新しいスタバを体験できる“聖地”化に成功しました。
<25位>
液体ミルク
赤ちゃんにミルクをあげる際、日本では粉ミルクが主流です。これがなかなかに煩雑な手間が必要で、お湯を沸かし、粉ミルクを溶かし、人肌に冷まし…と、いくつもの工程が必要です。もちろん、哺乳瓶の煮沸も忘れてはいけません。
大変なのは外出時。赤ちゃんを連れたお母さんは、赤ちゃんがお腹を空かせば、外出先でもミルクを与えなくてはなりません。自宅ならいざ知らず、外出先で粉ミルクを溶かして…という作業は大変です。
ところが、海外では液体ミルクが普及しています。この「液体ミルク」は、缶や紙パックに入っており、哺乳瓶に移すだけですぐに授乳することができるスグレモノです。
そして、2018年の省令改正により、この「液体ミルク」が日本でも解禁されました。業界最大手の明治と5番手の江崎グリコが開発に着手し、2019年3月上旬に江崎グリコが「アイクレオ 赤ちゃんミルク」を発売。次いで4月末には明治が「ほほえみらくらくミルク」を発売し、好評を博しています。
<26位>
新ペットボトル紅茶
2018年はペットボトルコーヒーが爆売れしましたが、2019年は「ペットボトル紅茶」を各社が販売し、女性客のニーズを捉え売れ行きが好調。
まずは2019年3月に発売した「クラフトボスTEA ノンシュガー」と、7月発売の「クラフトボスミルクTEA」は、9月までに計460万ケースを出荷しています(飲料総研調べ)。
また、午後の紅茶ブランドから3月に登場した「午後の紅茶 ザ・マイスターズ ミルクティー」は210万ケースを出荷(飲料総研調べ)。
8月には「TEAs’ TEA 生オレンジティー」が発売され、1か月で80万ケースを出荷しています。
<27位>
スタディサプリ
多くの人の生活必需品となったスマートフォン。このスマホが、近頃では自学自習の新定番に。
オンライン学習サービス「スタディサプリ」は、月額980円(税別)で、有名講師の授業が受け放題。アプリ上で授業が閲覧できるため、地理的・経済的な理由で塾に通えない“塾難民”を中心に、口コミで認知が広がり、2019年6月末時点で有料会員数70万人を突破しています。
また、会員数増に一役買ったのが、「スタディサプリ English」。英語の勉強がしたくても時間が取れないビジネスパーソンのニーズにマッチし、「スタディサプリ English」は2018年1月時点で250万ダウンロードでしたが、2019年9月には500マンダウンロードを超える人気となっています。
<28位>
ポケトル
超小型のステンレスボトル「ポケトル」は、保温・保冷機能があるステンレスボトルですが、高さ14cm程度でポケットサイズ。その内容量は120mlと少量です。
しかし、この少量サイズが、とくに量を飲まなくなる40代以上の女性からの支持を得ました。中には、コーヒーとお茶など、違う飲み物を入れたものを2本持ち歩く…なんて人もいるようです。
<29位>
即食高プロテインフード
筋肉を増やすために欠かせないのが“たんぱく質”。従来は、プロテインの粉と水をシェーカーで混ぜるのが一般的でしたが、手間がかかるのが難点でした。
そこで、手軽にたんぱく質(プロテイン)をとれる“プロテインバー”が人気に。なかでも「1本満足バー プロテイン」が爆売れ。7月の発売後は、生産が追い付かず、入手困難となり、一時販売を休止していました。
また、新田真剣佑さんがCMに出演していた「ザバス ミルクプロテイン」も、“ゴクゴク飲める本格プロテイン”と認知度が高まり、好調な売り上げを記録しています。
<30位>
アタックZERO
花王が2019年4月に発売した「アタックZERO」が、発売5か月半で5,200万本出荷と好調。洗浄力の高さ、パンプッシュボトルなどの訴求のほか、若手イケメン俳優5人を起用したことも話題となりました。
◇選考基準
「2019年のヒット商品ベスト30」のランキング選考基準は、
・2018年10月~2019年9月の間に発表、発売された商品やサービスを対象に、ヒットの度合いを評価
・評価項目は、「売れ行き」「新規性」「影響力」など
・期間前に発表、発売されたものでも、期間内著しくヒットしたものは対象
・昨年すでにヒットしていた商品は原則対象外
◇今年の顔・来年の顔
日経トレンディの「ヒット商品ベスト30」の発表とあわせて恒例となっているのが、日経トレンディが選ぶ「今年の顔」「来年の顔」。
「2019年今年の顔」に選ばれたのは、俳優の横浜流星さんと、モデルで女優の中条あやみさんの2人です。
また、「2020年来年の顔」に選ばれたのは、俳優の杉野遥亮さんと、女優の森七菜さんです。
【#2019年ヒット商品ベスト30】
今年のヒット商品を、今年の顔に選出された横浜流星さん、中条あゆみさん、来年の顔に選出された、杉野遥亮さん、森七菜さんと一緒に発表しました!まとめは以下の記事からご覧ください!#日経トレンディ#日経クロストレンドhttps://t.co/g6sW1VKggy pic.twitter.com/1ruyxP6HsC
— 日経クロストレンド (@NIKKEIxTREND) November 1, 2019
※「ヒット商品2018」についてはこちらの記事をご覧ください。
ヒット商品2018/日経トレンディ発表のベスト30│解説&まとめ