2020年7月開催の「東京オリンピック2020」。
有望株の成長から、メダル獲得の可能性が期待される女子マラソン。その日本代表選手に選ばれるのは誰かに、注目が集まっています。
そんなマラソン日本代表選手の選考は、2017年からスタートした長い道のりがありました。
まずは第一関門のMGCシリーズにて、MGC出場権を獲得しなくてはなりません。MGC出場権を獲得して初めて、マラソン日本代表選手を選考する、2019年9月開催のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)に出場することができるのです。
そして、MGCにて2枠が決定し、残り1枠は、MGCファイナルチャレンジの結果で決まります。
そこで今回は、
・MGCファイナルチャレンジの結果
参考までに、
・東京五輪の代表選手選考の流れ
・MGCの開催概要
・MGC出場選手一覧(女子)
・MGCの結果
などをご紹介します。
※男子については、こちらの記事をご覧ください。
MGC出場選手(男子)の結果は?
東京オリンピックマラソン日本代表に確定したのは、前田穂南(天満屋)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)、一山麻緒(ワコール)の3選手です!
目次
●MGCファイナルチャレンジ
◇ファイナルチャレンジとは?
MGCファイナルチャレンジは、東京五輪マラソン日本代表3枠目を決めるレースで、対象レースは3レースです。
なお、派遣設定記録は女子/2時間22分22秒です。
対象レース
・第5回さいたま国際マラソン←終了
日程:2019年12月8日(日)
・第39回大阪国際女子マラソン←終了
日程:2020年1月26日(日)
・名古屋ウィメンズマラソン2020←終了
日程:2020年3月8日(日)
◇さいたま国際マラソンの結果
※ここでは、MGCファイナルチャレンジも兼ねている「第5回さいたま国際マラソン」の結果をご紹介します。
<ベスト8>
1位/P・ジェプチルチル(2:23:50)
2位/F・サド(2:26:45)
3位/B・オルジラ(2:27:11)
4位/N・サヴィナ(2:28:44)
5位/R・トゥサ(2:32:30)
6位/吉田香織(2:35:15)
7位/吉田香澄(2:38:39)
8位/P・チェプコリル(2:38:39)
※東京五輪マラソン代表3枠目は決定しませんでした。
なお、2020年12月に開催が予定されていた「第6回さいたま国際マラソン」は、開催が見送られることとなりました。
・市の財政負担が厳しいこと
・クイーンズ駅伝の開催時期が近い
・コースに起伏が多く、好記録が出にくいため、有力選手の参加が少ない
などが指摘されていました。次回開催については協議中のため、明言できないとのことです。
◇大阪国際女子マラソンの結果
※ここでは、MGCファイナルチャレンジも兼ねている「第39回大阪国際女子マラソン」の結果をご紹介します。
<ベスト8>
1位/松田瑞生(2:21:47)
2位/M・ベレテ(2:22:40)
3位/S・レウェテン(2:23:03)
4位/M・アセファ(2:23:31)
5位/L・ウェイトマン(2:26:02)
6位/B・ジェプキルイ(2:26:24)
7位/山口遥(2:26:35)
8位/F・サド(2:27:18)
優勝したのはダイハツ所属の松田瑞生選手です。タイムは2時間21分47秒で、五輪派遣設定記録の2時間22分22秒を切るタイムのため、3月の名古屋ウィメンズにて、松田瑞生選手のタイムを切る選手が出なければ、松田瑞生選手が東京五輪の日本代表3枠目となります。
◇名古屋ウィメンズマラソンの結果は?
※ここでは、「名古屋ウィメンズマラソン2020」の結果をご紹介します。
<ベスト8>
1位/一山麻緒(2:20:29)
2位/安藤友香(2:22:41)
3位/ピュアリティー・リオノリポ(2:22:56)
4位/ヒルト・ダンテ(2:23:17)
5位/佐藤早也伽(2:23:27)
6位/ヘレン・トラ(2:23:52)
7位/ビルケ・デベレ(2:25:08)
8位/細田あい(2:26:34)
優勝したのはワコール所属の一山麻緒選手。一山選手は五輪派遣設定タイムを突破したことから、東京オリンピック3枠目確定!
●東京五輪の代表選手選考の流れ
2020年7月24日(金)に開会式を迎える「東京オリンピック2020」。
マラソン(女子)は2020年8月2日(日)朝6時からスタートすることが決定しています。
なお、東京オリンピックマラソン日本代表選手は3名選出されますが、3枠のうち2枠は、
MGCの優勝者と2位の選手が代表となります。
※ただし、国際陸連が発表した五輪参加標準記録(女子/2時間29分30秒)を満たすことが条件。
そして、残り1枠は、MGCファイナルチャレンジの対象レースにて、
設定記録(女子/2時間22分22秒)
を突破した、MGC出場資格保有者の最上位選手が代表となります。
※ただし、設定記録を突破しなかった場合は、MGC3位の選手が3枠目の日本代表選手に選出。
なお、補欠選手については、
☆MGCファイナルチャレンジの設定記録を突破した選手が出た場合
→MGC3位・4位の選手が補欠に
☆MGC3位が代表となった場合
→MGC4位・5位の選手が補欠に
選出されます。
◇MGCとは?
MGCとは、マイルグランドチャンピオンシップの略で、2020年開催の東京五輪マラソン日本代表選手を決定する大会です。
このMGCに出場するには、2017-2018シリーズ、2018-2019シリーズに行われた各大会において、大会ごとに設定された記録をクリアした場合に出場権が得られます。
MGC対象の大会(女子4大会)
北海道マラソン
さいたま国際マラソン
大阪国際女子マラソン
名古屋ウィメンズマラソン
なお、この4大会以外でも、下記のワイルドカードで出場権を獲得するという場合もあります。
◇ワイルドカードとは
ワイルドカードとは、「国際陸上競技連盟が世界記録を公認する競技会」において、
2017年8月1日~2019年4月30日までの期間
・男子2時間08分30秒以内
・女子2時間24分00秒以内
であること。また、
期間内の上位2つの記録の平均が、
・男子2時間11分00秒以内
・女子2時間28分00秒以内
である場合、ワイルドカードとしてMGC出場権を獲得します。
その他、
・世界陸上2017(ロンドン)8位入賞者/対象者ナシ
・アジア大会2018(ジャカルタ)3位入賞者
・強化委員会が出場資格相当と判断した競技者
などが要件となっています。
●MGCの開催概要
大会名称
マラソングランドチャンピオンシップ
兼 東京2020オリンピック日本代表選考競技会
兼 第103回日本陸上競技選手権大会
開催日程
2019年9月15日(日)
女子スタート時間
9時10分
テレビ放送
2019年9月15日(日)8時~
※NHK総合にて放送
ラジオ放送
NHKラジオにて放送
コース
明治神宮外苑いちょう並木
↓
四ツ谷
↓
飯田橋
↓
神田
↓
日本橋
↓
浅草雷門
↓
銀座
↓
芝公園
↓
日本橋
↓
二重橋前
↓
神保町
↓
飯田橋
↓
四ツ谷
↓
明治神宮外苑いちょう並木
●MGCの結果は?
※MGCの結果はこちら!!
1位/2:25:16 前田穂南(天満屋)
2位/2:29:02 鈴木亜由子(日本郵政グループ)
------東京五輪内定-----
3位/2:29:06 小原怜(天満屋)
4位/2:29:51 松田瑞生(ダイハツ)
5位/2:31:14 野上恵子十八銀行)
6位/2:32:30 一山麻緒(ワコール)
7位/2:33:29 福士加代子(ワコール)
8位/2:36:29 安藤友香(ワコール)
9位/2:41:22 岩出玲亜(アンダーアーマー)
※途中棄権
上原美幸(第一生命グループ)
五輪内定を勝ち取ったのは、大きくリードして優勝した前田穂南選手(天満屋)と、2位の鈴木亜由子選手(日本郵政グループ)。
なお、小原怜選手はわずか4秒差で3位という惜しい結果となりましたが、MGCファイナルチャレンジ次第では、五輪3枠目の最有力候補となります。
【#MGC 表彰式✨✨】
🥇中村匠吾(富士通)
🥈服部勇馬(トヨタ自動車)🥇前田穂南(天満屋)
🥈鈴木亜由子(日本郵政グループ)#東京オリンピック
マラソン日本代表🇯🇵選手選考レース#JAAF #陸上 pic.twitter.com/unRhFYBAr9— JAAF(日本陸上競技連盟) (@jaaf_official) September 15, 2019
●MGC出場選手一覧
ここでは、MGCに出場する選手(10人)をご紹介します。
※ゼッケン順に記載
1・前田穂南
名 前 /まえだほなみ
所 属 /天満屋
生年月日/1996年7月17日
出身校 /薫英女学院高校
自己最高/2時間23分48秒(’18年)
MGC出場権獲得大会
2017年北海道マラソン
/1位(2時間28分48秒)
2・松田瑞生
名 前 /まつだみずき
所 属 /ダイハツ
生年月日/1995年5月31日
出身校 /薫英女学院高校
自己最高/2時間22分23秒(’18年)日本歴代9位
MGC出場権獲得大会
2018年大阪国際女子マラソン
/1位(2時間22分44秒)
主な代表歴
2017年世界選手権・ロンドン(10000m)
3・安藤友香
名 前 /あんどうゆか
所 属 /ワコール
生年月日/1994年3月16日
出身校 /豊川高校
自己最高/2時間21分36秒(’17年)日本歴代4位
MGC出場権獲得大会
2018年大阪国際女子マラソン
/3位(2時間27分37秒)
主な代表歴
2017年世界陸上・ロンドン(マラソン)
4・関根花観
名 前 /せきねはなみ
所 属 /日本郵政グループ
生年月日/1996年2月26日
出身校 /豊川高校
自己最高/2時間23分07秒(’18年)
MGC出場権獲得大会
2018年名古屋ウィメンズ
/日本人1位(2時間23分07秒)
主な代表歴
2016年リオ五輪(10000m)
右足第二中足骨疲労骨折のため欠場を発表。
5・岩出玲亜
名 前 /いわでれいあ
所 属 /アンダーアーマー
生年月日/1994年12月8日
出身校 /豊川高校
自己最高/2時間23分52秒(’19年)
MGC出場権獲得大会
2018年名古屋ウィメンズ
/日本人2位(2時間26分28秒)
6・野上恵子
名 前 /のがみけいこ
所 属 /十八銀行
生年月日/1985年12月06日
出身校 /須磨学園高校
自己最高/2時間26分33秒(’18年)
MGC出場権獲得大会
2019年名古屋ウィメンズ
/日本人3位(2時間26分33秒)
7・鈴木亜由子
名 前 /すずきあゆこ
所 属 /日本郵政グループ
生年月日/1991年10月08日
出身校 /時習館高校→名古屋大学
自己最高/2時間28分32秒
MGC出場権獲得大会
2018年北海道マラソン
/1位(2時間28分32秒)
主な代表歴
2017年世界選手権・ロンドン(5000m、10000m)
2016年リオ五輪(5000m、10000m)※10000mは不出場
2015年世界選手権・ロンドン(5000m、10000m)
8・小原怜
名 前 /おはられい
所 属 /天満屋
生年月日/1990年8月10日
出身校 /興譲館高校
自己最高/2時間23分20秒(’16年)
MGC出場権獲得大会
2018年名古屋ウィメンズ
/日本人5位(2時間27分44秒)
2018年ベルリンマラソン
/10位(2時間27分29秒)
※ワイルドカードで出場権獲得
主な代表歴
2015年世界陸上・北京(10000m)
9・福士加代子
名 前 /ふくしかよこ
所 属 /ワコール
生年月日/1982年3月25日
出身校 /五所川原工業高校
自己最高/2時間22分17秒(’16年)日本歴代8位
MGC出場権獲得大会
2019年名古屋ウィメンズ
/日本人2位(2時間24分09秒)
主な代表歴
2016年リオ五輪(マラソン)※五輪は4度出場
2013年世界陸上・モスクワ※世界選手権は5度出場
10・上原美幸
名 前 /うえはらみゆき
所 属 /第一生命グループ
生年月日/1995年11月22日
出身校 /鹿児島女子高校
自己最高/2時間24分19秒
MGC出場権獲得大会
2019年名古屋ウィメンズ
/日本人3位(2時間24分19秒)
主な代表歴
2016年リオ五輪(5000m)
2017年世界陸上・ロンドン(10000m)
11・前田彩里
名 前 /まえださいり
所 属 /ダイハツ
生年月日/1991年11月7日
出身校 /熊本信愛女学院高校→佛教大学
自己最高/2時間22分48秒(’15年)
MGC出場権獲得大会
2019年名古屋ウィメンズ
/日本人4位(2時間25分25秒)
主な代表歴
2015年世界陸上・北京(マラソン)
右大腿二頭筋付着部の腱損傷のため欠場を発表。
12・一山麻緒
名 前 /いちやままお
所 属 /ワコール
生年月日/1997年5月29日
出身校 /出水中央高校
自己最高/2時間24分33秒(’19年)
MGC出場権獲得大会
2019年東京マラソン
/7位(2時間24分33秒)
2019年ロンドンマラソン
/15位(2時間27分27秒)
※ワイルドカードで出場権獲得
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